脱炭素社会の実現に向けて

ポリシー&マネジメント

大成建設は、2050年環境目標「TAISEI Green Target 2050」に、2050年目標「事業活動によるCO2排出量実質ゼロ」を掲げ、二酸化炭素の排出を抑制し、脱炭素社会の構築に寄与することを目指しています。
また「TAISEI Green Target 2050」のベンチマークとなる2つの2030年目標「施工段階CO2排出量62%削減(1990年度比)」「運用段階予測CO2排出量55%削減(1990年度比)」は、SBTイニシアチブに認定されています。
施工段階CO2削減目標の達成に向けては、全社員が参加する環境負荷低減活動 (TSA)による取り組みに加え、専門工事業者(サプライヤー)と協働し、施工中の省エネ活動や省エネ効率の高い重機・車両の使用を推奨するなどの取り組みを進めています。
また、使用期間が短いため従来省エネ・CO2削減の対象として考えられていなかった仮設作業所事務所のZEB化にも取り組んでおります。2020年には仮設作業所事務所として国内初となるZEB Ready認証を取得し、この取り組みにより省エネ大賞審査委員会特別賞を受賞しました。
お客様が使われる建物の運用段階CO2削減目標の達成に向けては、当社の先進的な省エネ、ZEB化技術の提供と施工実績の蓄積を進めるとともに、お客様を始めとしたバリューチェーンにおける様々なステークホルダーの皆様との協働を進めていきます。
大成建設グループでは、脱炭素社会の実現に向け建築物のライフサイクルを考えた計画・設計段階、新築やリニューアル・解体などの施工段階、竣工してお客様に引き渡してからの運用段階など、バリューチェーン全体の中のそれぞれのフェーズで排出するCO2を削減するための取り組みを行っています。

リスクと機会

建設業にとって近年の気温の上昇傾向や大型化する台風、極端な集中豪雨による災害の発生は、工事の中断や遅延などのリスク要因となる一方、気候変動の緩和策となるZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビルディング)の需要増加は受注機会の創出に繋がります。
大成建設は、(一社)日本経済団体連合会の「チャレンジ・ゼロ」に賛同しており、再生可能エネルギーの分野では、ZEB化の取り組みのほか、浮体式洋上風力発電設備に関する技術開発に着手しています。
また、国土交通省が気候変動の緩和及び適応策として推進するグリーンインフラを、インフラ強靭化に向けた市場拡大による受注機会の一つと捉え、関連する技術開発及び設計提案を推進しています。

【SBTに認定された大成建設の2030年目標】

温室効果ガス排出量を、2030年までにスコープ1+2では2013年度比26%削減(1990年度比では62%削減相当)、スコープ3では2013年度比で25%削減(1990年度比では55%削減相当)

  • スコープ1:建設作業所における重機・車両等の燃料使用に伴う直接排出
  • スコープ2:建設作業所における電力使用に伴う間接排出温室効果ガス排出量
  • スコープ3:引き渡した建物の運用段階におけるエネルギー使用に伴う間接排出

SBTイニシアチブ:
産業革命前からの気温上昇を2℃未満に抑えるというパリ協定に貢献する「科学に整合する温室効果ガス削減目標「Science Based Targets(SBT)」を企業に求めている2015年に設立した団体(活動)

体制と仕組み

環境マネジメントシステム(EMS)

大成建設は、国際規格ISO14001に基づいた環境マネジメントシステム(以下 EMS)を全社で運用しています。社長を委員長とする「環境委員会」を設置し、環境経営上重要な環境方針や環境目標、中長期目標、外部評価につながる環境に係る取り組みについて審議・決定を行っています。

作業所の環境負荷低減

TAISEI Sustainable Action(TSA)

