公正な事業慣行

コンプライアンス・公正な競争

ポリシー&マネジメント

大成建設グループは、組織としての行動の基本原則、及び大成建設グループの役職員等が積極的に実践すべきまたは厳守すべき行動・判断の基準として「グループ行動指針」を制定しています。
この行動指針は、コンプライアンスを遵守する規範としており、「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」に「取締役は、コンプライアンスの確立が経営の根幹であることを深く自覚し、グループ行動指針をはじめとするコンプライアンスに関する諸規程を率先して誠実に遵守する」ことを明記するとともに、国内外を含めたグループ全社に適用することとしています。
「グループ行動指針遵守体制整備に関する規程」に、役職員等がグループ行動指針に違反した場合には、取締役会または経営会議において事実関係を慎重かつ厳正に審査の上、社内規程に則って懲戒する等、違反に対する処置について明記するとともに、役職員のコンプライアンス違反等の重要情報をいち早く経営層に通報できる内部通報制度の適切な運用や、法令等違反行為に対する役職員の懲戒等の厳正化・独占禁止法遵守のための体制整備等、コンプライアンス委員会の提言に基づく諸施策や各部門のコンプライアンス教育の実施等により、コンプライアンスの一層の徹底を図っています。また、「コンプライアンスの徹底 グループガバナンス体制の再構築」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、当社グループの中期経営計画(2021-2023)の重要施策に掲げ、「腐敗防止等を含むコンプライアンス研修受講率100%」をKPI目標として定めています。
更に、下図の通り、部門毎に責任者・推進者・実施者を配置し、社内のコンプライアンス推進体制を整備するとともに、社長の諮問に答える特別な委員会として、社外有識者(弁護士)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置しています。法令等違反行為に対する役職員の懲戒等の厳正化・独占禁止法遵守のための体制整備等、コンプライアンス委員会の提言に基づく諸施策や各部門のコンプライアンス教育の実施等により、コンプライアンスの一層の徹底を図っています。

コンプライアンス推進体制図

  • *1CP: コンプライアンス
  • *2コンプライアンス委員会の事務局機能を担うとともに、役職員等のコンプライアンス意識の浸透・定着を推進
  • *3すべての職位部長をコンプライアンス実施者に任命し、職位部長が自らの担当部署に所属するすべての役職員等に対してコンプライアンスに関する啓発、教育などを実施

制度と仕組み

コンプライアンス遵守教育・研修

大成建設では、コンプライアンス意識を高める為、全役職員を対象に毎年コンプライアンス研修を実施しています。
また、グループ全体のコンプライアンス強化を図る目的として、国内グループ会社との法務業務に関わる課題について情報共有・意見交換を目的とした法務担当者会議や、コンプライアンス推進に関する状況確認・意見交換を目的としたグループ・コンプライアンスヒアリングを実施しており、コンプライアンスの徹底に努め、コミュニケーションを図っています。
更に、協力会社(専門工事業者)の事業主や、倉友会(大成建設の基幹協力会社組織)の新入社員を対象に、コンプライアンス研修を毎年実施する等、サプライチェーン全体でのコンプライアンスの推進を図っています。

倉友会:

1917年に発足した「春雨会」を起源とし、当社と倉友会会員各社との連携強化を図るために、2014年2月に再発足した基幹協力会社組織。2021年4月現在で、約700社の企業が加入しており、当社の事業への協力を通じて、会員会社の施工能力の向上や経営の安定を促進することを主眼にしています

コンプライアンス・アンケートの実施(年1回)

大成建設グループにおけるコンプライアンスに関する現状と課題の把握、更なるコンプライアンスの推進を図ることを目的として全役職員に対して「コンプライアンス・アンケート」を実施しています。
アンケート結果については、分析及び対策案を検討し、経営層に報告した上で、「コンプライアンス通信」を通じて全役職員に開示するとともに、関係部署と連携して必要な対策を講じることにより、コンプライアンスの推進に向けて取り組んでいます。

