芝育成環境シミュレーションシステム
「T-Heats Turf」を開発

スタジアムの形状検討に活用

2015年9月3日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田誉之)は、このたび芝生の育成環境を考慮した最適なスタジアム形状を検討するためのシミュレーションシステム「T-Heats Turf」を開発しました。

 スポーツスタジアムでは、施設の規模やスタンド屋根の形状等によっては、夏期の風通しが悪く高温多湿になってしまう場所、冬期に日射量が不足してしまう場所などが生じてしまい、芝生の育成を妨げるケースがあります。
 そこで当社は、これまでの温熱環境解析・評価システム「T-Heats」をベースに、芝生の育成環境に配慮し最適なスタジアムの形状を検討できるシミュレーションシステム「T-Heats Turf」を開発しました。

 本システムは、スタジアムの形状を3次元モデルで再現し気流や日射、芝生面の熱収支解析を連成させてシミュレーションするもので、以下の特徴を有しています。

  1. 1スタジアムの形状によって生じる、芝生面における風速の減衰、温湿度の上昇、冬期の日射量不足といった、育成環境を低下させる要因とその状況を再現できる。
  2. 2芝生面における日射量や温湿度分布により、冬期の生育に必要な日射量が得られない、あるいは夏期に温湿度が上昇し、芝生の育成が妨げられる場所を特定することができる。
  3. 3既存施設においては、上記のシミュレーション結果を基にスタジアムの開口部や屋根などの形状の変更による芝生育成環境の改善効果を検証することができる。

 今後、スポーツスタジアム建設などの案件に対して芝生の育成環境を妨げないように配慮し、スタジアムの形状を検討する際の評価ツールとして、「T-Heats Turf」の活用を提案し、また、既存スタジアムの改修に対しても、芝生の育成状況や品質が十分でない場合には、「T-Heats Turf」によって育成環境を妨げる要因を分析し、開口部の拡張などのリニューアル工事等に適用してまいります。