維持管理データをわかりやすく可視化

− BIMにパノラマ記録システム『T-Siteview』を融合し、
CAFMと連携 −

2011年8月29日
大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長:山内隆司)は、BIM(ビルディング・インフォメーション・モデリング)と、上下左右360°のパノラマ記録システム『T-Siteview』で撮影した現況写真を融合させ、『CAFM』(コンピュータ・エイディットファシリティ・マネジメント)のデータとして引き出せる連携システムを開発しました。これにより、大成建設は、BIMで設計した建物情報と竣工後に必要とされる維持管理情報を簡易に可視化、活用することが可能となりました。

 BIMは、コンピュータ上に床・壁・柱・建具など建築で主に使用される専用の部材を3次元で制作し、属性情報も含めてデータベース化したもので、設計、施工といった各フェーズで活用していくシステムです。当社はBIMとバーチャルリアリティを連携した『ビューア』を昨年度に開発。今までも必要に応じてプレゼンテーションなどで使用してきました。
一方、パノラマ記録システム『T-Siteview』は、高精細デジタルカメラを使用して、上下左右360°、一か所につき10分程度で約80枚の写真を撮影し、その場で自動的に球体パノラマを完成させるシステムで、建物改修時の記録保存などに用いていました。
今回の連携システムは、この『ビューア』に、『T-Siteview』で撮影した球体パノラマを取り込み、竣工時には存在しない、備品、什器、建物用途によっては実験機器、生産ラインといった、施設の維持管理には欠かせない情報を付加することにより、維持管理する上で必要な修繕計画、修繕履歴および建物の属性情報などを記録したコンピュータ支援システム『CAFM』に繋ぐことによって、3次元画面から、それら情報を引き出せるようにしました。

 以前より、BIMを建物の維持管理にも活用したいという要望が、お客様から多数、寄せられていました。
大成建設は今後、この連携システムで、BIMをベースにした建物のライフサイクルでの効率的な維持管理を、医療、研究、生産、複合施設といったお客様を中心に、積極的に提案、支援してまいります。

特徴

【既存機能】(BIMビューア)

  • 設計した建物内を自由自在に動き回り必要に応じて設計仕様を提示します。

【新規機能】

  • BIMビューアに『T-Siteview』で記録した球体パノラマ画像を取り込むことが可能。
  • パノラマ画像の透明度を調整し、設計情報と現況の姿の違いを視覚的に比較可能。
  • BIMで設計した建物を対象に施設に関する属性情報、修繕計画、修繕の実績などの情報をビジュアルに確認可能。
  • パノラマ画像内の備品、実験施設等のCAFM情報も画面上に表示可能。