教育・研修 近年取り上げたテーマ
コンプライアンス通信の発行
(月1回)
  • 取引業者とのパートナーシップの推進について
  • 腐敗防止(接待・贈答)について
  • 企業倫理ヘルプラインの運用実績について
  • 「グループ行動指針」について
  • コンプライアンス・アンケートの結果について 他
eラーニング研修の実施
(年2回)
  • 贈収賄・ハラスメント・内部通報制度について
  • パワーハラスメントについて
  • 同業他社との接触に関するルール・社内リニエンシー制度について 他

グループ行動指針の遵守レビューと違反時の対応

大成建設グループでは、「グループ行動指針遵守体制整備に関する規程」に、役職員等がグループ行動指針に違反した場合、取締役会または経営会議において事実関係を慎重かつ厳正に審査の上、社内規程に則って懲戒する旨を明記しています。
グループ行動指針違反等重大なコンプライアンス違反事例が発生した場合には、再発防止策の徹底を図り、関係者、事実の経緯、違反の性質・内容、損害額、利害関係人への影響等を調査し正確な事実関係の把握に努めたうえで、必要に応じて関係官公庁への報告を実施しており、行為者に対しては、解雇を含む必要な懲戒処分を科しています。
2020年度、腐敗に関する罰金、罰則等法的措置を受けた事例はありませんでした。また、腐敗防止に係る「グループ行動指針」の違反に起因する従業員の処分及び解雇事例もありませんでした。

通報・相談制度の運用

大成建設グループでは、公益通報者保護法に基づき、役職員等による贈収賄等の汚職を含む違法行為や「グループ行動指針」に違反する行為(または違反しようとしている行為)について役職員及び社外の関係者(当社と直接の契約関係がある協力会社(一次サプライヤー)等の従業員)が通報・相談できる内部通報制度(企業倫理ヘルプライン・グループヘルプライン・公益通報制度)を整備しており、通報・相談窓口を社内及び社外の外部機関(弁護士事務所)に設置しています。当制度は幅広く違反行為の端緒を掴むために、匿名による通報も受け付けています。また、当制度の実効性を高めるため、全役職員に対し、当制度の概要をまとめた「ヘルプラインカード」を配付したり、eラーニング研修や「コンプライアンス通信」を通じて、制度の内容や運用実績を紹介する等、積極的な啓発活動を行っています。
寄せられた通報に対しては、事実関係を調査し、必要に応じて是正措置を講じます。その際、通報者情報の秘匿を徹底するとともに、通報を理由とした不利益な取り扱いが通報者に対して行われないよう、社内規定に沿って厳格に運用しています。
なお、当社と直接契約関係にない社外のステークホルダーの皆様についても、当社ホームページのお問い合わせ窓口を通じて、ご相談を受け付けています。

内部通報制度・運用実績 2019年度 2020年度
24件 28件

ヘルプライン制度に基づく内部通報の流れ

政治寄付

大成建設では、社会貢献の一環として必要に応じて政治寄付を行うことがあります。政治寄付を行う場合は、政治資金規正法の遵守を徹底し、社内規定「政治家との係わり及び経費の支出に関する行動基準」に基づいた手続きを経ることで厳正な審査を実施しています。2020年度の政治寄付額は18百万円となりました。

腐敗防止方針

KPIs 腐敗防止等を含むコンプライアンス研修受講率 100%

大成建設では、2018年に参画した国連グローバル・コンパクトの腐敗防止を支持しています。グループ行動指針において、「公正な取引の確保」と「政治及び行政との健全な関係の維持」を掲げ、発注者や発注者の役職員個人に対して、不正な金品の供与もしくはその約束、または社会通念を超える接待や贈答を行わないこと、政治家、公務員(外国公務員を含む。)との関係において、贈賄等刑罰法規に違反する行為や誤解を受ける行為を行わないことを明記し、全役職員を対象として政治家、公務員(外国公務員を含む。)に対する贈賄防止の啓発活動・研修を実施するほか、贈収賄や誤解を受ける行為を行わないよう常に意識して行動しています。

