ZEB化計画・評価ツール「T‐ZEBシミュレーター」にコストスタディ機能を付加

立地条件やZEBレベルに応じた計画建物・設備の費用対効果を試算

2016年1月13日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、ZEB※1化計画・評価ツール「T-ZEBシミュレーター」にコストスタディ機能を付加しました。この機能により、立地条件やZEBレベルに応じた計画建物・設備の費用対効果を試算し、ZEB化に向けた最適な提案が可能となります。

 「T-ZEBシミュレーター」は、当社の『ZEB』実証棟(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)で集積した様々な実証データを解析にフィードバックさせることにより、「創エネルギー技術」と「省エネルギー技術」を様々なパターンで検討することができ、ZEB化のための計画・評価や年間エネルギー収支を従来よりも正確に短時間で行うことができるツールです。

 この度のコストスタディ機能の付加により、下記のような費用対効果の試算が可能となります。

  1. 1経済産業省が公表したZEBの新定義※2を踏まえ、各ZEBレベルに応じた計画建物・設備のイニシャルコスト※3、ランニングコスト※4の費用対効果も含めて試算することができます。
  2. 2寒冷地・温暖地域等の立地の違いを考慮した「創エネルギー技術」、「省エネルギー技術」の導入に係る費用対効果を試算することができます。

 本ツールの適用により、全国各地の立地条件に応じて様々なパターンで計画建物のZEBを実現するための検討を行うことができ、客先のニーズや予算に応じたZEBレベルの提案を行うことができます。

 今後、大成建設では、経済産業省がZEBの新定義を公開したことにより、ZEB化を目指した新築・既存の建物の計画が都市部を含め全国で加速されると考えています。
 これに対し、以前の目標を前倒しし、2018 年には『市場性のあるZEBの普及』を目標に、コストスタディ機能を付加した「T-ZEBシミュレーター」を用い、提案活動を積極的に推進していきます。

  1. ※1「ZEB」
    2015年12月17日に経済産業省 資源エネルギー庁より公表されたZEBの定性的な定義として、下記の考え方が示されました。
    ・ZEBとは、「先進的な建築設計によるエネルギー負荷の抑制やパッシブ技術の採用による自然エネルギーの積極的な活用、高効率な設備システムの導入等により、室内環境の質を維持しつつ大幅な省エネルギー化を実現した上で、再生可能エネルギーを導入することにより、エネルギー自立度を極力高め、年間の一次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物」とする。
  2. ※2「ZEBの新定義」
    2015年12月17日に経済産業省 資源エネルギー庁より公表されたZEBの定量的な判断基準の定義として、以下の3段階のZEBレベルの考え方が示されました。

    『ZEB』(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

    「年間の一次エネルギー消費量が正味ゼロまたはマイナスの建築物」であり、以下の示す(1)~(2)のすべてに適合した建築物

    1. 1再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減
    2. 2再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から100%以上の一次エネルギー消費量削減

    「Nearly ZEB」(二アリー・ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)

    「ZEBに限りなく近い建築物として、ZEB Readyの要件を満たしつつ、再生可能エネルギーにより年間の一次エネルギー消費量をゼロに近付けた建築物」であり、以下の示す(1)~(2)のすべてに適合した建築物

    1. 1再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の一次エネルギー消費量削減
    2. 2再生可能エネルギーを加えて、基準一次エネルギー消費量から75%以上100%未満の一次エネルギー消費量削減

    「ZEB Ready」(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル・レディ)

    「ZEBを見据えた先進建築物として、外皮の高断熱化及び高効率な省エネルギー設備を備えた建築物」であり、以下に適合する建築物
    再生可能エネルギーを除き、基準一次エネルギー消費量から50%以上の1次エネルギー消費量削減

  3. ※3イニシャルコスト
    現状は新築の事務所および学校の建物用途に限るが、今後は用途拡大を予定
  4. ※4ランニングコスト
    電気、ガス等の光熱費を試算
ZEB化計画・評価ツール「T‐ZEBシミュレーター」にコストスタディ機能を付加
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