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ウエットスーツのファスナーを応用して
トンネル換気ダクトからの風漏れを低減

2007年3月26日
鹿島建設株式会社
大成建設株式会社

 鹿島建設株式会社(社長:中村満義)と大成建設株式会社(社長:葉山莞児)は、このたび小口径・長距離のトンネル換気が確実に行える『NLFダクト』(Non-Leak-Fastener-Duct)(長距離トンネル用換気ダクト)を開発しました。
NLFダクトは、ダイバーなどが着用するウエットスーツのファスナーを応用した画期的な製品です。

大都市では上下水道、電気などの幹線の整備が既に行われており、現在は幹線から枝分かれする小口径の幹線網の整備が積極的に進められています。
また、施工コストの低減や効率化のため、立坑を増やさず1台のシールドマシンなどで、できるだけ長いトンネルを構築するケースが多くなっています。そのため、大都市における小口径・長距離のシールドトンネル工事が数多く計画されています。

一般に、トンネルにおける換気は、立坑の入口付近に換気ファンを設置し、換気ダクトを通じて切羽付近に新鮮な空気を送ります。換気用風管は、通常10mの筒状のビニール管をファスナーでつなげていくことにより、換気ダクトを形成します。また、従来のビニール風管は接続部のファスナーからの漏気量が大きく、長距離トンネルに適用する場合には必要に応じてトンネル内に中継換気ファンを設置して換気を行います。しかし、小口径のトンネルではトンネル断面積が小さく、中継換気ファンを設置することが出来ないため、漏気量の小さな風管が求められていました。
現在、漏気量の小さいことを特徴とするスチール製の風管が市販されていますが、坑内が狭く搬送や取扱いに難があること、非常に大きなストックスペースが必要なこと、コストが高いことなどが課題でした。

そこで、両社は、ダイバーなどが着用するウエットスーツの防水性に着目し、ウエットスーツに採用されているファスナーでビニール管を連結することにより、高い気密性を確保しました。本製品を利用することにより、小口径・長距離トンネルであっても取扱い容易なビニール管を用いて、確実な換気を可能とします。
今後、小口径・長距離トンネルの新型風管換気技術として、積極的に工事への適用を進めていく方針です。

本製品の概要

 従来のビニール管は、通常10mの長さの管を「ファスナー」でつなぎ、管の内部に「スカート」(筒状の布)を取り付け風が流れることでスカートが接続部に密着し風漏れを抑える仕組みです。
ビニール管は、曲線部で風が一定でなかったり、長年の使用で「スカート」が劣化しファスナーの接続部に密着しない場合に風漏れが増えます。

 そこで、ビニール管の接続部にウエットスーツで使用する「防水ファスナー」を用いて、管を接続することで従来よりもファスナーそのものからの漏気が無くなり、更に始端〜終端部の隙間には『ドーナツシール』(ドーナツ状のパッキン)を挟み込むことで、ビニール管の接続部の気密性を飛躍的に高めました。

ドーナツシールの構造

本工法の特徴

本工法の特徴は次の通りです。

  1. 1風漏れ量を低減
    新型のビニール風管で漏風性能試験を実施したところ、漏風率は従来の風管と比較して1/100程度に低減できる。
  2. 2高耐久な端部部材「ドーナツシール」
    ビニール管の接続部(ドーナツシール)は、曲線部での風管の変形や長年の劣化を防ぎ、風漏れ量が増えにくい構造である。従来のスカートを無くしたことでビニール管の風抵抗を低減できる。
小口径・長距離トンネル用換気ダクト

今後の展開

新型のビニール風管は、小口径・長距離トンネル工事で中継ファンの設置が困難な場合、特に有効な工法です。今後もNLFダクトを改良することでコストダウンを図り、積極的に工事への適用を進める方針です。