単身寮を災害時支援施設として耐震補強・300名宿泊も可能に

〜 既存社員寮を「使いながら工事」で整備・改修 〜

2010年8月4日
大成建設株式会社

 大成建設(株)(社長:山内隆司)は、単身寮をリニューアルし、災害時の復旧活動に従事する応援社員の宿泊施設としての機能と、復旧活動の拠点としての機能を付加することで、BCP(事業継続計画)の実効性を高めます。

当社は、災害時における元施工物件の復旧活動や、施工中物件の二次災害防止措置をBCPの大きな柱としております。東京都心で大地震等が起きた場合、この復旧活動を速やかに実行するため、全国各地から応援社員を集めることが想定されます。そこで、災害対策本部(本社:新宿区西新宿)の近くに位置し、本部との連携がとりやすい、初台の単身寮を応援社員の宿泊施設・復旧活動の拠点として整備することとしました。
各居室やトレーニングルームを使用して、最大300名の宿泊スペースを確保すると共に、受水槽の耐震補強と、井戸や汚水槽、非常用発電装置の新設により、電気や上下水道といったインフラが停止しても、300名が生活し、復旧活動に従事する環境を維持できるようにします。また、屋外に新設する汚水槽については、マンホールトイレを設置することで、近隣の方々に利用していただくことも可能となります。
耐震補強工事では、当社のリニューアル向け耐震補強技術を効率的に組み合わせることで、工事箇所を最小限に抑えながら、構造で建築基準法の1.5倍、設備で通常の2倍の耐震性能を実現します。また、施工にあたっては、低騒音・低振動を特徴とする耐震補強技術により、建物を使いながらの工事が可能なため、一時的な引越しや代替住居を必要としません。
当社は、この取り組みを今後の自社のBCP遂行に有効活用するだけでなく、既存施設の防災拠点化や災害時支援施設としての活用例として、積極的に営業展開していきます。

施設概要

施設名 プレミール初台
所在地 東京都渋谷区代々木
構造等 RC造 地上5階 地下2階
収容人数 62名(通常時)300名(災害時)

耐震補強概要

  • PCM(ポリマーセメントモルタル)増打ち補強
    騒音・振動を伴う「あと施工アンカー」を用いず、定着金物を既存柱・梁に接着し、左官工事で既存壁の増打ちを行う補強技術。
  • T-Grid補強
    既存のサッシ開口を利用し、格子状の補強材を配列する補強方法。耐震補強を感じさせないデザインも好評。
  • アウトフレーム補強
    バルコニーの既存手摺部分に補強フレームを設置。内部空間への影響が少なく、デザイン性にも優れた計画が可能。
  • 設備耐震補強
    防災拠点維持に必要な設備配管に耐震支持を追加。また、受水槽・高置水槽(消火用)を耐震性能の高い製品に変更。

災害時に備えた機能

  • 井戸・ろ過装置の新設
    屋外に井戸を新設し、井戸水を各寮室の生活用水(トイレ等)として利用することを可能とした。
  • 受水槽取替え及び単水栓(飲料水用)の新設
    既存受水槽を耐震補強された受水槽へ交換するとともに、飲料水供給用の水栓を新設することで、非常時に受水槽内の水を飲料水として利用することを可能とした。
  • 汚水槽の新設
    非常時の寮室の生活排水(トイレ等)を貯留するために、地中に汚水槽を新設。(マンホールトイレ4台を設置することにより、近隣住民が利用することも可能。)
  • 非常用発電装置の新設
    非常時の地区拠点事務所(食堂・ラウンジ)・ロビーへの電源供給及び共有スペースの照明用。
  • 太陽光発電装置(ソーラーパネル)の新設
    非常時の補助電源としての利用だけでなく、省エネ・環境に配慮すべく、通常時の発電エネルギーとしての利用を可能とした。
  • 食堂・ラウンジにLAN配線・電話線を敷設
    地区拠点の事務所機能を付加するため、食堂・ラウンジにLAN配線・電話線を敷設し、パソコン・電話・複合機の利用を可能とした。
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