消費者課題

品質の確保とお客様満足度の向上

ポリシー&マネジメント

大成建設グループは、お客様や社会に対し高品質の建設生産物・関連サービスを効率的かつ継続的に提供することは、重要な使命と認識しており、グループ行動指針に、『お客様満足の追求』及び『安全性・品質の確保と向上』を掲げています。
中期経営計画のサステナビリティ関連の重点課題に「DXにより生産システムの変革と働き方改革を実現する」を掲げ、建設ライフサイクルにおける各プロセスの部分最適化やデジタル技術導入を積極的に進めるなど、生産性向上に努めています。また、「品質の確保と技術の向上」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、当社グループの中期経営計画(2021-2023)の主要施策に掲げ、「お客様満足度100%」「生産性(一人あたり売上高)」をKPI目標として定めています。
大成建設では、本指針に基づき「品質方針」を制定するとともに、各部門(建築部門・土木部門・設計部門・エンジニアリング部門・原子力部門等)の個別方針も設け、生産活動を効率的に推進しています。「TAISEI QUALITY®*」というスローガンを掲げ、品質管理体制のもとグループ一体となってお客様に安心・安全な建設生産物やアフターサービスを提供していきます。
当社の各部門やグループ会社それぞれで、ISO9001の認証を受け、品質マネジメントを実施し、土木部門・建築部門それぞれでマニュアルや実施要領を作成しています。引き渡し後にお客様満足度調査を実施し、関係各部門とも連携して適切な品質管理を徹底し、品質に起因する不具合撲滅に努めています。

*TAISEI QUALITY®:

大成建設グループ全体の品質推進活動を、一言で表したスローガンです。大成建設グループの社員がプライドを持って、品質の確保に努めることで、お客様や社会から信頼を得ることを目指しています。

各部門の品質方針

建築部門

大成建設は、建築事業における品質保証を実現するために1984年4月に、『建築品質管理標準』を制定し、受注・施工・アフターサービスを一貫した保証体系に従って推進してきました。
その後1997年までにISO9001認証を取得し、それに合致した品質管理を実現しています。ISO9001・2015年版への移行を機に、2008年に制定した『建築業務標準』を品質管理マニュアルに相当するものと位置付け、それに沿った業務フローを実施することによる品質管理を実現しています。
建築部門では品質方針を定め、顧客や社会の要求に合致した「高品質の建設生産物・関連サービス」を継続的に提供し、顧客の満足と信頼を得る、と宣言しています。

土木部門

大成建設の土木部門では、お客様のニーズに基づき優れた品質の土木構造物を提供するため、総合建設業としての知恵と組織力を結集し、工事関係者全員の誠実かつ迅速な協働により、お客様に満足していただける品質とサービスを追求しています。
更なる「お客様満足の向上」のため、品質マネジメントシステムについても有効性を継続的に改善し、より効果的な運用を目指します。

エンジニアリング部門

大成建設のエンジニアリング部門は、日本の総合建設会社として初めて1968年に設立され、50年を超える業界随一の歴史と実績を誇ります。また、1996年に社内で最初にISO9001の認証を得てから20年以上、品質活動に取り組み、顧客ニーズの実現と多くの信頼を築いてきました。2020年には、建築部門、設計部門等と同じ認証機関へ移転し、企画・計画から設計・施工まで一貫して対応する部門として更に躍進を続けます。
エンジニアリング部門では顧客満足の実現に向け、当社の品質方針のもと、「顧客要求事項を満足した高品質の施設・サービスを継続的に提供する」を部門の品質方針として掲げ、具体的な行動指針を下記に定め品質活動に取り組んでいます。

  1. 顧客要求事項を的確に捉え解決する
  2. 先進的なサービスを提供できる人材を育成する
  3. 法令・規制等を順守する
  4. 品質マネジメントシステムを適切に運用し、継続に維持管理する
設計部門

大成建設の設計部門は、1997年3月にISO9001認証を設計本部と支店設計部(8支店)一体で取得し、全国どの部署においても設計品質を確実にする仕組みができ、以降PDCAを回し成熟した品質管理体制を構築してきました。
毎年継続して、営業部門、建築部門と協力し、プロジェクトのプロセスを見直し、「建築業務標準」及び設計部門の品質システムに反映させています。川上から川下まで建築部門と一体となった運用を進める一方、2016年に大成建設工事監理一級建築士事務所を開設し、独立した権限をもって工事監理を行っています。
昨今ICT化が急速に進み働き方も変わってきており、それに伴う新たなリスクも生じ、システムの見直しも必要になっています。設計部門は2002年6月に建設業界で世界初の情報セキュリティマネジメントシステム認証(当時BS7799、現在ISO27001)を取得しており、品質、環境、情報セキュリティのISOの活動を通じて総合的にリスクマネジメントに取組んでいます。