公平・公正な取引

大成建設では、グループ行動指針に「取引業者とのパートナーシップの推進」を掲げ、取引先(サプライヤー)と公正で信頼し合える関係を築き、対等な立場で取引を行うことを定めています。
また、「反社会的勢力・団体への対処」も掲げ、反社会的勢力に対しては毅然とした態度で対応し、不当要求には応じない旨を定めています。反社会的勢力排除のために、専門工事請負契約基本約定書等の約定書において、契約先が反社会的勢力ではないことや反社会的勢力と取り引きしないことを定め、万一、それに違反した場合には無催告で契約を解除できる条項を導入しています。
2020年8月には、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携や、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」を遵守することを盛り込んだ「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表しました。腐敗防止に係る公平・公正な取引について、自社の従業員やグループ会社に加え、取引先や仲介業者等のサプライヤーにも周知しています。
また、CSR調達ガイドラインに公平・公正な取引について明記するとともに、反社会的勢力、汚職、腐敗、非人道的労働の実施組織との取引に巻き込まれないようリスクの低減に努めています。

法令等遵守検証・指導

大成建設では、入札業務の適正性の確保のために、入札業務の過程に不適切な行為がないことを支店長が確認し、その記録を作成・保存する社内制度を運用しています。
また、毎年法務部が入札業務の適正性及び建設業法や独占禁止法・下請法の遵守状況の検証を行っています。

独占禁止法遵守のための具体的な取り組み

リニア中央新幹線建設工事に関して独占禁止法違反の嫌疑を受けたことを真摯に受け止め、社外弁護士を委員長とするコンプライアンス委員会における審議及び取締役会での決議を経て、下記施策を実施しました。2021年度も下記施策を継続的に運用・実施しています。

  1. 同業他社との接触に関する社内規程を改正しルールを厳格化(2018年9月)
  2. 入札業務適正確認手続きの強化(2018年9月)
  3. 全役職員を対象としたeラーニングの実施(2018年度から継続して毎年度実施)
  4. 営業部門及び受注関連業務を行う技術部門の役職員を対象とした社外弁護士による研修実施(2018年度から継続して毎年度実施)

税務コンプライアンス

大成建設は、「グループ行動指針」において、法令等の遵守とともに、社会的良識をもって行動することによる社会的責任の遂行を掲げています。OECD(経済協力開発機構)によるBEPS(Base Erosion and Profit Shifting)プロジェクト等の国際的な取り組みが、税の透明性確保や国際的な租税回避を防止するための重要な取り組みであると理解し、納税義務を適切に履行するとともに、税法等の趣旨に反した、租税回避や所得移転のみを目的とした事業活動を実施しない等、国内外の各国・地域の税法を含む関連法令・通達・指針、租税条約等の遵守を徹底しています。
税務に関する法令等を遵守し、社会的責任を遂行していく指針として、2020年8月に「税務方針」を取締役会で決議のうえ制定しました。
2021年8月には、全役職員を対象とした税務調査についての研修も実施し、規程にのっとり不正な処理を行った社員及び関係者は懲戒処分の対象になることを、役職員に周知しています。また、税務方針は、継続的に見直され、グループの変化や税法改正などを踏まえ修正されます。

税務方針(抜粋)

  1. 法令等の遵守
    グループ行動指針に基づき、事業活動を行う国内外の各国・地域における税務に関する法令等を遵守します。
  2. 納税義務の適正な履行
    税務に関する法令等に則り、納税義務の適正な履行に努めます。
  3. 税務コンプライアンス意識の向上
    適切な税務処理に関する啓発を通じて、税務コンプライアンス意識の向上を図ります。
  4. 税務当局との関係
    税務当局に対し、誠実かつ適切に対応することで信頼関係の維持に努めます。

「理念体系」の周知徹底

2010年に再構築した「理念体系」の携帯用カードを作成し、理念体系の浸透・定着を図っています。また、2011年度以降、理念体系に関するeラーニングを毎年度実施し、社会的要請や社内での取り組みと関連付けながら、理念体系の一層の浸透・定着を図っています。2020年度は、「グループ理念、大成スピリット、グループ行動指針」について社員にeラーニングを実施し、受講率は94%となりました。

