粒状体を用いた遮音天井
「T - Silent Ceiling SM」を開発

床衝撃音や固体伝搬音などの騒音を大幅に低減

2015年10月6日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田 誉之)は、無機系粒状体「ゼオライト」を封入した特殊粒状体袋を天井裏に配置し、騒音を大幅に低減する遮音天井「T-Silent Ceiling SM」を開発しました。床衝撃音や固体伝搬音などの低減に有効です。

 騒音の原因となる振動を軽減する方法として、従来から多く採用されている遮音天井は、防振ハンガーや吊りボルトで天井下地材を吊り下げ、上下階で相互に伝わる振動を低減しています。しかし、この方式では、天井下地材などの天井材料自身の共振特性により発生する振動に対しては、低減効果が期待できないことが課題でした。
 この課題を解決するため、無機系粒状体「ゼオライト」を封入した特殊粒状体袋を天井裏に配置する遮音天井「T-Silent Ceiling SM」を開発しました。

 遮音天井「T-Silent Ceiling SM」の特徴は、以下の通りです。

  1. 1天井に伝搬する騒音を大幅に低減
     本遮音天井は、特殊粒状体袋を金属製の天井下地材にも設置できるため、優れた遮音性能を発揮します。
     地下鉄走行音や設備機器稼働音等の各種固体伝搬音や床衝撃音が一番大きくなる周波数帯域である63~250Hz帯域において、従来の防振天井と比較して、伝搬する振動エネルギーを70~90%低減することが可能です。また、防振未対策の一般天井に適用した場合では90%程度の低減が可能です。
  2. 2施工が容易
     「ゼオライト」を封入した特殊粒状体袋は、天井裏全面に敷き詰めるだけなので、施工が容易です。このため、新築だけでなくリニューアル等で遮音対策を必要とする既存建物にも適用が可能です。
  3. 3コンクリート使用量を削減
     コンクリート床スラブ厚を増やすことなく、天井裏の空間を有効に活用した遮音対策が可能です。

 今後は、高い遮音性能が要求されるホールやスタジオ・シネコン、集合住宅、地下鉄や設備機器に近接する建物など様々な建築物への適用を図るとともに、新築建物だけでなく既存建物の天井裏の空間を有効活用し、リニューアルやコンバージョン時の遮音対策にも適用していきます。

  • ゼオライト
     湿度、臭気を吸着するため吸収性内装材や土壌改良材、ろ過材として用いられる粒状体で、無機物の鉱物であることから不燃性の材料です。
粒状体を用いた遮音天井「T - Silent Ceiling」を開発