簡易斜杭基礎『T-Root®』を開発

−太陽光発電設備の架台基礎構築を短工期・低コストで実現−

2015年5月27日
大成建設株式会社
株式会社ラスコジャパン
ブイ・エス・エル・ジャパン株式会社

 大成建設株式会社(社長:村田 誉之)は、株式会社ラスコジャパン(社長:島谷 学)、ブイ・エス・エル・ジャパン株式会社(社長:加々美修一)と共同で、太陽光発電設備の架台基礎構築を短工期かつ低コストで施工可能な簡易斜杭基礎「T-Root®」を開発しました。

 今回開発した「T-Root®」は樹木の根(Tree-Root)が地中に広がる形状をヒントに基礎構造として応用した技術で、軽量でコンパクトなダクタイル鋳鉄製台座を基礎フーチングとして使用し、4本の鋼管をハンディー型の電動ハンマーで斜めに配置する簡易斜杭基礎技術です。杭材には汎用性の高い鋼管を用いるため低コストで資材を調達でき、コンクリート基礎と比べ施工にかかる工種を削減できることから短工期での施工が可能となります。また、容易に撤去でき、鋳鉄製台座と杭材は再利用することができます。

「T-Root®」の特徴は以下に示すとおりです。

外力に対して大きな抵抗力
「斜杭構造」と台座に鋼管杭を固定する「杭頭固定機能」により、台座と鋼管杭の一体化を図り、使用材料が小口径の短い鋼管杭でも外力に対して大きな抵抗力が得られます。
軟弱地盤等への適用
硬質・礫質地盤以外の地質に対応し、「杭頭固定機能」を有した基礎フーチングの使用により、従来の斜杭では難しいとされてきた水田跡地等の軟弱粘性土地盤への適用が可能となります。
また、重機を使用できないような施工上の制約を受ける既設構造物周辺、狭隘地、傾斜地での施工が容易となります。
安定した品質の資材提供
基礎に用いるダクタイル鋳鉄製台座は工場生産のため、安定した品質で部材を提供できます。
環境への配慮
施工に際し大掛かりな土砂掘削・搬出が不要で大型重機を使用しないため、取付道路等の周辺整備も不要となり、CO2排出量も削減できることから、周辺環境への影響を最小限に抑えることができます。

 今後、大成建設では共同開発各社と共に太陽光発電設備をはじめ、小規模な工場設備、歩廊、仮設構造物などの簡易基礎として、「T-Root®」を積極的に提案してまいります。

簡易斜杭基礎『T-Root®』を開発