人権

人権の尊重

ポリシー&マネジメント

大成建設グループは、グループ行動指針に『基本的人権・多様性の尊重』、人種、宗教、性別、国籍、社会的身分、障がいの有無、性的指向等による差別やセクシュアルハラスメント・パワーハラスメント等の人権侵害行為を行なわないことを明記するとともに、世界人権宣言、ILOの中核的労働基準8条約、ISO26000などの国際労働基準など、国際的に合意されている人権の保護を支持・尊重することを企業活動の前提とし、自らが人権侵害に加担しないことを、私たちが果たすべき責任と捉えて、2015年10月に「人権方針」を策定し、方針を明文化しています。
国内外を問わず、現地の文化や慣習を尊重し、児童労働や強制労働の排除に努め、雇用や職業における差別を行わないことを宣言するとともに、団結権及び団体交渉権を保障しています。

国連グローバル・コンパクトの人権への支持

大成建設グループは、2018年4月に「国連グローバル・コンパクト」に参画し、人権にかかわる2つの原則を支持しています。
また、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」(UNGPs)や「子どもの権利とビジネス原則」等を支持しています。サプライチェーンの人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築し、2021年度中に策定・公表する計画を進めています。

国連グローバル・コンパクトの10原則

人権 原則1:人権擁護の支持と尊重
原則2:人権侵害への非加担
労働 原則3:結社の自由と団体交渉権の承認
原則4:強制労働の排除
原則5:児童労働の実効的な廃止
原則6:雇用と職業の差別撤廃
環境 原則7:環境問題の予防的アプローチ
原則8:環境に対する責任のイニシアチブ
原則9:環境にやさしい技術の開発と普及
腐敗防止 原則10:強要や贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗防止の取り組み

サプライチェーンにおける人権の尊重の取り組み

大成建設は、世界中で様々なビジネスを展開するに当たって、人権への配慮は重要な要素であると考えています。当社では、児童労働や強制労働の排除を含めた⼈権や労働者の基本的権利の擁護や腐敗防⽌を示した「CSR調達ガイドライン」を制定し、当社の基本的な考え方を全世界のサプライヤーの皆様へお伝えしています。
また、当社では、主要グループ会社や重要なサプライヤー*を対象に、「CSR調達ガイドライン」を遵守いただくよう要請しています。その遵守状況は「CSR調達アンケート」を通じてモニタリングし、必要な改善・指導を実施しています。加えて、サプライヤーが雇用する外国人技能実習生についても、法令遵守・健康配慮の徹底などを含む実態調査を隔年で実施しています。この調査による2020年度の人権に関する違反件数は0件でした。

*重要なサプライヤー:当社の基幹協力会社組織(倉友会会員企業)と恒常的に取引が行われている協力会社1,640社(2021年1月現在)

国際規範で定義される働く人々の人権・労働問題に係る当社における重点課題

<差別の禁止/労働者の権利>

児童労働、強制労働の禁止(外国人・移民労働者を含む)結社の自由と団体交渉権の尊重
低賃金労働(最低賃金、生活賃金を下回る労働)の防止 長時間労働の防止
パワーハラスメント、セクシャル・ハラスメントの禁止 労働安全の確保 労働者の健康の確保

<脆弱な人々への権利尊重>

事業を行う地域に関連する地域住民、先住民族の権利尊重
障がい者、女性、子ども、性的マイノリティ、高齢者等の人々の権利尊重、環境権への配慮

<プライバシー>

顧客、従業員を含めた個人情報の保護を含むプライバシーの尊重

結社の自由を含む労働基本権の尊重

大成建設では、結社の自由や団結権および団体交渉権など労働者の権利を尊重し、労使の対話を促進することで、様々な課題の解決に努めています。会社と社員組合が締結している労働協約において、会社役員等と社員組合との協議を通じて、会社と組合双方が正常な秩序と信義をもって迅速に問題の解決に努めることを明記しています。また、グループ行動指針の『グローバルな事業活動の取り組み』において、国際的な法令・ルールはもとより、各国・地域の法令を遵守するとともに文化・慣習等を尊重し、企業活動を通じて地域の発展に貢献します。