CSR調達の推進

ポリシー&マネジメント

大成建設グループは、グループ行動指針に「取引業者とのパートナーシップの推進」、「公正な取引の確保」を掲げるとともに、ISO26000を参考に「調達方針」を制定しています。
取引先(サプライヤー)に遵守してもらう内容を「CSR調達ガイドライン」(2014年策定)として周知するとともに、ガイドラインに沿ったCSR活動を要請しています。当社の全役職員、支店長、調達責任者、作業所長、海外作業所など階層別・部門別の研修や説明会を開催するほか、取引先を対象にした、支店長による説明会やeラーニングによる研修、訪問調査やアンケート調査など様々な方法でCSR調達の意識向上を図っています。
それらの活動計画、実施結果、今後の展開については、関連する部門(土木・建築・調達・安全)の責任者から構成される「CSR調達協議会」で審議の上、CSR委員会に報告されています。
また、「サプライチェーン・マネジメントの推進」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、当社グループの中期経営計画(2021-2023)の重要施策に掲げ、「サプライヤーのCSR調達評価項目適合率100%」をKPI目標として定めています。

調達方針(抜粋)

大成建設は、「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念のもと、自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出すために、調達に際しては、以下の方針に基づいて企業活動を行います

  1. 法令・社会規範の遵守
  2. 公平・公正な取引
  3. 人権の尊重
  4. 安全・衛生の推進
  5. 環境保全への取組み
  6. 安全性・品質の確保と向上
  7. 情報開示
  8. 情報セキュリティの徹底
  9. 社会貢献活動への取り組み
  10. 災害時における事業活動の継続
  11. CSR(企業の社会的責任)調達の推進

CSR調達推進体制

所管役員

社長室長

審議機関 CSR委員会(取締役会委員会)
・審議されたサプライチェーン・マネジメントに関わる重要事項は、経営会議を経て、取締役会に付議・報告されています。
推進協議会 CSR調達協議会
・協議会では、研修や説明会、訪問調査・アンケート調査等を企画・実施しています。
事務局 幹事:社長室コーポレート・コミュニケーション部CSR推進室

制度と仕組み

CSR調達ガイドライン

取引先(サプライヤー)に推進してもらうCSR活動を「CSR調達ガイドライン」(2014年策定)として周知し、ガイドラインに沿ったCSR活動を要請しています。ガイドラインは、重視される環境・社会課題の変化にあわせて継続的に見直しており、2021年には脱炭素や人権問題等を踏まえ一部改定するとともに、具体的な活動を記載した解説を追記しています。

*取引先(サプライヤ―)の範囲:

主要国内グループ会社(大成ロテック(株)、大成有楽不動産(株)、大成ユーレック(株)、大成設備(株)、大成建設ハウジング(株)、成和リニューアルワークス(株))
倉友会:基幹協力会社組織(約620社)
大成建設(株)安全衛生環境協力会:当社の作業所に入場するすべての企業が入会(約7,000社)

リスク管理・評価

取引先に対するCSR活動調査の実施

KPIs サプライヤーのCSR調達評価項目適合率 100%

取引先のCSR調達ガイドラインの遵守状況や、外国人技能実習生の管理状況について、2016年からアンケート調査を定期的に実施しています。2020年度の調査に当たっては、対象範囲を従来の倉友会(基幹協力会社組織)中心の約500社から、恒常的に取引が継続している取引先約1,700社まで拡大し、より広範囲の取引先に対する啓発を行っています。
調査結果を基に、環境・人権や労働問題等を含む社会的課題を抱える、または対処を要するサプライヤーを約50社選定し、現地視察の要否を検討・判断した上で、約12社を訪問し、社会的課題に対するベストプラクティスの共有など、事業主などと意見交換を行いながら、CSR活動のレベルアップと各社の取引先への啓発・指導を要請するなど、サプライチェーン全体での取り組み強化を推進しています。
なお、アンケート調査に関するサプライヤーの利便性とアクセシビリティの向上を目的として、ウェブシステムを構築し、同システムを通じて調査を実施しています。

