大規模構造物の合理化測量工法「T-Measure Navi」を開発

携帯端末の活用により測量作業を省人化・効率化し、施工精度の向上を実現

2016年5月27日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、大空間建築など大規模構造物の測量作業をタブレットなどの携帯端末を用いて短時間で容易に計測可能な合理化測量工法「T-Measure Navi」を開発しました。本工法の適用により、建設現場での測量作業を省人化・効率化し、施工精度の向上を図ります。

 建築物や土木構造物を構成する主要部材の施工精度は、作業効率や出来形品質に大きく影響するため、施工過程で多くの測量作業を行う必要があります。従来の測量作業は複数作業員で行い、特に大空間建築などの大規模構造物では測量箇所が広範囲に及ぶため、一度測量した箇所でも再計測する場合があり、非常に多くの労力と時間を要します。また、測量箇所によっては高所での危険作業を伴うなど、安全管理上の課題もあります。

 そこで、当社は、携帯端末の活用により、熟練技術者以外でも迅速、簡単に計測が可能な合理化測量工法「T-Measure Navi」を開発しました。

本工法の特長は以下のとおりです。

  1. 1携帯端末を用いて、光波測距儀などの測量機器の遠隔操作や、測量箇所の指定、測量結果の参照が可能であり、従来複数の作業員で行っていた測量作業を一人で行うことができます。
  2. 2測量機器に内蔵されたデジタルカメラの映像を携帯端末と連動させ、端末画面上の映像で測量箇所付近の任意の点を選択し、その方向に測量機器を視準させるなど、簡単な操作で効率的に測量を行うことができます。
  3. 3測量箇所を自動認識し、無人で測量を実行する機能も有しており、多くの点を連続計測する場合に効果を発揮します。また、測量機器操作用の携帯端末以外は、特殊な機材は使用せず、事前の測量準備も非常に簡易であるため、測量技能の熟練度に係わらず本工法を使用することができます。

 これまで本工法を鉄骨設置精度の確認作業やプレキャストコンクリート取付時の微調整作業など3現場で試行しており、従来と比べ測量作業が大幅に効率化することを実証済みです。また、作業時間も、作業員2人1組で測量作業を行う場合に対して、作業員1人で30%以上短縮できることを確認しました。

 今後、大成建設では、建築・土木を問わず、より多くの建設現場に本工法を適用し、性能や使いやすさなどのさらなる向上を図り、普及展開を進めていく予定です。

大規模構造物の合理化測量工法「T-Measure Navi」