処分場の遮水層構築技術
『T-Combinationクレイライナー工法』を開発

堆積軟岩の現地発生土を利用したベントナイト混合土による遮水層を実現

2016年6月13日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、管理型廃棄物最終処分場等における工事発生土が堆積軟岩の場合、その特性を生かして遮水層を構築する技術『T-Combinationクレイライナー工法』を開発しました。

 管理型廃棄物最終処分場等では、処分場内からの浸出水漏えいによる公共水域汚染や地下水汚染の防止対策として遮水層の構築が重要となります。遮水層には、浸出水の漏えいに備え、水分を吸収し膨らむ性質(膨潤性)のあるベントナイトを現地発生土などと混合したベントナイト混合土が土質系遮水材料としてよく使われます。従来、現地発生土を母材とするベントナイト混合土には砂質土を用い、必要に応じて粒度調整した後、混合土の製造を行っていました。

 当社は、母材となる現地発生土が堆積軟岩の場合、その破砕性という特徴を生かし、ベントナイト混合土の製造から転圧締固めに至る施工プロセスでその工程を同時に行います。さらに、膨潤性粘土鉱物を有する堆積軟岩には、合理的配合設計によってべントナイトの最適な混合率を適用し、使用量を低減することにより、なお一層のコスト削減効果が見込めます。

 また、ベントナイト混合土は、放射性廃棄物処分施設の有効な遮水材料として評価されており、除染に伴い発生した土壌、廃棄物等を一時的に貯蔵する中間貯蔵施設においても有効な遮水材料の一つになると考えられます。

 今後、大成建設では、さまざまな特質を持つ堆積軟岩に対する本技術の適用範囲を明確にし、合理的配合設計と効率的施工技術の標準化を目指し、処分場建設における現地発生土の有効利用を行ってまいります。

処分場の遮水層構築技術『T-Combinationクレイライナー工法』