体制と仕組み

サステナビリティ経営の推進

大成建設の人権への取り組みについては、本社人事部、コーポレート・コミュニケーション部CSR推進室、総務部コンプライアンス推進室などが連携して様々な取り組みを進めています。
当社の事業が、人権に対する負の影響を引き起こすなど新しく顕在化した問題に対しては、下図表のような担当委員会(協議会含)・部門と協議しながら対応し、社内外のしかるべき手続きを踏まえ、その救済に取り組みます。

人権に係る担当委員会・担当部門・テーマ

担当委員会・部門 人権に関する主な取扱いテーマ
CSR委員会(取締役会委員会)
  • グループ行動指針の改廃、国連グローバル・コンパクト、企業倫理の運用状況
人事部門
  • 従業員の強制労働・児童労働禁止、差別・ハラスメントの排除、労働安全衛生・賃金、労働時間、結社の自由、団体交渉権等
  • 従業員の人権相談(従業員・家族の心の健康、ダイバーシティ支援等)窓口
人権啓発推進委員会
  • 人権啓発活動に係る方針、人権研修
情報部門
  • プライバシー(個人情報保護法含)
コンプライアンス委員会
  • 人権を含むコンプライアンス全般
CSR調達協議会
  • サプライチェーンの人権(調達方針・CSR調達ガイドライン)

グループ行動指針の周知と内部通報制度のメカニズム

大成建設グループでは、グループ行動指針の周知徹底を図るとともに、当社及びグループ会社の役職員等による法令違反行為やグループ行動指針に違反する行為(または違反しようとしている行為)を通報・相談することができる内部通報制度として「企業倫理ヘルプライン」「グループヘルプライン」「公益通報窓口」を設けています。
その運用状況については、従業員向けのコンプライアンス啓発媒体「コンプライアンス通信」で役職員に開示するとともに、社外有識者(弁護士)を委員長とするコンプライアンス委員会や社外取締役を委員長としたCSR委員会、取締役会に報告されます。特に労働者の権利であるハラスメント行為の禁止については、発生を未然に防ぐため、各種コンプライアンスプログラム・通報制度や社内の各部門に相談窓口を設け、通報者保護に配慮した上で事実関係を調査し、問題解決に向けて適切に対応しています。通報・相談のあった役職員の個人情報及び通報・相談内容は、機密情報として取り扱われ、人事部の専門窓口によるヒアリングの上、対策を立案し、問題の解決を図っています。匿名での通報・相談も受け付けており、全ての通報・相談者に対して不利益な取り扱いが生じないよう社内規定に沿って十分注意し、事実関係の調査・解決にあたっています。

人権侵害に関する相談窓口

<窓口> <対象>
人事相談窓口(人事制度・職場環境等・人権・ハラスメント等) 当社従業員
EAP相談窓口(社外窓口含)(従業員・家族の心の健康等) 当社従業員・家族
人材いきいき推進室窓口(ダイバーシティ支援、育児介護、LGBTQ等) 当社従業員
本部・支店「ハラスメント相談窓口」(セクハラ・パワハラ等) 当社従業員
企業倫理ヘルプライン、グループヘルプライン
(コンプライアンス違反全般)
当社従業員・グループ会社・サプライヤー
公益通報窓口
(コンプライアンス違反全般)
当社と直接の契約関係に基づき、
当社の事業に従事している事業者の労働者

企業倫理ヘルプライン運用実績

内部通報制度・運用実績 2019年度 24件*
2020年度 28件*

* 2019年度、2020年度において、社員に対して刑事罰が科せられる等の重大な人権侵害は発生していません。

人権方針と研修・教育の実施

大成建設では、グループ行動指針をもとに人権方針を定め、人権尊重の企業風土の醸成に努め、グループ一体となった人権意識の向上等に取り組んでいます。人権推進体制として、1984年から、社員のより高い人格形成の支援、人権意識の高い社員の育成を目的に、本社各本部と全支店の推進委員から構成される大成建設人権啓発推進委員会を設置しています。委員会では、人権課題についての基本方針・施策等を議論の上、活動計画の策定と人権啓発活動の見直しを実施し、方針・計画の検討・承認を受けて継続的な改善活動を推進しています。
当社の社員の階層別・部門別教育基本体系に人権研修を組み込み、国際的な人権問題や、同和問題をはじめ、障がい者、LGBTQ、ハラスメントなど様々なテーマで集合研修やeラーニングを実施するほか、人権ハンドブック「人権のしおり」を作成・配付して当社の全役職員に人権教育等を随時定期的に実施しています。
また、社内の各部門に設けた人権侵害の相談窓口となっている社員を対象に人権方針にのっとった研修を実施しています。職位者を対象に、人権に関する専門家の講師によるオンライン研修を実施したほか、管理職以上の役職員を対象に、研修用に作成した動画を視聴する形式で、パワーハラスメント防止やいじめやハラスメントの報告や事業取扱いに関する研修も実施しました。更に、社内報「たいせい」での人権に関する記事の連載や、障がい者支援のためのハンドブック「ハッピー・コミュニケーションガイドブック」を当社に勤める全社員に配布しています。また、人権標語・エッセーの募集・優秀作品の表彰を実施するなど、人権啓発活動を実施しています。

