調光可能な無線制御システム
(T-Green Wireless)を開発
−新築からリニューアルまで幅広く対応可能−
2014年6月13日
大成建設株式会社
株式会社東光高岳
大成建設株式会社(社長:山内隆司)と株式会社東光高岳(社長:高津浩明)は、オフィスビルなどで無線技術を用いて照明器具を1灯単位から調光制御できる「無線制御システム(T-Green Wireless)」を共同で開発しました。
一般的なオフィスビルの消費エネルギーのうち約2割を照明が占めており、政府が2020年までに実現を目指している新築公共建築物のZEB(ゼロ・エネルギー・ビル)化のためには、更なる照明エネルギーの削減が求められています。
また一方で、最近のオフィス空間では、執務者の働きやすさや生産性を高めることを目的とした「快適性」の向上も一層求められています。そこで、「省エネルギー」と「光環境の快適性」を両立できるきめ細やかな調光制御による照明計画を構築することが重要となります。
しかしながら、これまでの調光制御システムは、当初計画された機器配置や配線によって点滅区分や調光区分が決められてしまうため、レイアウト変更が生じた場合には、照明電源のON/OFF配線と調光配線の2系統の配線変更工事を新たに行う必要がありました。
このたび、大成建設と東光高岳は、こうした配線工事を必要としない「無線制御システム(T-Green Wireless)」を開発しました。本システムは、照明電源のON/OFF制御と調光設定ができる2つの機能を備えた小型無線制御ユニット(子機)と、統合管理を行う無線制御親機から構成されています。子機を照明器具1灯毎に設置することにより、従来必要であった配線工事を一切不要とすることができます。また、レイアウトや利用者の使い勝手にあわせて照明のON/OFF区分や調光区分をタッチパネルにて、容易に設定することが可能となります。
さらに、本システムは、照明メーカーを問わず、様々な照明器具への制御が可能なため、リニューアルはもちろん将来のレイアウト変更を見据えた新築工事への導入に最適です。
大成建設では、本システムを技術センター(横浜市戸塚区)に建設する「ZEB実証棟」へ導入し、省エネ・節電効果や無線通信精度の実証を行います。
今後は、この無線技術を応用して、空調設備の制御への適用も合わせて展開していく予定です。
特徴
- 1照明1灯単位で制御する高機能システム(レイアウトフリー制御)から複数灯を1つの制御単位とする一般的な多灯制御まで対応した拡張性に優れたシステム。
- 2920MHz周波数域を利用することで電波到達性に優れ、他の無線機器と干渉しないシステムを実現。
- 3無線制御ユニット(子機)の電源は、照明電源線より給電される仕組みで電池不要。
- 4照明器具の無駄な待機電力をカットできる機能も装備。(特許出願済)
- 5照明器具の保守率より経年劣化を想定し、明るさを一定に保つ簡易初期照度補正や任意の明るさへの設定変更が可能な機能も搭載。
- 6タッチパネルの機能として、照明器具による消費電力をグラフ表示で「見える化」することにより、節電効果などを簡単に確認することが可能。