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機械攪拌式地盤改良工法「WinBLADE®工法」を改良し、現場に初適用

既存床スラブを残置し、直下地盤の支持力向上を実現

2018年3月28日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、地中拡翼型の機械撹拌式地盤改良工法「WinBLADE®工法」を、既存建屋内から基礎スラブを撤去することなく、直下地盤の支持力向上を図れるよう改良を加え、この度、本技術を実施工現場に初適用致しました。

 建物の改修において、増床や地震対策用の免震装置取り付けにより荷重条件が変化した場合、直下地盤の支持力向上が必要となる場合があります。これまでは、建物床スラブの撤去を伴う良質土・改良土への置き換えや、床スラブに設けた小孔を利用した高圧噴射攪拌工法により、原位置での地盤改良工事などが行われてきました。このうち床スラブを残したまま作業可能な高圧噴射攪拌工法は、施工機械が小型なため建物内など狭隘部での施工に適しているものの、固化材を高圧噴射し、地盤切削しながら混合・撹拌して形成される円柱形地中改良体の確実性や多量の排土などの課題がありました。そこで、当社は、独自開発技術で適用実績のある「WinBLADE®工法」に改良を加え、既存建物の改修工事に初適用致しました。

今回、初適用した改良型「WinBLADE®工法」の主な特徴は以下のとおりです。

  1. 1建屋内での低空頭や既存壁近傍などの制限を受ける施工条件に対応するため、これまで使用した施工機械(必要施工ヤード:約4×8m)よりも小型の施工機械(同左:約2×4m)を適用し、狭隘な敷地での施工を可能としました。
  2. 2地中で攪拌翼を拡翼状態にした際の地盤切削性の向上およびセメントミルク吐出方向の変更などの改良、施工手順の見直しにより、これまでより硬質な粘性土の地盤改良にも対応できるようになり、施工可能な地盤条件の範囲を拡大しました。
  3. 3初適用した既存建物の床は二重スラブでスラブ間に間隔があったため、確実に排土が行えるよう上下スラブ間に排土専用の鋼製スパイラル管を配置しました。これにより、地盤の攪拌と同時に安定した排土状態を保ちながら、良好な排土回収を実現しました。

 実施工した改修工事では、地下1階、地上2階の建物補強及び増床に伴う建物荷重の増加に対応するため、建屋内約5mの空頭制限の条件下において、地下の床スラブに設けたΦ200mmの孔より地盤改良を行い、直下地盤に直径800mm、最大長さ約8mの円柱形地中改良体を計8本を造成しました。

 施工後のボーリング調査では砂層、粘土層に渡り造成した地中改良体の設計強度が当初設定の900kN/m2以上であることを確認しました。また、床スラブ直下は砕石層のため機械攪拌での施工が困難であり、床スラブと地中改良体頭部との密着状況による増加荷重の伝達が懸念されましたが、地中改良体造成後に床スラブ直下の砕石層にセメントミルクを注入し、その後載荷試験により密着性を確認しました。

今後、当社では、「WinBLADE®工法」を改良した本補強工法を、既存建物内から施工可能な改修関連技術として積極的に活用していく予定です。

  • WinBLADE®
     日特建設株式会社との共同開発による、地中で開閉可能な小型攪拌翼を有する機械攪拌系の原位置地盤改良工法。攪拌翼の開閉機構により、スラブや表層舗装や配管など地表・地中障害物を回避した施工が可能。また、攪拌翼の小型化により、鉛直だけでなく斜め方向の施工など従来の機械攪拌式工法による液状化対策や地盤改良では困難とされていた様々な条件下での施工に対応が可能。
施工時の攪拌翼形態
施工時の攪拌翼形態