大成建設人権啓発推進委員会 推進体制(2021年7月時点)
  • 開催回数:年2回
  • 本社委員会メンバー
    • 委員長:代表取締役 副社長執行役員 管理本部長
    • 副委員長:管理本部 人事部長
    • 委 員:本社各本部 管理室長 (15部門)
  • 支店(国内・海外)委員会メンバー
    • 委員長:各支店管理部長(13支店)
    • 委 員:各支店総務室長及び管理室長(13支店)
  • 事務局:管理本部 人事部 専任次長
  • 『人権のしおり』
  • 『ハッピー・コミュニケーション ガイドブック』

人権に関する外部イニシアチブへの参画

大成建設は、人権や労働問題に対する役職員の意識向上を目指し、ISO26000を重視し各部署に活動状況を確認し報告基準に沿った情報開示に努め、「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」の「ヒューマンライツ・デューディリジェンス分科会」(HRDD分科会)に参加しています。
また、「東京人権啓発企業連絡会」「大阪同和・人権問題企業連絡会」「京都人権啓発企業連絡会」にも参加し国内外の人権に関する潮流を学習するとともに、ディベロッパーとゼネコンが業界の枠を超えて参集した「建設・不動産『人権デュー・デリジェンス勉強会』」に参加しています。なお本勉強会は、当社のほか7社が参加しており、ディベロッパーの呼びかけにより2018年9月に発足されたもので、サプライチェーン上での取引関係における型枠材や木材調達に伴う環境保護や、先住民の人権侵害の観点からの人権侵害を防止するため、有識者やNGOなども交えて国際的な人権基準や企業に期待されている人権の取り組みなどの情報交換を行い、各種人権方針の浸透活動に役立てています。
更に、2021年5月に、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟し、障がいのある方の雇用活動を促進し、障がいのある社員が働きやすい環境を整備することをコミットするほか、同年7月に、法務省による「Myじんけん宣言」プロジェクトの趣旨に賛同し、誰もが人権を尊重し合う社会の実現を目指し、人権を尊重する行動をとることを宣言する「Myじんけん宣言」を公表しました。

ダイバーシティ&インクルージョン

ポリシー&マネジメント

大成建設グループは、グループ行動指針に「基本的人権・多様性の確保」を明記し、理念体系の大成スピリットに「多様性の尊重」を掲げ、ダイバーシティ&インクルージョンを実現する風土・文化の醸成に力を注いでいます。
「大成建設グループ 中期経営計画(2021-2023)」の経営課題にも明示し、ダイバーシティ&インクルージョンを重要な経営戦略の一つと位置づけています。人事部人材いきいき推進室が全体像の策定と施策の企画・立案を担い、関係する部門の特色にあわせて協議しながら、具体的な施策を展開しています。
宗教、性別、年齢、国籍、障がいの有無、性的指向・性自認・価値観、働き方、キャリアなどの多様性を生かし、能力を最大限発揮できる職場環境の整備に力をいれ、多様な人材が活躍できる働き方を推進しています。
当社では、2021年5月に、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟し、障がいのある方の雇用活動を促進し、障がいのある社員が働きやすい環境を整備することを、コミットしています。
更に、「働きがいのある魅力ある職場環境の実現」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、当社グループの中期経営計画(2021-2023)の重要施策として「女性管理職者数330名」「男性の育児休業取得率100%」をKPI目標として定めています。これらの取り組みに基づき、2021年11月に、人材活用方針(ダイバーシティ&インクルージョン方針)を策定しました。ダイバーシティー経営の実現に向けて、多様な能力を有する人材を採用(ダイバーシティ)するとともに、その能力が最大限に発揮できる環境を整備(インクルージョン)していきます。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

