内外装仕上壁面材下地システム
「T-Flex Wallsystem」を開発

多様な外観デザインに対し、良好な施工性と層間変位追従性能を実現

2017年2月10日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、内外装工事の仕上壁を対象として、躯体の変形に滑らかに対応できる優れた層間変位追従性能※1を持つ壁面材下地システム「T-Flex Wallsystem」を開発し、この度、複合商業施設『GINZA PLACE(銀座プレイス)』に初適用しました。

 建物の仕上壁など外壁の施工では、軽量鉄骨や形鋼で下地を組上げ、金属パネル類を取付けたり、ユニット化した部材をファスナー類で取付ける工法が一般的です。しかし、『GINZA PLACE(銀座プレイス)』のように外観デザインが多様で複雑な建物に従来工法を適用した場合、施工性や層間変位追従性を考慮すると、パネル間にかなりのクリアランスが必要となり、建物のデザイン性を損なうことがあります。逆に、外観デザインを重視すると、目地部にパネルを支持する下地材が複雑に集中し、良好な施工性や層間変位追従性能を維持できない場合があります。
 そこで当社は、アルミ型材、スライドファスナー、固定ファスナーを組み合わせ、スライド機構を用いた内外装仕上壁面材下地システム「T-Flex Wallsystem」を開発し、『GINZA PLACE(銀座プレイス)』に初適用しました。本システムにより、多様で複雑な外観デザインに対応し、かつ良好な施工性と層間変位追従性能を実現することが可能となります。

「T-Flex Wallsystem」の特徴は以下に示すとおりです。

  1. 1本システムは、方立に溝を複数設けたアルミ型材を横架材(無目材)として用い、溝にアルミ型材のファスナーを係合させたスライドファスナーと、ボルトで固定するファスナーを併用したスライド機構を設けています。これにより、2次・3次曲面のほか多様で複雑な外観デザインの建物でも対応でき、層間変位追従性能を満たすことが可能です。(写真-1参照)
  2. 2本システムは、層間変位追従性能を実大試験体により実証しており、1/50の層間変形角※2まで仕上面材が破損・脱落せずに追従することを確認しています。
  3. 3本システムの適用により、施工時の生産性向上と品質確保を実現でき、同時に建物の仕上壁面材の脱落・落下防止につながります。

 今後、当社では、多様で複雑な外観デザインの建物への適用を進め、より安全・安心で高品質な仕上壁面材の施工技術確立を進めてまいります。

  1. ※1層間変位追従性能
    高層建築物が地震や台風によって揺れた場合、外壁やカーテンウォールなどの非構造部材が脱落、損傷せずに、躯体の変形に滑らかに追従する性能
  2. ※2層間変形角
    建物各階に生じる水平方向の層間変位を階高で割った割合で、本システムでは構造設計指針等で定められた規定値(1/200以下)を超える角度まで対応可能
内外装仕上壁面材下地システム「T-Flex Wallsystem」を開発