サプライチェーン・モニタリング状況(2020年9月)

  • 回答企業:重要なサプライヤー* 1,166社
    (2019年に締結した請書金額ベースでの調査企業比率68.5%)
  • 調査目的:「CSR調達ガイドライン」に定める下記項目
  • 調査項目:①法令遵守 ②公平公正な取引 ③人権尊重 ④安全衛生 ⑤環境保全 ⑥品質の確保と向上
    ⑦情報開示 ⑧情報セキュリティ ⑨社会貢献活動 ⑩BCP(災害時における事業活動) ⑪CSR調達の推進など
  • 平均点:3.73 CSR活動平均実施率(平均得点/5点満点) 74.6%
  • フィードバック:集計結果を公開ホームページに開示するとともに、延べ12社(2020年12月時点)を訪問し、取り組み状況の確認と今後の改善にむけた意見交換を実施しました(新型コロナ感染症により2021年1月以降の訪問は中止)

*重要なサプライヤー:大成建設の基幹協力会社組織(倉友会会員企業)及び恒常的に取引が行われている協力会社

外部との協働

GCNJ HRDD分科会、EcoVadis

大成建設グループは、「国連グローバル・コンパクト」参加企業で構成されるグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパンのヒューマンライツデューデリジェンス(HRDD)分科会に参加しています。また、大成建設は、2019年よりEcoVadisへのサプライヤー登録と情報開示を開始しました。2021年3月現在の評価において、「SILVER」を獲得しています。

EcoVadis

フランスに本拠地を置くサステナビリティ評価機関で、約150か国、190業種、75,000社以上が登録する情報共有プラットフォームを通じて、サプライヤーCSR評価をバイヤーに提供。

CSR調達eラーニング研修の実施

2021年1月に、大成建設グループの取引先の従業員がスマートフォンでも受講可能なeラーニングを実施しました。当社のCSR調達に関する取り組みについて紹介し、今後の協力を要請しました。
また、2020年10月に、当社の調達本部を含む全従業員に、調達方針に関するeラーニングを実施しました。今後も引き続き実施予定です。

CSR調達eラーニング概要(2021年1月実施)
対象企業 すべての取引先
内容 CSRとは何か、CSR調達とは何か、CSR調達がなぜ必要なのか等
受講者・企業数 延べ153名 96社
その他 併せて実施したアンケートでは、自社(取引先)に不足している取り組みとして「社会貢献活動」「災害対応」という回答が多数

人権デュー・デリジェンスの取り組み

大成建設では、取引先が雇用する外国人技能実習生について、受け入れ基準を定め、作業所での円滑な受け入れを図るとともに、よりレベルの高い技能実習生が就労できるように、現地の送り出し機関や提携する監理団体を調査し、取引先に情報を提供する活動を行っています。
近年、建設業界における外国人技能実習生が多数訪日している一方で、外国人労働者をめぐるさまざまな不正行為が報じられています。このような状況から、外国人技能実習生を雇用している企業の発注者(元請企業)が現状を把握することが重要となっています。当社では2017年度以降、継続的に外国人技能実習生に関する人権デュー・デリジェンスの一環としてアンケート調査を実施しており、潜在的または実際の人権リスクを評価・特定し、その防止または軽減するための措置として、人権デュー・デリジェンスの仕組みを構築しています。また、事業プロセスにおいて、人権に対するネガティブインパクトを直接的に引き起こすこと、またはこれに加担したことが明確である場合、社内外のしかるべき手続きを踏まえ、その救済に取り組んでいます。
2020年度のアンケート調査では外国人技能実習生を雇用している企業219社から回答がありました。アンケート終了後に評価のフィードバックとして6社を訪問し意見交換を実施した結果、不適切な金銭の徴収や給与控除、給与未払いなど大きな人権リスクは認められませんでした。当社は、外国人労働者が適正な生活環境(住環境等)、労働条件(業務内容、勤務時間、賃金等)で従事できるよう、社会的責任を果たすための方針(調達方針)を掲げ、外国人技能実習生の実態調査を定期的に実施し、受け入れ企業がより良い受け入れ素地を醸成するよう努めていきます。