人材の多様性
  • 女性社員:基幹職としての積極的採用・職域の拡大・キャリア開発研修の実施
  • シニア人材:やりがいを持って働ける再雇用制度の整備
  • 外国籍社員:相談窓口の設置・受入れ部署向けのハンドブック作成
  • LGBTQ:全役職員を対象としたeラーニングによる意識啓発・誰もが利用しやすいトイレサインの設置
働き方の多様性
  • 日常業務におけるICT活用による“働き方改革”
  • 育児・介護と仕事の両立支援制度の充実
  • 男性社員の育児参加支援

体制と仕組み

女性活躍推進

KPIs 女性管理職者数 330名

大成建設は、2006年よりポジティブアクションを開始しており、女性の積極採用や職域の拡大に関する早期からの取り組みは「2015年度ダイバーシティ経営企業100選」の受賞などにより、広く認められています。
ダイバーシティ推進への取り組みを一層強化するべく、「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」(日本経済団体連合会)、「女性活躍推進に関する行動計画」(女性活躍推進法)を策定し、風土改善、人材育成、登用機会の拡大、採用と育成、働きやすい職場環境等の取り組みを進めています。
また、2020年7月には「輝く女性活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言にも賛同しました。
その一策として実施している女性社員を対象とした「次世代リーダー育成研修」の受講者は209名、上司を対象とした「ダイバーシティマネジメント研修」の受講者は661名となりました(2020年3月末現在)。
引き続き、女性社員やその上司への研修、パートナーと参加する両立支援セミナーの実施などを引き続き展開すると共に、男性社員への育児支援にも注力していきます。
引き続き、女性社員への研修や・女性社員の上司への研修、パートナーへの支援セミナーの実施などを引き続き展開すると共に、男性社員への育児支援にも注力していきます。

女性活躍に関するデータ(2020年度)

労働者に占める女性労働者の割合
18.5%
係長級にある者に占める女性労働者の割合 24.0%
管理職に占める女性労働者の割合 4.5%
役員に占める女性の割合 11.1%

外国籍社員活躍支援

大成建設では、留学生を対象にした企業説明会やホームページなどの媒体を通じて働き方を幅広く周知し、多様な人材を採用しており、2021年3月現在で、117名の外国籍社員が在籍しており、出身国が20カ国に及ぶ多用な人材が活躍しています。
外国籍社員向けの日本文化や制度についての研修のほか、外国籍社員の上司に関しても、価値観や文化を理解し具体的なコミュニケーション方法を学ぶ研修を実施し、ノウハウをまとめたガイドブックを配布することで、双方の理解を深めています。

シニア人材・育児介護等離職者の雇用

大成建設は、豊富な知識と経験を持つベテラン社員が、そのノウハウを次世代に伝承し「生涯現役」で活躍できるよう、定年退職後65才を上限とした再雇用制度を設けており、2021年3月末現在で862名の再雇用社員が活躍しています。また、定年後のプランづくりとその準備等の個別テーマによる情報提供等も実施しています。
更に、配偶者の転勤や、育児や介護などのやむを得ない事情で退職した人材が再び職場に復帰できる再雇用制度(ジョブリターン制度)を2008年度に拡充し、これまで34名を再雇用しています。

障がい者雇用

大成建設では、2021年5月に、障がい者の活躍推進に取り組む国際イニシアチブ「The Valuable 500」に加盟しました「The Valuable 500」は、障がい者がビジネス・社会・経済においてその価値を発揮できるよう、ビジネスリーダーが自社のビジネスをインクルーシブにする改革を起こすことを目的とした国際イニシアチブで、当社はこの趣旨に賛同し、コミットメントを定めています。
当社の障がい者雇用の状況は、2021年4月現在で障がいを持つ社員は137名が各部門に分かれて勤務(障がい者雇用率2.2%※)しています。障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりに注力し、手話通訳・UDトーク(スマートデバイスを用いて音声を文字に変換することのできる聴覚障がい者のためのアプリケーションソフト)の活用や、相談窓口の設置のほか、臨床心理士と人事担当者が連携して障がいのある社員本人や上司へのヒアリングを行う等、様々な配慮を実践しています。

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