大型集客施設の群集避難シミュレーションを
短時間で実現
BIMデータを利用した、インプットファイル作成プログラムを開発
2015年3月24日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:山内 隆司)は、BIM(Building Information Modeling)データを利用して、避難シミュレーションに必要なインプットファイル(建物・避難者入力情報)を短時間で作成するプログラムを開発しました。これにより、大型集客施設の災害時避難シミュレーションにかかる時間と労力を大幅に削減することが可能になりました。
大型集客施設の建設では、来場者が災害時に避難する際の避難経路の幅や配置に問題がないかを事前に確認する必要があります。これまでの避難検証ツールでは、建物の形状や群集の配置を全てデータ化する必要があり、特にスタジアムのような高低差があり多数の座席などの障害物を有する空間では、3次元空間形状モデルの作成と避難者配置データの作成に膨大な時間と労力が必要とされていました。
そこで大成建設は建物形状のみならず座席や扉などの付属情報を有し、建物モデルが3次元データ化されているBIMデータを利用することでシミュレーションに必要なインプットファイルを非常に短時間で作成できるプログラムを開発しました。
インプットファイル作成プログラムの特徴
- 1作業時間の短縮
本プログラムはBIMデータを利用することで、座席数約8,000席のスタジアムの場合、今まで3次元空間形状モデル作成及び避難者配置データ入力に数か月を要していた作業を半日程度でインプットファイルを作成することが可能です。 - 2設計変更への対応
建物の設計に用いるBIMデータを直接用いるため、建物施設の設計・施工の過程において頻繁に行われる設計変更にも容易に対応でき、正確なシミュレーションの再現が可能です。 - 3他システムとの連携
気流解析ソフトなど他分野のシミュレーションへの展開も可能です。
今後、大成建設では本インプットファイル作成プログラムを大規模スタジアムや超高層ビル、さらにトンネルや大深度地下空間などの大型施設の計画に活用し、安全な施設建設を行ってまいります。

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