原子力部門

大成建設の原子力部門では、当社の品質方針のもとに、原子力関連施設の設計、調査・研究開発、実証試験及び技術支援を通じて、お客様満足の向上を図るとともに、原子力関連施設の安全性、信頼性及び環境保全に資することを品質方針としています。
必要に応じて「原子力安全のためのマネジメントシステム規程JEAC4111」[(一社)日本電気協会]、「原子力施設における許認可申請等に係る解析業務の品質向上ガイドライン」[(一社)原子力安全推進協会]、「原子力施設のための品質保証要求事項NQA-1」[ASME:米国機械学会]等にも対応し、電力会社をはじめとするお客様個別の品質保証要求にお応えします。

ISO14001/ISO9001取得状況

(2021年9月現在)

  規格名 登録機関
大成
建設
大成建設 EMS*1 ISO14001:2015 JTCCM MS
大成建設 土木部門 QMS ISO 9001:2015 JTCCM MS
大成建設 建築部門 QMS ISO 9001:2015 JTCCM MS
大成建設 設計部門 QMS ISO 9001:2015 JTCCM MS
大成建設 エンジニアリング部門 QMS ISO 9001:2015 JTCCM MS
大成建設 原子力部門 QMS ISO 9001:2015 JTCCM MS
グループ 大成ロテック(株) EMS ISO14001:2015 JUSE-ISO Center
QMS*2 ISO 9001:2015 MSA
大成有楽不動産 EMS*3 ISO14001:2015 JICQA
QMS*4 ISO 9001:2015 JICQA
大成ユーレック(株) EMS ISO14001:2015 JUSE-ISO Center
QMS*5 ISO 9001:2015 JUSE-ISO Center
大成設備(株) EMS*6 ISO14001:2015 BCJ-SAR
QMS*6 ISO 9001:2015 BCJ-SAR
成和リニューアルワークス(株) QMS ISO 9001:2015 MSA
ジェイファスト QMS ISO 9001:2015 MSA
  • *1EMSは大成建設(株)全社一括して取得
  • *2QMSは大成ロテック(株)生産技術本部取得
  • *3EMSは大成有楽不動産(株)全社一括して取得
  • *4QMSはビル管理本部(登録範囲:首都圏5支店のビルメンテナンス業)、マンション管理事業本部取得
    (登録範囲:マンション管理組合の会計処理業務)、九州支店(登録範囲:ビルメンテナンス業)で取得
  • *5QMSは大成ユーレック(株)建築本部、PC事業部取得
  • *6EMS、QMSとも大成設備(株)本社と10支店全社一括して取得

制度と仕組み

生産性向上への取り組み

KPIs 生産性(一人あたり売上高)0.83億円

計画・設計・施工・運用で得る情報を管理するT-CIM®やBIMを活用しています。また、2020年度にDX推進委員会を設置し、全社一体でDXに取り組む体制を構築しています。お客様に最適なサービス・ソリューションを提供するとともに、一人当たりの生産性(売上高/従業員数)の指標で、成果を見える化し、従業員一人ひとりに「生産性」についての意識の向上を図ることで、業務プロセスを見直し、グループ一体となって、生産性の向上に努めていきます。

T-CIM ®:

情報通信技術CIM(Construction Information Modeling)を活用した施工システムと、各工事の3次元モデルに関連する属性情報を紐づけて統合した当社独自のシステムです。

BIM:

Building Information Modelingの略で、コンピューター上に構築した3D建物モデルに建築部材や設備機器の仕様や配置、コストなどの属性情報を紐づけた建築情報データベースです。

ICTを活用し「即効性のある生産性向上」を実現

大成建設では2017年度から、ICTを基軸とした生産性向上と技術⾰新への取り組みを推進し、本社・各支店に推進担当者80名を配置して全社的な水平展開を図っています。計画・設計・施工・運用で得る情報を管理するT-CIM®やBIMの活用をはじめ、建設工事作業所において、生産能力の向上を実現する最も効果的で即効性のある施策としてICTを最大限に活用しています。具体的には、作業所を中心に、社内外のプロジェクト関係者間で利用可能な情報共有ネットワーク「作業所Net」や、施工管理情報の閲覧・記録作成等の業務を拡大に省力可能な「Field Pad®」なども順次導入しました。

Field Pad ®:

作業所での工事記録写真の保存や報告書など、施工管理業務全般で利用されており、作業時間短縮や生産性向上が実現しています。

T-CIM®を用いた生産システムの革新(土木部門)

