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経営成績の解説と分析

業績等の概況

当年度の日本経済は、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動等がみられたものの、企業収益や雇用・所得環境など基礎的条件の改善を背景に、緩やかな回復を続けました。

国内建設市場については、非製造業が弱含んだものの、公共投資が引き続き高水準で推移したことにより、堅調に推移しました。

こうした状況のもと、当社グループの経営成績は次のとおりとなりました。

受注高は前連結会計年度比7.3%増の1兆7,657億円となり、売上高は同2.6%増の1兆5,732億円となりました。

利益については、営業利益は前連結会計年度比31.0%増の704億円、経常利益は同31.2%増の744億円、当期純利益は同19.0%増の381億円となりました。

報告セグメント等の業績を示すと次のとおりとなります(報告セグメント等の業績については、セグメント間の内部取引を含めて記載しています)。

1 土木事業

当社グループにおいては、売上高は当社の増加により前連結会計年度比5.1%増の4,710億円となりました。また、営業利益は、売上高の増加により同1.7%増の331億円となりました。

2 建築事業

当社グループにおいては、売上高は当社の増加により前連結会計年度比6.4%増の1兆172億円となりました。また、営業損益は、売上高の増加および売上総利益率の改善により、244億円の利益(前連結会計年度は89億円の損失)となりました。

3 開発事業

不動産販売市場は、分譲マンション市場において、建設費の上昇傾向が続くなか、金利や不動産価格の先高感を背景として契約率が高水準で推移し、堅調な事業環境が継続しました。また、不動産賃貸市場は、オフィスビルの空室率が改善し、一部ビルの賃料は上昇傾向を示すなど、回復基調が継続しました。

当社グループにおいては、前期の大型案件売却に伴う反動により、売上高は前連結会計年度比2 3.9%減の1,434億円となりました。また、営業利益は、売上高の減少および売上総利益率の悪化により、同56.2%減の122億円となりました。

4 その他

当社グループにおいては、売上高は前連結会計年度比21.0%増の144億円、営業利益は同37.3%減の3億円となりました。

受注実績
単位:百万円 受注実績
売上実績
単位:百万円 売上実績

(注) 受注実績、売上実績においては、セグメント間の取引を相殺消去しています。

キャッシュ・フローの状況

1 営業活動によるキャッシュ・フロー

税金等調整前当期純利益を669億円獲得したこと等により、240億円の収入超(前連結会計年度は1,387億円の収入超)となりました。

2 投資活動によるキャッシュ・フロー

投資有価証券の取得等により、139億円の支出超(前連結会計年度は160億円の収入超)となりました。

3 財務活動によるキャッシュ・フロー

資金調達に係る有利子負債の返済等により、304億円の支出超(前連結会計年度は688億円の支出超)となりました。

以上により、当連結会計年度末の現金および現金同等物は3,371億円(前連結会計年度末比172億円減)となり、また、資金調達に係る有利子負債の残高は2,732億円(同432億円減)となりました。

キャッシュ・フローの状況
キャッシュ・フローの状況

財政状態および経営成績の分析

1 概況

当連結会計年度の経営成績については、受注高・売上高・営業利益・経常利益・当期純利益の各項目において年度当初の予想を達成しました。

財政状態については、当期純利益の計上に加え、株式相場上昇によるその他有価証券評価差額金の増加や劣後ローンの返済資金に充てるために実施した新株式発行による増資等により純資産が4,921億円に増加したため、自己資本比率は前連結会計年度比4.3%増の28.2%となりました。また、資金調達に係る有利子負債が2,732億円と432億円減少したことから、D/Eレシオは0.3ポイント好転して0.5倍となりました。

以上により、中期経営計画の最終年度(2014年度)における経営数値目標(営業利益470億円、有利子負債3,000億円未満、D/Eレシオ1.0倍)をいずれも達成しました。

2 財政状態

(1)資産の状況
株式相場上昇による投資有価証券の増加および完成工事未収入金の増加等により、資産合計は前連結会計年度末比8.5%・1,361億円増の1兆7,352億円となりました。

(2)負債の状況
資金調達に係る有利子負債の削減はあったものの、電子記録債権に係る債務の増加等により、負債合計は前連結 会計年度末比2.3%・282億円増の1兆2,431億円となりました。
なお、当連結会計年度末の資金調達に係る有利子負債 残高は2,732億円となりました。

(3)純資産の状況

当期純利益の計上に加え、株式相場上昇によるその他有価証券評価差額金の増加等により、前連結会計年度末比28.1%・1,079億円増の4,921億円となりました。

3 経営成績

(1)受注高および売上高
受注高は、土木事業および建築事業において増加したことから、前連結会計年度比7.3%増の1兆7,657億円となりました。
また、売上高も土木事業および建築事業において増加したことから、前連結会計年度比2.6%増の1兆5,732億円となりました。

(2)営業利益および経常利益
営業利益は、売上総利益が前期の大型案件売却に伴う反動により開発事業において減少したものの、建築事業の売上総利益率の好転により増益となり、販売費及び一般管理費が概ね前期並みとなったことから、前連結会計年度比31.0%増の704億円となりました。
経常利益は、支払利息の減少等により営業外損益が好転したことから、前連結会計年度比31.2%増の744億円となりました。

(3)当期純利益
当期純利益は、法人税率引き下げに伴う繰延税金資産取り崩しによる税負担額の増加があったものの、経常利益の増加により、前連結会計年度比19.0%増の381億円となりました。

