ダムのリニューアル向け水中作業機「T-iROBO UW」を開発

〜遠隔操作とマルチ作業性により安全にインフラの再生を実現〜

2014年7月28日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)、株式会社アクティオ(社長:小沼光雄)、極東建設株式会社(社長:末吉常彦)は、ダムのリニューアル工事などにおける水中の作業を、遠隔操作で行える水中作業機「T-iROBO UW」を開発しました。ちなみにUWはアンダーウォーターの頭文字です。

今後増加するダムのリニューアル

建設当時から50年以上が経過したダムが増えており、これらのダムは補修、補強が必要となる場合があり、多くのダムにおいてリニューアル工事が計画、実施されています。

課題が山積

既設ダムのリニューアルは、供用しながらの工事となるため、施工時にも貯水水位を維持しており、水位が高い状態の中、海底部分を施工せざるを得ない場合がほとんどです。
そのため、大水深での潜水作業や、大規模な仮締切、高脚仮設桟橋の設置が必要となり、危険を伴う作業や工期の長期化が避けられないのが現状です。

課題解決に向けて

「T-iROBO UW」は、水上の台船から地盤にシャフトを降ろし、そのシャフトを昇降する作業機に様々なアタッチメントを取付けて、砕岩、掘削、ずり処理、精密測深、撮影など一連の水中作業を、遠隔操作で安全かつ確実に施工が可能な作業機です。
水中の各種作業を、ダイバーを使わずに安全に施工するために開発された機械で、ダム湖のように深くて、急峻で、視界の悪い場所での施工に威力を発揮します。可視化を含めた情報化施工技術により遠隔で操作を行えるため、安全性と施工性が大幅に向上しました。

実施施工を開始

「T-iROBO UW」は、今年の6月から7月にかけて、佐野市の陸上試験場において、各種アタッチメントを使用して、作業性と施工能力の確認試験を行っており、2015年2月に国土交通省近畿地方整備局発注による京都府天ケ瀬ダム再開発トンネル式放流設備流入部建設工事での実施施工を予定しております。
今後はダムのリニューアルをはじめ、本作業機を有効利用できるさまざまな工事において、適用の提案をしていきます。

ダムのリニューアル向け水中作業機「T-iROBO UW」を開発
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