土木部門では、建設現場の生産性と品質向上を目指した T-CIM® システムの開発を2014年より行ってきました。
国土交通省が2012年より提唱しているCIM(Construction Information Modeling/Management)は、3次元モデルに部材仕様などの属性情報を紐づけたものですが、当社の T-CIM® では3次元モデルを必須としていないのが大きな特徴です。T-CIM®には、一般的なコンクリート工事を支援するシステム T-CIM® /Concreteと専門工種を支援するシステムT-CIM® /Tunnel(トンネル)のほか、土工、ダム、シールド、橋梁、鉄道、海洋、土壌浄化などの専門工種別のT-CIM®があります。いずれも、出来形や品質の情報に加え進捗情報などをクラウドでどこからでも確認することができるシステムです。
このうちT-CIM®/Concreteは、生コンの練混ぜから打込みまでの情報をインターネット上のクラウドで管理し、その状況をリアルタイムに閲覧することが出来るシステムで、土木現場のみならず建築現場にも展開が進んでいます。このシステムは、国土交通省の2018・2019・2020年度の官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM:Public/Private R&D Investment Strategic Expansion Program)において効果が確認され高い評価を得ています。

お客様満足度

建築部門

KPIs お客様満足度(建築)100%

建築部門のお客様満足度は、各支店からアンケート形式での調査を実施しています。アンケートは出来栄えや使い勝手・施工中の作業所運営の評価等、5段階評価となっています。評価の低い項目については、要因を分析し、対策をたて工事反省会等に反映し、更なる理解を得ることで、満足度向上を目指します。

土木部門

KPIs お客様満足度(土木)100%

土木部門のお客様満足度は、発注者の工事評定点を指標としています。これに加え、CSインタビューも実施しています。支店は結果を工事反省会に反映し、改善に努めています。今後も、本社・支店が一体になり、更なる満足度向上を目指していきます。

ものづくりを支える若手技術者、女性技術者支援

マイスター制度・本部員コーチング制度(建築部門)

2009年より「マイスター制度」・「本部員コーチング制度」を実施しており、当社グループ全体の品質推進活動「TAISEI QUALITY®」活動の一環として、大成建設の技術やノウハウを確実に伝承するために、技術習得や専門知識習得を推進し、生産能力の向上と施工管理体制の強化を図っています。マイスターに選任された社員や作業所経験が豊富な建築本部の幹部社員が、実際に現場に出向き、若手及び中堅社員に密着し、OJTを通じて技術力、品質管理力、現場運営力などの教育・指導を行っています。

教育サポーター制度(土木部門)

2009年より「教育サポーター制度」を導入しており、作業所長経験者の中から選任された教育サポーターが若手社員のOJT教育状況を確認し、支援・指導しています。生産能力と体制を強化するために、「労務環境の整備」や「人材確保」に加え、社員のマネジメント能力の強化を図っています。具体的には、「社員の現場力向上」を目標に掲げ、工程管理能力、設計力、積算力、交渉力、実行力などの能力を高めるため、「OJT教育」を導入・運用しています。

「けんせつ小町」が実現する女性活躍推進

建設現場での女性活躍推進の一環として(一社)日本建設業連合会の「けんせつ小町」に協力し、女性技術者の活躍を後押ししています。当社でも2014年より土木・建築部門において、役員と女性技術者との対話の機会を設け、女性が活躍ができる環境の整備に取り組む等、女性の視点を積極的に社内に取り込むことで、新たな価値を生み出せると考えています。
2020年度、けんせつ小町活躍推進表彰の最優秀賞と特別賞を受賞した作業所の女性活躍における改善事例を、他の建設作業所へと水平展開するとともに、今後も、女性が能力を発揮し活躍できる職場環境の整備に努めていきます。

けんせつ小町:

「けんせつ小町」は建設業で働くすべての女性の愛称です。建設現場で働く技術者・技能者、土木構造物や建物の設計者、会社の運営を支える事務職、営業担当者、研究者など、活躍の舞台は多岐にわたります。

情報管理の徹底

お客様の情報管理の徹底について

「顧客情報の管理に関するガイドライン」に基づき、お客さまの要求する情報管理を徹底するため、工事毎の機密性の高さに応じたセキュリティレベルを設定し、社内の関係部署に確実に伝達するよう定めており、顧客情報の適切な管理を徹底しています。

建設業界全体の情報セキュリティレベルの向上

セキュリティベンダーと共同開発した「パソコンセキュリティ診断サイト」を無償公開し、大成建設と取引関係のある企業や同業他社などと共同利用することで、当社だけに留まらない建設業界全体の情報セキュリティレベルの向上を目指しています。

