液状化地盤における構造物の耐震検討を現状のほぼ1/2に短縮(当社比)

~汎用構造解析プログラム「TDAPIII」を機能拡張し、液状化シミュレーションにも対応~

2006年4月18日
大成建設株式会社

大成建設(株)(社長:葉山莞児)は、構造物の耐震設計に用いる汎用構造解析プログラム「TDAPIII」((株) アーク情報システムとの共同開発)に、地盤の液状化現象のシミュレーション機能を新たに組み込むことで、液状化を考慮した構造物の耐震検討に要する時間を半減できる耐震評価システムを開発しました。
これにより、免震や制震など最新の構造形式を含め、あらゆるタイプの構造物を対象に、当社の構造設計者自らが液状化を考慮した耐震設計を即時に実施できるようになり、顧客のニーズに合わせて多様な提案を行うことが可能となります。

砂がゆるく堆積し、地下水位が浅い臨海部の埋立地や河口付近の沖積層といった地盤は、地震時に液状化する可能性があります。液状化すると地盤は軟らかく液体状となり、地震による揺れが大きくなるため、地中で構造物を支えている杭が損傷したり、構造物に沈下や傾きが生じたりして、甚大な被害につながる恐れがあります。したがって、地震時に液状化することが予想される地盤に構造物を建設しようとする場合、事前の計画・設計段階で、液状化の影響を考慮した耐震検討を行い、上部構造や基礎構造の安全性を確保する必要があります。
これまで、地盤が液状化するかどうかに関わりなく行う必要がある通常の耐震検討は、構造設計者が自ら、社内で標準的に利用されている「TDAPIII」を用いて実施していました。一方、液状化を考慮した耐震検討に際しては、当社が保有する液状化地盤に特化した「液状化解析プログラム」により、その担当技術者が液状化解析を実施していました。
「TDAPIII」は多様化する免震や制震など最新の構造形式に対応した機能や構造物の損傷を詳細に評価する機能を有しており、これに液状化解析機能が加わったことにより、今後は構造設計者自らが、あらゆるタイプの構造物と液状化地盤とを一体的に考慮した精度の高い耐震検討を行うことができます。さらに、通常の耐震検討と液状化を考慮した検討を同一システム上で行えるため、解析作業の多くの部分を共通化することができ、液状化に関わる検討時間を半減、各種提案をお客様に速やかに提供できます。
今後は、このシステムの社内での利用を促進するとともに、更なる高度化を積極的に展開。将来的には外販も視野に入れていきたいと考えます。

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