低コストなコーティング剤の自動製造装置を開発

〜装置本体内部のドライ性能保証を実現〜

2014年8月26日
大成建設株式会社
神戸合成株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)は神戸合成株式会社(社長:宮岡督修)と共同で、ドライ空間が必要とされる自動車向けコーティング剤の製造工程において、装置本体内部のドライ性能を保証する自動製造装置を開発しました。本装置はドライ空間を局所化し、最小限のドライ空間を確保するだけで稼動できることから、大幅な設備投資をせずとも、自動化による製造効率と品質の向上が期待できます。

手作業での製造が一般的

 現在コーティング剤の製造は、原料となる薬品が空気中に含まれる水分と反応しないよう、作業スペースをグローブボックスで覆うことでドライ化し、手作業にて行う方法が一般的です。

自動化への課題が山積

 従来からの方法は手作業であることから、生産効率や品質面において限界があります。そのため、空間全体をドライ空間とし、その中に自動製造装置を設置、稼動する方法もありますが、ドライ化しさらにそれを維持していくには多大なコストが必要となります。
そこで最も効率のよい手段として、製造ラインを自動化しながらも、原料が露出する部分のみをドライ空間とする方法があげられます。しかしこの方法では装置を介してドライ空間と外部空間とが接続することになるため、ドライ空間を適切に確保する、高度な技術が必要となります。そのため装置の構築はできても、工業製品として重要な装置内のドライ空間の保証は、たいへん困難とされていました。

課題解決に向けて

 今回当社は神戸合成と共同で自動製造装置の開発にあたり、装置内の圧力管理・装置筐体構造の気密性向上のため独自の構築法を考案し、更に最適なドライ空間内の使用材質選定、給排気場所設定等を行うことで、装置内のドライ空間の保証を実現しました。

幅広い分野へ応用可能

 本技術はコーティング剤の製造に限らず、リチウムイオン電池工場等のさまざまな製造ラインへの適応が可能なため、今後も幅広い施設への技術提案を行っていきます。

低コストなコーティング剤の自動製造装置を開発