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振動音の大幅な低減に有効な中空コンクリート板を開発

2014年9月10日
大成建設株式会社
株式会社栗本鐵工所

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)と株式会社栗本鐵工所(社長:福井秀明)は、中空コンクリート板(※注)に粒状体を用いることで、コンクリートの厚みに頼らず遮音性能を発揮する「振動低減中空コンクリート板」を開発しました。

  1. コンクリート板の剛性を保ちつつ軽量化する目的で、板の内部に中空部を設けたコンクリート板でボイドスラブとも呼ばれます。

従来

 コンクリートは、一般的に空気中を伝わる音に対しては高い遮音性能を有した材料ですが、床衝撃音等の固体伝搬音(振動音)に起因する騒音問題を発生させることがあります。
また、これまでにも振動音の低減をはかるため粒状体を使用した床部材等が開発されていましたが、建物の構造体となるコンクリート板による製品はありませんでした。

振動音解決に向けて

 今回、大成建設株式会社と株式会社栗本鐵工所は、構造体の床コンクリート内に袋に入れた粒状体を封入することで、床から伝わる振動を制御し振動音を大幅に低減する「振動低減中空コンクリート板」を開発しました。

振動低減中空コンクリート板の主な特徴

 振動低減中空コンクリート板は、以下の特徴を有しています。

  1. 1振動を低減させたい周波数にチューニングが可能
    対象とする振動音などの周波数に応じて、粒状体の質量及び袋の弾性を調整することで、効率的に振動音を低減します。
  2. 2高い低減効果と軽量化を実現
    同厚(例:250mm)のコンクリートスラブと比べ、5dB〜10dBの騒音低減が可能となり、加えて15%程度の軽量化を実現します。
  3. 3特別な作業を必要としない施工方法
    予め中空管に袋に入れた粒状体を封入することで、現地では一般の中空コンクリート板と同様の施工が可能です。
  4. 4コストの低減
    振動音低減に必要なコンクリート量を少なくできる為、建物のトータルコストの低 減が可能です。

今後の展開

 大成建設は、振動音低減対策が必要な建物(集合住宅・設備機械室床・地下鉄軌道近接建物・静ひつ性を必要とする建物(コンサートホール等))に振動低減中空コンクリート板の適用を提案していきます。

振動低減中空コンクリート板の図と写真

振動音の大幅な低減に有効な中空コンクリート板を開発

(参考)振動低減のメカニズム

 粒状体によってエネルギー損失を高め、さらに粒状体自身がTMD(チューンド・マス・ダンパー)の機能を果たすことで、振動を低減します。
TMDとは、振動する部材(ここではコンクリート板)に質量とバネ及び抵抗による振動系を付加することによって、対象とする周波数の振動を低減させるものです。
振動低減中空コンクリート板では、特殊な袋に入った粒状体を中空部に設置しており、粒状体の質量や袋の弾性を調整することで、振動低減させたい周波数のチューニングが可能です。また、一般的なTMDに比べて、粒状体を用いることにより、より広い周波数帯域にわたって低減効果を発揮します。

振動音の大幅な低減に有効な中空コンクリート板を開発