外国人技能実習生受入れ状況調査概要(2020年12月)

  • 対象企業:重要なサプライヤー1,645社(CSR活動アンケートと併せて実施)
  • 調査方法:当社への派遣の有無にかかわらず、外国人技能実習生を受け入れている
    企業は下記項目についてセルフチェック
    ① パスポートなど本人保管の確認
    ② 保証金等不適切な金銭の徴収がないこと
    ③ 技能実習計画書の作成及び実態との差異がないこと
    ④ 適切な賃金の支払い及び控除
    ⑤ 住環境などの生活環境
    ⑥ 社会保険加入状況
    ⑦ 指導員の配置
    ⑧ 健康診断の受診状況
    ⑨ 実習上及び生活上のトラブル など
  • 回答企業数:219社
  • フィードバック:集計結果を公開ホームページに開示するとともに、延べ6社(2020年12月現在)を訪問し、取り組み状況の確認と今後の改善に向けた意見交換を実施しました(新型コロナ感染拡大により2021年1月以降の訪問は中止)

持続可能な資機材調達に対する対応

建設工事では、木材や石材など多種多様な原材料を使用しますが、原産地が発展途上国にある原材料について、違法採取(伐採)や先住民の圧迫、強制労働や児童労働など、法令違反、環境破壊、人権侵害などに対する社会的関心が高まっています。
そのため、大成建設では、2019年1月に主要な材料納入業者に対し、原材料採取から作業所納入までのサプライチェーンの確認と、サプライチェーン上の海外会社における法令違反、人権侵害等の有無を確認するアンケート調査を実施しました。
下記の調査結果を踏まえ、2019年度はフォローアップ調査として、木材・石材・タイルに関する回答企業、及びそのサプライチェーンを構成する卸売業者・商社を訪問し、当社の調達方針(及びCSR調達ガイドライン)の説明とCSR調達に関する取り組みに対する理解を求めるとともに、ヒアリング企業のトレーサビリティの現状や今後の課題について意見交換を行いました。
特に、木製型枠・木製家具等の木材を扱うサプライチェーンについては、東南アジアの木材伐採現地における先住民の人権侵害等に関するNGO団体からの指摘を踏まえ、現地の状況や今後の国産材・認証材の活用について協議しています。今後も、対象品目や対象企業を随時見直し、拡大しながら継続的に調査を実施する予定です。

* トレーサビリティ:生産履歴や流通経路を明らか(トレーサブル)にすること

トレーサビリティ調査概要(2019年1月)

  • 対象企業:木材、石材、陶磁器(タイル)、砂・骨材(生コン)、アルミニウム(建具・金物)、鉄(鉄筋・鉄骨)、銅(電線)を扱う主要な材料納入業者43社
  • 調査内容:①原材料の採取から作業所納入までのサプライチェーンにおける商社・メーカー・問屋等の企業名と所在地確認
    ②サプライチェーン上の海外企業における法令違反の有無、強制労働・児童労働・長時間労働・差別等の有無、従業員の安全衛生の配慮、適切な賃金支払い、先住民の権利侵害について確認
  • 調査結果:①43社中32社(木材、石材、砂・骨材、鉄)は、原材料採取会社までのサプライチェーンが特定されました。
    ②サプライチェーン上の海外会社における法令違反等の不適切な事案はありませんでした。

CSR調達の教育・研修

海外におけるCSR調達説明会の実施

台湾(2015年)、シンガポール(2017年)、ベトナム(2018年)、ミャンマー(2019年)の当社作業所、現地法人及び現地取引先を対象に、強制労働や児童労働といった人権侵害、法令違反等の社会課題への大成建設の姿勢や方針に関するCSR調達説明会を実施してきました。
2019年11月に、ミャンマー「ヤンゴン新専門病院建設工事作業所」で開催した「CSR調達説明会」では、現地取引先4社10名が参加し、「調達方針」や「CSR調達ガイドライン」の説明とアンケート調査、意見交換を行いました。また、当日は作業所に勤務する当社社員向けにも説明会を実施し、作業所における取引先と一体となったCSR活動の推進について理解と協力を要請しました。
海外では国内と比較して人権や労働問題に関するリスクが高い地域も存在することから、海外におけるCSR調達説明会は今後も継続して実施する予定です。

