技術センターに国内最大級の大型耐震実験装置が完成・運用開始

−大地震に対する建物の安全性の更なる向上を図る−

2015年2月13日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)は、2012年7月から開始した当社技術センター(横浜市戸塚区)の施設拡充5か年計画の一環として、新たに「大型耐震実験装置」を完成させ、このたび本格運用を開始しました。

本実験装置の仕様は以下のとおりです。

  1. 1最大載荷荷重は、鉛直方向±20MN(約2000トン)、水平方向±6MN(約600トン)と、これまでの2.5倍(当社比)の能力を有します。
  2. 2最大高さ5m×最大幅6m×奥行2mの試験体サイズまでの実験が可能です。
  3. 3大小6台(鉛直2台、水平2台、梁加力用2台)の油圧サーボアクチュエータの自動制御システムと、鉄骨製の加力梁・基礎梁および面外変形防止用の2門の門型フレームにより構成されています。

 本実験装置の活用により、実大スケールの超高層ビルの下層階の柱や柱梁接合部、基礎部などを対象とした耐震実験や橋脚や耐震壁など大断面の構造部材の実験が可能になりました。
柱の実験では、図-1のようにアクチュエータで最大±20MNの鉛直荷重を載荷した状態で、±6MNの水平力載荷が可能です。
柱梁架構実験では、図-2のように柱に±10MNの鉛直荷重を載荷した状態で、梁に±1.5MNのせん断力載荷が可能です。

 今後は、将来発生が予想される首都直下型地震やM9クラスの巨大地震に備えるため、本実験装置を用いて建築物の耐震性能や高強度の鋼材・コンクリートなどの構造材料を用いた新たな構造部材の性能検証を行います。また、木質構造の大断面部材で構成された新たな構造架構の開発を進めるなど、建築物やインフラ施設の耐震安全性の検証と性能評価に活用して、安全性の更なる向上を目指していきます。

技術センターに国内最大級の大型耐震実験装置が完成・運用開始