F.T.Pile構法、日本建築センターの設計式を改定

〜適応頻度が増す高支持力既製杭に対応〜

2014年3月14日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:山内隆司)は、自社開発の杭頭半剛接合法「F.T.Pile構法」(既製コンクリート杭)を、高支持力杭工法に確実に対応すべく、日本建築センターの一般評定の設計式改定を行いました。また、引き抜き力が作用するSC杭(注1)の接合方法の標準化も併せて実現しております。

 本構法は杭頭半剛接合法と呼ばれる、杭とパイルキャップの接合部において、杭頭の回転を許容することによって、地震時に杭頭に作用する応力を低減する構法です。現在、さまざまな杭頭半剛接合法が開発・実施適用されていますが、当社が開発した本構法は、FTキャップと呼ぶ鋼製の型枠を杭頭部に設置するという極めてシンプルな構造が特徴となっており、2003年には杭頭半剛接合法として、日本建築センターの一般評定を取得しております。

 当社では2005年にF.T.Pile構法既製杭協会(※)を設立、会員企業とともにその優れた施工性と経済性を広く世に普及させてまいりました。その結果、2014年には協会正会員15社が本構法を採用したプロジェクトは累計で1,600件を超え、杭本数では11万本という施工実績を達成するに至りました。

 一方、近年では都市部で既製コンクリート杭の採用を検討する場合、高支持力杭工法と呼ばれる工法の適用実績が増加しています。この工法は、杭1本あたりの支持力を高めることで、トータルの杭の本数を減らすことができ、効率的な施工が可能ですが、施工管理の信頼性を従来以上に高める必要があります。また、高支持力杭工法におけるコンクリート杭は高い鉛直支持力を確保するため、地震時に杭に作用する水平応力もまた大きくなることから、耐震設計もより高度なレベルが求められます。

 これらの要求に答えるため、2013年12月の日本建築センターの一般評定の更新において、高支持力既製杭に確実に対応した設計式への改定を行いました。また、引き抜き力が作用するSC杭の接合方法の標準化も併せて実現しております。

 この改定により、ますます適用実績が見込まれるF.T.Pile構法ですが、今後も更なる安全・安心を追求し、巨大地震への対応を推進してまいります。

(※)F.T.Pile構法既製杭協会 : http://www.ftpile.jp/

F.T.Pile構法、日本建築センターの設計式を改定
F.T.Pile構法、日本建築センターの設計式を改定
F.T.Pile構法、日本建築センターの設計式を改定