既製コンクリート杭施工データ総合管理システム
「T-Pile Recorder」を開発

施工管理業務の効率化、省力化および厳格化を実現

2017年10月23日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、既製杭の煩雑な施工管理業務を改善するため、ICTを活用した既製コンクリート杭施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder」を開発しました。本システムの適用により、信頼性の高い施工管理データの保存と施工管理業務の効率化、省力化が可能となります。

 従来の既製杭施工データ管理は、確実な品質管理の実施と施工記録の保存が必要となるため、施工状況の確認から記録作成・保存に至るまでの過程で多くの時間を費やしていました。さらに昨今はこれまで以上に杭施工に係るデータ管理の厳格化が求められており、より信頼性の高い施工データ管理が必要となっています。

 そこで当社は、ICTの活用により、杭の位置や鉛直性などの実測値のほか、施工時の掘削機電流値などの計測データおよび工事写真など各種データの保存と管理書類の作成を自動化した既製コンクリート杭施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder」を開発しました。 

 本システムの特徴は以下の通りです。

  1. 1杭打ち機に装備された既存計測装置を利用し、そこに新規に通信機能など必要な機能だけを外付けで組み込むことにより、全体システムを構築しています。
  2. 2杭打ち機の電流値や掘削深度などの計測データは、自動的にクラウドへ送信・保存後、杭番号別に分類・ひも付けされ、帳票台帳が作成されるなど、一連の作業が人手を介することなく、自動で実施されるため、施工管理データの信頼性の確保、施工管理の厳格化が可能です。また、杭1本あたりに係る現場作業から書類作成までの業務時間も従来の3割程度に削減され、施工管理業務の効率化が図れます。
  3. 3杭芯位置などの実測値や工事写真はスマートデバイスにより、クラウドに送信・保存後、クラウドでは送信データに基づき、上記の計測データと同様、杭番号別に自動で管理書類や帳票台帳を作成・保存します。また、クラウドに保存された各種データを、パソコンやスマートデバイスを用いて、関係者間でリアルタイムに情報を共有し、確認できます。
  4. 4本システムに必要な機能だけを外付けで追加し、高額な装置の導入費や改造費が不要となるため、安価なコストで設置・運用することができます。

 今後、当社は、本システムの機能や操作性など更なる向上を図りながら、既製コンクリート杭の施工管理業務の効率化・省力化を図り、生産性の向上を目指し、普及展開を推進してまいります。

図-1既製コンクリート杭施工データ総合管理システム「T-Pile Recorder」の概念図
図-2 杭施工データ計測装置・計測内容