支店長による取引先に対するCSR調達説明の実施

国内全12支店の各支店長が安全徹底大会(毎年開催)等の場を活用し、取引先に対して自らCSR調達の重要性を説明し、今後の各社の取り組み推進について協力を要請しています。

情報・知的財産権の管理

ポリシー&マネジメント

建設業は、施工にあたり発注者や協力会社(専門工事業者)等多くのステークホルダーとの情報共有が必然であることから、大成建設グループでは、グループ行動指針に『情報・知的財産権の管理』を掲げ、情報セキュリティに関する様々な施策を実施しており、「個人情報の保護に関する方針」や「ソーシャルメディアの利用に関する行動基準」を制定するほか、当社グループの「知的財産に関する方針」を制定し、知的財産の創造・保護・活用、知的財産に関するリスク軽減、ブランドの戦略的活用などの知的財産戦略を着実に実践しています。
また、「コンプライアンスの徹底 グループガバナンス体制の再構築」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、当社グループの中期経営計画(2021-2023)の主要施策に掲げ、大成建設グループを対象にした「重大な情報セキュリティ事故件数 0件」をKPI目標として定めています。
マテリアリティから社会へのインパクトを抽出し、マテリアリティに沿って課題を明確にし、取り組みを進めることで事業活動を通じた社会課題の解決・価値創造を目指しています。

制度・仕組み

知的財産戦略

大成建設は、「知的財産に関する方針」を制定し、知的財産戦略を着実に実践しています。知的財産を重視した経営を推進し、特許権のほか、著作権や施⼯・業務上のノウハウなど知的財産全般について、戦略的な管理・活用を実⾏し、管理については、特許を管理するデータベースの整備や、保有特許検索システムを構築し、業務効率の向上を図っています。
また、企業経営に重大な影響を与える権利の侵害や被侵害、技術流出等の知的財産リスクを、予防、軽減するために、あらゆるビジネスプロセスにおいてリスクマネジメントを徹底しており、「知的財産情報取扱規程」を制定し機密管理を徹底するとともに、技術部門や事業部門に対し、他社の特許情報を周知するなど、第三者の知的財産権を侵害するリスクの低減対策をとっています。
更に、知的財産に関する制度設備や情報交換等をグループ全体で実施し、グループ全体としての知的財産力の向上を図るほか、競争力の強化と企業価値の向上を目的に、社員に当⽅針を周知徹底し、知的財産を戦略的に活用するための研修を実施しています。2020年度は、グループ会社、⼤成建設の本社技術部門、⽀店現業部門に向けた知的財産講座や全役職員を対象としたeラーニングを行い、出願権利活用、侵害に係る⼀連の啓発活動を実施しました。

情報の適正な管理と情報漏えい防止対策

KPIs 重大な情報セキュリティ事故件数 0件

大成建設では、最低限守るべきルールを冊⼦にまとめ、すべての役職員、及び協力会社に対する教育・指導を実施しており、2016年度からは海外の営業所や作業所の情報セキュリティ環境の強化を推進するほか、テレワーク(在宅勤務)に伴う情報漏洩リスク対策の強化に努めています。
また、企業経営に重大な影響を与える権利の侵害や被侵害、技術流出等の知的財産リスクを、予防、軽減するために、あらゆるビジネスプロセスにおいて、リスクマネジメントを徹底しています。
深刻化しているサイバー攻撃のリスク対応については、社内に「Taisei-SIRT(Security Incident Response Team)」を構築し、2013年3月に加盟した日本シーサート協議会を通して外部機関と連携し、サイバー攻撃に関する最新情報を収集し、サイバー攻撃を未然に防ぐための予防対策に努めています。

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