生産施設における室内環境の最適制御システム
『T-Factory Next』を開発

約20%の省エネルギー化を実現

2017年6月13日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、生産施設内における生産設備の稼働状況に応じて、施設内の照明・空調・換気の最適制御を行うシステム『T-Factory Next』を開発しました。本システムの適用により約20%の省エネルギー化を実現することが可能となります。

 工場などの生産施設では、これまで生産設備の稼働状況や作業員の在室状況に関係なく、照明は常時点灯、空調・換気は常時最大設定で運転を行い、無用なエネルギーを消費している場合があります。そのため、生産設備の稼働状況に応じて、室内環境を最適化し、省エネルギー化を図る仕組みが求められていました。
 そこで当社は、施設内のエリア毎に、照明・空調・換気を最適に制御するシステム『T-Factory Next』を開発し、生産施設の省エネルギー化を図りました。

『T-Factory Next』の特徴は、以下のとおりです。

(1)最適制御により、約20%の省エネルギー化を実現

生産施設内のエリア毎に設定する、作業員の在室状況、生産設備や照明・空調・換気の運転状況など自動制御のための基本情報(図-1)に加え、エリア内での照明・空調・換気の照度、風量等の運転状態や運転時間などを入力し、手動で運転モードを設定する(図-2)ことで、エリア毎に室内環境の最適制御を行うことができ、試算では導入エリアで稼働日1日あたり約20%の省エネルギー化を実現することが可能となります。

生産施設における室内環境の最適制御システム『T-Factory Next』を開発
生産施設における室内環境の最適制御システム『T-Factory Next』を開発

(2)生産設備に応じてタイプを選択

本システムには以下に示す2つのタイプがあり、施設内での生産設備やその稼動を制御・監視する製造管理システムの状況に合わせ、適用するタイプの選択や組み合わせが可能です。

タイプ1:個別制御型

生産エリア、生産設備などの単位で個別に制御するタイプで、汎用性が高く、生産設備の改修や変更に柔軟に対応することが可能です。操作パネルにより生産設備の稼働状況に応じた照明・空調・換気の運転設定・変更を手動で容易に行えます。また、操作パネルには視覚的に分かりやすいグラフィックデザインと、操作性のよいカラータッチパネルを採用しています。

タイプ2:中央監視制御型

タイプ1をベースに、中央監視システムにより各生産エリア、生産設備の稼働状況を一元管理して制御するタイプで、生産施設全体の室内環境を把握して、エリア毎に最適な制御を行うことで、施設全体の省エネルギー化につながります。

生産施設における室内環境の最適制御システム『T-Factory Next』を開発

 今後、当社では、本システムと生産設備の製造管理システムとの連携、ネットワークを活用したIoTへの展開などにより、さらに高度な省エネルギー運転が可能となるようシステム開発を進めるとともに、食品工場、医薬品工場、半導体工場などの生産施設を対象に導入を推進していきます。