大成建設では、環境目標達成のために全社員で取り組む環境負荷低減活動 TAISEI Sustainable Action(TSA)に取り組んでいます。作業所で取組む基本的な活動を「CO2ゼロアクション」として、省エネ、雨水利用、重機・車両の省燃費運転等の7項目を、サプライチェーンにおける多数の企業と協働で、国内すべての作業所と海外の一部作業所で日常的に実施しています。また効果のある具体的な技術や活動を示した「TSAアクションリスト」に基づく施策を各作業所で実施しています。
2020年からは、効果のある具体的な技術や活動を目標と具体的な実施項目をメニュー化した『TAISEI Sustainable Action(TSA)ポイントシステム』を建設業界で初めて構築し、運用しています。
CO2削減の取り組みに点数をつけ、各作業所での取り組み状況を可視化するもので、燃費のよい重機の活用など、CO2削減効果が高い手法の採用に高い点数を割り振るようになっています。環境目標達成に向けたより効果的な活動の推進やリスク評価が期待できます。

国内初伊丹市新庁舎と仮設作業所事務所でZEB Ready認証を取得

伊丹市の新庁舎は「市民の安全・安心な暮らしを支え夢と魅力があふれる庁舎」を基本コンセプトとして「環境に配慮した庁舎」を目指し、計画が進められてきました。基本設計を担当した隈研吾建築都市設計事務所は「既存庁舎を活かしながらの建替、まちづくりや景観に配慮した意匠、BCPや免震、といった庁舎建替が直面する様々な課題をクリアしつつ2万m2を超える大規模庁舎としてZEB Readyを達成」を設計コンセプトとして掲げました。大成建設は、基本設計先行型 設計・施工一括発注(DB)方式で受注し、実施設計から施工までを担当しています。
高断熱、高気密な建物として、自然採光や自然換気が可能なプランニングとなっていることに加え、災害時に備えた自動運転も可能な蓄電池付き太陽光発電設備を整備し、創エネルギーも行うことで、トータル54%のエネルギー削減を実現しています。本取り組みにより、環境省が実施する「レジリエンス強化型ZEB実証事業」にも採択されました。
一方、このような新庁舎の環境配慮思想を踏襲し、建設工事においても仮設作業所事務所に対して断熱性能の向上に加え、高効率空調システム・LED照明・ヒートポンプ給湯機などの汎用的な省エネルギー技術を導入することで、標準的な建築物と比べて一次エネルギー消費量を54%削減し、建設時におけるCO2排出削減を図りました。
これらの取り組みにより、国内で初めて本設建物となる新庁舎と併せて工事用の仮設作業所事務所もZEB Ready認証を取得することができました。

ZEBとは

  • Zero Energy Building:年間の1次エネルギー消費量の収支をゼロとすることを目指した建築物
  • Nearly ZEB: 75%以上の省エネ、ZEB Ready:50%以上の省エネ

BELS認証:

国土交通省が定めた、建築物を対象とした省エネルギー性能等に関する評価・表示を行う第三者認証制度

省エネ大賞:

事業者や事業場等において実施した他社の模範となる優れた省エネ取り組み等を表彰(一社)省エネルギーセンター主催

  • 新庁舎BELSでのZEB Ready認証取得
  • 伊丹市新庁舎 外観
  • 作業所事務所BELSでのZEB Ready認証取得

気候変動の適応策としてのグリーンインフラの推進

水再生センター敷地の上部を有効利用した複合ビル「品川シーズンテラス」では、汚れた雨水が直接海に流れないよう、大雨の際に降雨初期の水を一時的に貯留できる雨天時貯留池を水再生センターの地下に建設。地上に設けた人工地盤上に広大な緑地を整備し、東京湾からの風をこの緑地で冷却することで、都市部のヒートアイランド現象の抑制を図るとともに、雨水を活用した水辺が新たな生態系を育み、生物多様性の保全にもつながるなど、グリーンインフラの多面的な機能を発揮しています。

*グリーンインフラ

社会資本整備や土地利用等のハード・ソフト両面において、自然環境が有する多様な機能を活用し、持続可能で魅力ある国土・都市・地域づくりを進める取り組み。気候変動の対応策として、国土管理の適正化や緑地の保全と緑化の推進による地表面被覆の改善、緑地や藻場等の活用等によるCO2 吸収源対策、土壌、浸透性舗装等を活用した雨水の貯留浸透対策や植栽による蒸発散効果を利用した暑熱緩和対策がある。