配当政策

当社は、長期的な安定配当を基本方針として、将来の事業展開に備えるために内部留保の充実を図りながら、業績の好調な時は特別配当等により株主に利益の還元を行うこととしています。
当期の配当金については、中期経営計画(2012~2014年度)の最終年度において当初計画を大幅に上回る業績を達成したこと、および今後の経営環境等を総合的に勘案し、前期より2円増配し、1株当たり年8円の普通配当(うち中間配当3円00銭)を実施することとしました。
なお、当社は会社法第454条第5項に規定する中間配当を行うことができる旨を定款で定めており、毎事業年度における配当は期末と中間の2回行うこととしています。これらの配当の決定機関は、期末は株主総会、中間は取締役会であります。
また、内部留保金については、次世代技術開発の推進等のために活用していく方針です。

配当金の総額・1株当たり配当額
配当金の総額・1株当たり配当額

(注) 当期を基準日とする剰余金の配当は上記のとおりとなります。

中長期的な会社の経営戦略および対処すべき課題

今後の事業環境につきましては、短中期的には、2020年東京オリンピック・パラリンピックへの期待や防災・減災意識の高まり等を背景として、堅調に推移するものと思われます。

しかし長期的には、人口減等を背景とした需要の減少や質の変化、さらに担い手確保の問題等、内在する課題も大きいと認識しております。

このような認識のもと、当社グループは、2015年度を初年度とする「中期経営計画(2015-2017)」をスタートさせ、以下に掲げる経営課題の達成に向けて全力で取り組んでまいります。

「中期経営計画(2015-2017)」(要旨) (基本方針)「建設事業本業の深耕」

指す姿
  • 品質と安全の確保によって、高い顧客満足を得る
  • 高付加価値型の事業構造への転換を推進する
  • 安定的かつ持続的な成長を図る
  • すべてのステークホルダーから高い信頼と評価を得る
経営課題
1注力プロジェクトへの戦略的な取り組み

(1)国家的プロジェクトへの参画
(2)大規模民間プロジェクトへの参画
(3)海外インフラ輸出への参画

2社会基盤整備への積極的な貢献

(1)国民の安全・安心・利便性のための主要インフラ 整備への参画
(2)電力安定供給のためのプロジェクトへの参画
(3)震災復興事業への積極的な貢献

3次世代技術開発の推進

(1)次世代に向けた施工技術の開発
(2)地震対応技術の高度化
(3)環境・原子力分野などにおける差別化技術の開発

4注力分野での次世代ビジネスモデルの確立

(1)リニューアル・リプレイス分野
(2)原子力分野
(3)環境分野
(4)エンジニアリング分野
(5)都市開発分野

5国内建設事業の強化

(1)施工能力の向上
(2)品質および安全管理体制の強化
(3)設計施工プロジェクトの拡大
(4)調達力の向上

6海外事業の健全な成長に向けた基盤整備

(1)海外インフラ輸出への参画に向けた体制の構築
(2)重点地域・重点分野に絞った事業推進
(3)海外現地法人の事業体制強化

7グループ力の向上

(1)グループ住宅戦略の推進
(2)インフラの耐震補強等に関する新リニューアル技術の開発
(3)営業・調達・施工におけるグループ会社間の連携強化

8経営基盤の進化

(1)次世代に向けたコーポレート・ガバナンスの確立
(2)強固な財務基盤の維持・向上
(3)人材の育成と強化
(4)ダイバーシティ経営の推進
(5)ICTの活用

事業等のリスク

当社グループの事業に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項には、次のようなものがあります。なお、当社グループは、これらのリスクが発生する可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める所存であり ます。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

1 建設・不動産市場の動向

建設・不動産市場の急激な縮小や競争環境の激化が生じた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

2 海外事業の展開に伴うリスク

世界各国で事業を行っているため、テロ・戦争・暴動等の発生およびその国の政情の悪化、経済状況の急激な変動、為替レートの大きな変動、法律・規制の予期せぬ変更等が発生し、契約によりヘッジできない場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

3 取引先の信用リスク

一般に建設業の請負契約は、一取引における契約金額が大きく、また多くの場合には、工事目的物の引渡時に多額の工事代金が支払われる条件で契約が締結されます。このため、工事代金を受領する前に取引先が信用不安に陥った場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

4 資材価格の変動

原材料の価格が高騰した際、請負代金に反映することが困難な場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

5 資産保有リスク

営業活動上の必要性から、不動産・有価証券等の資産を保有しているため、時価の変動により、業績に影響を及ぼす可能性があります。

6 退職給付債務

年金資産の時価の下落および運用利回り・割引率等の退職給付債務算定に用いる前提に変更があった場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

7 金利水準の変動

金利水準が急激に上昇した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

8 建設生産物・関連サービスの瑕疵

当社グループの事業に起因して瑕疵担保責任および製造物責任に基づく多額の損害賠償が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

9 付帯関連する事業のリスク

当社グループは、PFI事業、レジャー事業を始めとした土木事業・建築事業・開発事業に付帯関連する事業を営んでいます。これらの事業の多くは、事業期間が長期にわたるため、将来の事業環境が大きく変化した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

10 土木事業・建築事業に対する法的規制

土木事業・建築事業の遂行は、建設業法、建築基準法、労働安全衛生法、独占禁止法等による法的規制を受けており、これらの法規の改廃や新たな規制等が行われた場合、また、これらの法的規制により行政処分等を受けた場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

11 重大事故の発生

土木事業・建築事業においては、人身や施工物などに関わる重大な事故が発生した場合、業績に影響を及ぼす可能性があります。

12 大規模自然災害等リスク

大規模地震、風水害等の大規模自然災害や感染症の大流行が発生した場合には、業績に影響を及ぼす可能性があります。

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