イノベーション・マネジメント

ポリシー&マネジメント

技術を価値創造の源泉とする大成建設グループにとって、事業の基盤といえるのが研究開発と知的財産活動です。当社グループでは、グループ行動指針の『価値創造への挑戦』で「技術・ノウハウを結集するとともに、技術革新と創意工夫により、新しい価値の創造に絶えず挑戦します」「時代の先を常に見据えて、自らの知識・能力の向上に努めます」とコミットしています。
また、当社グループの中期経営計画(2021-2023)のサステナビリティ関連の重点課題に「オープン・イノベーション」の活用を通じて、環境・社会課題の解決に向けた技術開発を推進する」を掲げており、SDGs達成への貢献などを視野に研究開発のテーマなどを選択したうえで、社長を委員長とする技術委員会のもと、洋上風力、物流・人流・土木インフラ、カーボンリサイクル産業等の、成長が期待される産業分野に貢献する技術に重点をおき、技術開発を進めています。
更に、「持続可能な社会の実現に向けた技術開発」をマテリアリティ(取り組むべき重要課題)として特定し、中期経営計画の主要施策に掲げ、「特許出願件数260件」「ZEB化建物受注件数5件/年」をKPI目標として定めています。
当社はグループ企業を含めた知的財産力の一層の向上を図るため、グループ行動指針の『社会的責任の遂行』に「情報・知的財産権の管理」を掲げるとともに、当社グループの「知的財産に関する方針」を制定しています。知的財産の創造・保護・活用、知的財産に関するリスク軽減、ブランドの戦略的活用などの知的財産戦略を着実に実践しています。

オープン・イノベーション:

組織の枠組みを超え、広く知識・技術の結集を図る等のイノベーションの方法論。

制度と仕組み

研究開発活動

研究開発活動の実施に際して、技術ニーズの高度化・多様化に対応し、技術開発への投資効率を高めるべく、大学をはじめとした研究機関、異業種企業、同業他社などとの社外アライアンスやオープン・イノベーション活動を積極的に推進しました。

研究開発費の推移(連結)

  2016年度 2017年度 2018年度 2019年度 2020年度
研究開発費 111億円 116億円 124億円 135億円 142億円

社会的課題の解決に貢献する特許

KPIs 特許出願件数 260件

特許法の第一条(目的)には「この法律は、発明の保護及び利用を図ることにより発明を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする」とあります。当社は、優位性を確保するだけではなく、本来の目的達成のため、知的財産を重視した経営を推進し、特許権のほか、著作権や施工・業務上のノウハウなど知的財産全般について、戦略的な管理・活用を実行しています。知的財産戦略に基づき積極的な権利化・活用を⾏うことにより、全業種特許査定率74.9%に対して、大成建設は89.2%と⾼い数値となっています。ニーズの意識と対話を通じて新しい価値の知的財産化を図り、事業戦略、研究開発戦略、知的財産戦略との三位一体により新技術の開発や作業所の技術支援、知的財産の活用などを通じて社会に貢献していきます。

特許⾏政年次報告書2020年版における過去3年間の平均値

ZEB 性能の向上に向けて

KPIs ZEB化建物受注件数 8件/年

ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、建築計画の工夫による日射遮蔽・自然エネルギーの利用、高断熱化、高効率化によって大幅な省エネルギーを実現した上で、太陽光発電等によってエネルギーを創り、年間に消費するエネルギー量が大幅に削減する最先端の建築物です。ZEBを実現・普及することにより、エネルギー需給構造を抜本的に改善することが期待されています。中期経営計画(2021-2023)の重点課題にも、ZEB性能の向上を掲げており、大成建設のZEBへの取り組みは、SDGs達成にも繋がる取り組みとして位置づけられています。今後の成長市場として期待できる分野として、ZEBの進化・普及に全力で取り組んでいきます。

大成建設のデジタルトランスフォーメーション

大成建設は、中期経営計画(2021-2023)において、「DXが競争力を左右する時代へ」との認識のもと、重点課題の一つとして「DXにより生産システムの変革と働き方改革を実現する」を掲げ、全社を挙げてDXに取り組んでいます。この活動が経済産業省の定める認定基準を満たしたことにより、DX認定を取得しました。
今後も引き続き、中長期的に目指す姿【TAISEI VISION 2030】「進化し続けるThe CDE3 カンパニー:人々が豊かで文化的に暮らせるレジリエントな社会づくりに貢献する先駆的な企業グループ」を目指し、活動を加速していきます。

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