再生可能エネルギー事業

今後、導入・拡大が見込まれる一般海域での洋上風力発電事業及び陸上風力発電事業の双方に取り組みます。

風力発電事業
新潟県北部沖での洋上風力発電事業計画

現在、洋上風力発電事業として新潟県北部沖においてその実現性を検討しています。
令和元年6月3日付で環境影響評価法及び電気事業法に基づき「計画段階環境配慮書」を経済産業大臣に送付し、令和元年8月26日付で大臣意見を受領いたしました。

事業に伴う技術開発の推進

<風車の後流・乱流のシミュレーション技術>

風力発電所の開発を行う上で、正確な発電量の予測は重要です。風車の配列によっては、風上側風車からの後流は減衰し風下側風車発電量を低下させます。また、アンバランスな風荷重の要因となり、風車の故障原因となります。このシミュレーション技術の開発を進めております。

<浮体式洋上風力発電コンクリートバージの開発>

大成建設とイデオル(フランス)は、イデオルが保有する特許技術であるダンピングプール®を用いて日本市場におけるコンクリート製浮体式洋上風力発電設備向け浮体基礎の開発と市場開拓に関して、令和元年10月10日付で覚書を締結しました。

地熱発電事業

日本は、世界第3位の火山大国であり、地熱発電に大きな可能性を秘めております。日本に残された資源を活用した純国産エネルギーとして以下の地熱発電事業の開発、運営に取り組みます。

  • 景観に配慮し、地域住民と共生した発電事業
  • 電力と温水供給も含めた地産地消のエネルギー事業
  • 地熱条件に対応したフラッシュ発電やバイナリー発電、次世代発電技術として注目される超臨界地熱発電にも取り組みます。
バイオマス発電事業

バイオマス発電の燃料は、木質、下水汚泥、家畜糞尿、食物残渣等であり、環境に優しいカーボンフリーな資源です。燃焼方式や種々の燃料を組み合わせた以下のバイオマス発電事業に取り組んでいます。

  • 国内の未利用材の利用や地元林業の雇用促進を図った地域に密着した発電事業
  • 海外からの輸入によるパーム椰子殻(PKS)や木質ペレットを利用した臨海部での発電事業
  • 新たな分野として、休耕地を活用し栽培した燃料作物や合法材の建設資材(型枠)を利用した発電事業

エネルギーサービス

エネルギー供給事業(ESP事業)

複合用途の開発事業や生産施設にエネルギーセンターを設置して、電気と熱を供給する事業に参画します。熱源等のエネルギー供給設備機器を集約することで、全体のエネルギー供給の最適化を図り、併せてBCP※1やDCP※2も含め建物オーナーのメリットを実現します。

  • ※1BCP:Business Continuity Plan(事業継続計画)
  • ※2DCP:District Continuity Plan(地域活動継続計画)
エネルギーマネジメント事業(EM事業)

建物の熱源設備の運用方針や建物のエネルギー利用等を分析・評価し、エネルギー利用が常に合理的に行われるようアドバイスします。

エネルギーサポート事業

建物運用時、ZEBを初めとする建物の省エネ性能を確実に発揮させるため、大成建設が建物のエネルギー運用をサポートします。省エネの達成度合いをエネルギーレポートにて報告させて頂きます。

次世代エネルギー

水素の活用

水素は長期的な貯蔵が可能な純国産エネルギーの一つと言われております。燃料電池での発電や、熱エネルギーとしても利用可能で、次世代のエネルギーとして注目されております。

  • 水素の安全な輸送方法として吸蔵合金(MH)に低圧で水素を吸収させる技術があります。この技術を利用した水素サプライチェーンを実証する事業に参加しています。
低圧水素配送システム実証事業への参画

大成建設は、北海道室蘭市における「環境省 地域連携・低炭素水素技術実証事業(平成30年度)」に代表企業として参画しています。

コンクリート技術

  • 事業別のCO2排出量(単体)

  • 建物運用段階のCO2予測排出量および削減率(単体)

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