ZEB実証棟が技術センターに完成
−「都市型ZEB」実証のため運用を開始−
2014年6月16日
大成建設株式会社
大成建設株式会社(社長:山内 隆司)は、技術センター(神奈川県戸塚区)において、建物単体で年間の1次エネルギー収支がゼロになる「ZEB 実証棟(ZEB:ゼロ・エネルギー・ビル、Zero Energy Building)」(注1)を完成させました。今後、運用していく中で建物全体の年間エネルギー収支ゼロ実現に向け「省エネから、ゼロエネへ。」の検証を行っていきます。
日本ではエネルギーの約40%がオフィスビル等の建物で消費されています。したがって、オフィスビルにおけるエネルギー収支をゼロにすることは、全体のエネルギー消費量を削減することはもちろん、CO2の排出量を大幅に削減することにつながり、エネルギー問題や地球温暖化問題の解決に大きく貢献することになります。
大成建設は、エネルギー問題や地球温暖化問題を解決するため、オフィスビルが集中する都市部に建設する建設物をZEB化することを目指し、さまざまな技術開発を推進しています。このたび完成し、運用を開始するZEB実証棟は、当社が進める「都市型ZEB」(注2)の第1号建物となります。
ZEB実証棟では、新しいシステムの開発や、従来技術の効率的な組み合わせにより、徹底的な省エネルギーを図りました。年間のエネルギー消費量を一般的なオフィスビルと比べ、75%削減します。一方、消費するエネルギーの残り約25%は、太陽光パネルによる創エネにより賄い、消費エネルギーと生成エネルギーの収支がゼロとなることを目指し、検証を進めていきます。
大成建設は今後、ZEB実証棟に適用した各技術の性能検証と居住性・快適性の確認および更なる向上を図ることで、次世代オフィス建物のスタンダードとして「都市型ZEB」の普及・発展を目指します。
所在地 | 神奈川県横浜市戸塚区名瀬町344-1 |
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建築面積 | 427.57m2 |
延床面積 | 1277.32m2 (免震ピット14.27m2、 1階400.70m2、 2階420.76m2、 3階420.76m2、 塔屋階20.83m2 ) |
階数 | 地下0階、地上3階、塔屋1階 |
構造 | 鉄筋コンクリート造(一部PCa造)、免震構造 |
基礎 | 直接基礎 |
- 注1ゼロ・エネルギー・ビル(Zero Energy Building)
2009年に経済産業省から提案され、「建築物における一次エネルギー消費量を、建築物・設備の省エネ性能の向上、エネルギーの面的利用、オンサイトでの再生可能エネルギーの活用等により削減し、年間の一次エネルギー消費量が正味(ネット)でゼロ又は概ねゼロとなる建築物。」と定義されています。すなわち、建物で消費するエネルギーを極限まで少なくし、さらにエネルギーを創る設備を持つことで、年間のエネルギー収支がゼロとなる建物のことです。 - 注2都市型ZEB
従来国内外のゼロ・エネルギー・ビルは、エネルギー負荷の小さい低層建物であったり、郊外の広い敷地を活用して、建物外で創り出したエネルギーを取り込むことによりゼロエネルギーを達成していました。技術センター内に完成したZEB実証棟は、超省エネと建物本体に設置した創エネ設備により年間エネルギー収支をゼロにする建物として、都心の狭小なエリアでもZEBを実現することのできる「都市型ZEB」の実証モデルと位置づけております。
省エネから、ゼロエネへ。
当社の独自開発による超省エネ技術と創エネ技術により、今後ゼロ・エネルギー・ビルの実現、普及を目指す、当社の取組み姿勢を示す言葉です。