世界初 既存超高層ビルの長周期地震動対策工事
−新宿センタービルの対策工事が完了−
2009年7月27日
大成建設株式会社
大成建設(株)(社長・山内隆司)は、世界初となる既存超高層ビルの長周期地震動対策として、昨年10月に着工しました新宿センタービルの「耐震バリューアップ工事」を本日、完了いたしました。
近年、東海・東南海・南海地震や南関東地震の発生の可能性が高まっています。これらの地震が起こると、東京エリアを始め大都市部の高さ150mを超える超高層ビルでは、共振を起こす可能性があり、ゆっくりとした揺れが長く続くことが予想されています。この長周期・長時間地震動に対して、初期に建設された超高層ビルでは、建物の構造安全性は確認されていますが、天井の脱落、設備機器の損傷などの 被害が想定されています。
新宿センタービルのオーナー会社は、入居テナント企業の事業継続(BCP)の観点から、長周期・長時間地震動に対する 影響を減らすために、大成建設が保有する長周期地震動対策構法(T-Respo構法)を適用して耐震バリューアップ工事にいち早く着手し、本日、工事を完了しました。
なお、入居者、来館者に対して対策を実施したことをお知らせするために、1階ロビーに対策構法の実大パネルを設置しています。
弊社では今後も引き続き、BCPの観点からビルオーナーに対して長周期地震動対策「耐震バリューアップ工事」を積極的に提案していきます。
所有者 | 明治安田生命保険相互会社、東京建物株式会社、 新宿センタービル特定目的会社、日本プライムリアルティ投資法人 |
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所在地 | 東京都新宿区西新宿1−25−1 |
竣工 | 1979年、階数:地下5階,地上54階 |
高さ | 216m、基礎:直接基礎 |
構造 | 地上部 S造 可撓耐震壁 |
延床面積 | 183,064m2 |
工事内容 | 制震ダンパー設置工事(288ヶ所) |
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対策工期 | 平成20年10月から平成21年7月まで(約10ヶ月) |
なお、日本建築センターの性能評価を取得しています。
ご参考 耐震ネットの関連コンテンツもご覧ください
(大成建設ホームページ/サービス・ソリューション/耐震ネット)
- Taisei's EYE:長周期地震動と超高層ビル-その課題と対策に向けて
都市の超高層建物にとって新たな課題となってきた長周期地震動。 その発生のメカニズムは?建物にあたえる影響は?そして、私たちはどの様な対策を取ればいいのでしょうか?
大成建設の設計本部理事副本部長構造設計プリンシパル細澤がわかりやすく解説します。 - 大成の技術:T-RESPO構法-超高層ビルのバリューアップに最適な制震技術-
T-RESPO構法は柱・梁を補強することなく、既存超高層建物の地震時の揺れを低減し、大地震時の安全性を向上させるバリューアップ制震化構法です。
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