国内初
既存超高層ビルの長周期・長時間地震動対策工事
−新宿センタービルで年内着工へ−
2008年7月17日
大成建設株式会社
大成建設(株)(社長・山内隆司)はこの度、国内初となる既存超高層ビルの長周期・長時間地震動への対策として、新宿センタービルの耐震バリューアップ工事を受注しました。
近年、発生の可能性が高まっている東海・東南海・南海地震や南関東地震が起こると、東京エリアを始め大都市部の高さ150mを超える超高層ビルでは、共振を起こす可能性があり、ゆっくりとした揺れが長く続くことが予想されています。この長周期・長時間地震動に対して、初期に建設された超高層ビルでは、建物の構造安全性は確認されていますが、天井の脱落、設備機器の損傷などの被害が想定されています。
新宿センタービルのオーナー会社は、入居テナント企業の事業継続(BCP)の観点から、長周期・長時間地震動に対しての影響を減らすために、耐震バリューアップ工事を行うことを決定しました。大成建設が保有する長周期・長時間地震動対策構法(T-Respo構法)を展開することにより、建物の層間変形角を耐震性のクライテリアである1/100以下に抑え、揺れ時間も短くすることができます。このような長周期・長時間地震動が発生した場合、その被害額(補修工事費+工事期間中の営業損失額)は長周期・長時間地震動を想定しない場合より数倍大きくなりますが、予め対策工事を実施することで被害額低減を図ることができます。
対策工事に当りましては、着工までにそれぞれの入居テナントと十分な打ち合わせをしながら進めていきます。
所有者 | 明治安田生命保険相互会社、東京建物株式会社、 新宿センタービル特定目的会社、日本プライムリアルティ投資法人 |
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所在地 | 東京都新宿区西新宿1−25−1 |
竣工 | 1979年、階数:地下5階,地上54階 |
高さ | 216m、基礎:直接基礎 |
構造 | 地上部 S造 可撓耐震壁 |
延床面積 | 183,064m2 |
工事内容 | 制震ダンパー設置工事 |
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対策工期予定 | 平成20年内着工(約10ヶ月) |
ご参考 耐震ネットの関連コンテンツもご覧ください
- Taisei's EYE:長周期地震動と超高層ビル-その課題と対策に向けて-
都市の超高層建物にとって新たな課題となってきた長周期地震動。 その発生のメカニズムは?建物にあたえる影響は?そして、私たちはどの様な対策を取ればいいのでしょうか?
- 大成の技術:T-RESPO構法-超高層ビルのバリューアップに最適な制震技術-
T-RESPO構法は柱・梁を補強することなく、既存超高層建物の地震時の揺れを低減し、大地震時の安全性を向上させるバリューアップ制震化構法です。