熊本復興のシンボル 新阿蘇大橋
徹底した合理化施工で、1年4カ月の工期短縮を実現
2021年3月7日、熊本市内と阿蘇を結ぶ、新阿蘇大橋の開通式が行われました。
新阿蘇大橋は、2016年4月の熊本地震で崩落した旧阿蘇大橋に代わり、建設が進められていたものです。全長525m(当社施工部分345m)で、旧橋から約600m下流の急峻な峡谷に架かります。また、大口径深礎最大径16m、橋脚最大高さ97m、最大支間長165mと、PC3径間連続ラーメン箱桁橋としては国内有数の規模を誇ります。当社は、2017年3月より、熊本復興のシンボルとなる本橋梁の建設プロジェクトに参画。徹底した合理化施工と多彩な技術・工夫によって、標準工期に比べて1年4カ月短縮しての早期供用を実現しました。
本橋梁の開通により、地震で寸断されていた熊本市内と南阿蘇村とを結ぶ主要アクセスルートはすべてつながりました。九州観光の要となる南阿蘇地域へのルート回復により、市民生活の利便性の向上、さらなる観光の活性化が期待されます。
- ※2021年5月17日、公益社団法人土木学会より「令和2年度 土木学会田中賞 作品部門」を受賞しました。
工事名称 | 熊本325号災害復旧 阿蘇大橋上下部工事 |
---|---|
発注者 | 国土交通省九州地方整備局(熊本復興事務所) |
関連コンサルタント | (株)長大 |
施工者 | 当社・(株)IHIインフラ建設・(株)八方建設 地域維持型建設共同企業体 |
工期 | 2017年3月17日~2021年3月31日 |
所在地 | 熊本県阿蘇郡南阿蘇村立野~河陽 |
地域待望の早期開通に向け、多彩な技術と工夫で、大幅な工期短縮を実現!
阿蘇への観光ルートであり、市民生活の重要なインフラでもある新阿蘇大橋。開通を待ち望む方々のため、当社は徹底した合理化を図り、長大な橋脚や橋桁の構築においてもスピーディーな施工を実現。昼夜を分かたぬ努力により、全体で約1年4カ月の工期短縮を図りました。
1.厳しい現場条件を克服すべく、巨大インクラインを整備
一級河川黒川をまたぐ新阿蘇大橋。急峻な地形や年間を通して吹き渡る強風対策として、雨風の影響を受けにくく、急斜面でも大量の資機材を運搬できるインクラインを両岸に整備しました。最大積載量60tもの巨大インクラインの設置により、厳しい条件下での安全かつ効率的な資機材運搬を実現しました。
2.高橋脚の施工に威力を発揮する、ACSセルフクライミングシステム工法
橋脚の施工には、作業足場と型枠を一体化させたユニットを油圧駆動装置で上昇させるACSセルフクライミングシステム工法を採用しました。
従来工法にくらべて、足場の増設やクレーンによる型枠の揚重作業が削減できたため、スピーディーな施工はもとより、作業の省力化、安全性の向上を実現しました。
3.超大型移動作業車による片持ち張出架設
橋桁の片持ち張出架設には、通常の約3倍の容量(6000kN・m〔キロニュートン・メートル〕)を有する超大型の移動作業車を導入しました。これにより、順次張り出していく橋桁ブロックを大型化し、ブロック数を削減することができたため、施工日数の大幅な短縮を実現しました。
4.昼夜施工と働き方改革
一日も早い完成を目指し、本プロジェクトは昼夜で施工しました。社員のシフトスケジュールを作成し、業務効率と休暇取得を両立しました。働き方改革に注力しながら、365日中351日稼働しました。
熊本復興のシンボルとなる橋梁を阿蘇の大地に築く
2020年度内の開通を目指して、今、阿蘇大橋の架替え工事が進んでいる。2016年4月に発生した熊本地震による崩落から3年半。阿蘇への観光ルートでもあり、地域の生活道路でもあるこの橋の再建は県民待望の一大プロジェクトだ。その重みを深く胸に刻み、橋梁建設に邁進する作業所を訪ねた。
工事記録ビデオ
企業広告
社外表彰
- (一社)日本建設業連合会
2021年(第2回)日建連表彰 土木賞