組織統治

コーポレート・ガバナンスと内部統制

ガバナンスに関する基本方針と経営体制

大成建設は、「人がいきいきとする環境を創造する」という「グループ理念」、およびグループ理念を追求するための「自由闊達」、「価値創造」、「伝統進化」という3つの「大成スピリット」のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を実現することを目的として、2015年11月に「コーポレートガバナンス基本方針」を定めています。
当社では、この基本方針に則して、取締役会において、経営上の重要な意思決定や業務執行の監督に専念しております。取締役会は、11名の取締役(社内取締役8名、社外取締役3名)で構成されていますが、その実効性を高めるため、各種の取締役会委員会を設置し、執行役員制度を導入しているほか、社外取締役のみでのミーティングや、取締役・監査役による各種意見交換会を実施しています。
社外取締役(男性2名、女性1名)は、企業経営者や外交官としての経験と見識に基づいた客観的な視点に立ち、取締役会における審議に多様性をもたらすとともに、経営監督の強化に貢献しています。また、取締役会や業務執行部門から独立した機関である監査役会(社外監査役4名を含む)が、会計監査人や内部監査部門である監査部と緊密に連携し、独立性・実効性の高い監査の実施とグループ全体の監査体制の強化を図っています。

大成建設のコーポレート・ガバナンスの主な沿革

大成建設のコーポレート・ガバナンスの主な沿革

取締役会の実効性

大成建設では、2017年度の取締役会の実効性評価を、取締役・監査役の自己評価の後、社外取締役による全体評価と第三者(弁護士)の意見を参考とし、取締役会で審議する方法により実施しました。
評価結果は、全体としては、多様性が備わった取締役会構成を活かして取締役会運営の着実な改善努⼒がなされており、取締役会は総じて実効的に機能し、業績向上につながっていると思われるというものであり、重要な経営戦略などについてはさらなる審議の充実を図るために時間的な枠組みなどを⼯夫すべきという意⾒なども述べられました。
また、2017年度は、2016年度の評価を受け、当社の中長期的なテーマについての「自由討議」や「意見交換会」、研修や現場見学等を実施し、取締役会運営の活性化に取り組みました。
当社は、2017年度の評価も踏まえ、取締役会運営のさらなる充実を図っていきます。

財務報告の信頼性確保

金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、企業として最も重視すべき課題の一つと認識しており、日常的モニタリングの実施など、外部に公表する財務報告の信頼性を確保するための社内体制を構築しています。その有効性は、監査部による評価および有限責任あずさ監査法人による監査によりチェックされ、「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」として開示し、今後とも、この有効性の確保を通じて、企業としての社会的責任を果たしていきます。
なお、財務報告に係る内部統制システムの確実な運用を継続していくため、役職員などに対する社長メッセージの発信や、eラーニングの実施などの啓発活動を行っています。

内部統制の推進

大成建設では、グループとして、業務を適正かつ効率的に執行する体制および財務報告の信頼性を確保するために、取締役会において「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を定め、リスクマネジメントコンプライアンスのさらなる推進を図っています。2016年度には、「執行役員の責務と役割」をテーマとして、弁護士による研修を2回実施するなど、各種の施策を講じています。

* 2006年5月制定。2015年4月最終改正

ガバナンス体制

ガバナンス体制

株主総会(2018年6月28日開催)

株主が、株主総会議案について十分に検討する時間を確保し、適切に議決権を行使することができるよう、株主総会開催日を適切に設定し、株主総会の招集通知を株主総会開催日の3週間以上前までに発送するよう努めるとともに、招集通知発送前に、TDnet(東京証券取引所が運営する適時開示情報伝達システム)やWebサイトにより電子的公表を行っています。

取締役/取締役会(2017年度開催回数13回)

取締役会は、当社の持続的成長と中長期的な企業価値向上を促すため、効率的かつ実効的なコーポレート・ガバナンスを実現する責任を負っており、その責任を果たすため、経営全般に対する監督機能を発揮して経営の的確性・公正性・透明性を確保するとともに、法令、定款などにおいて定められた重要な業務執行の決定を行っています。
取締役候補の指名は、取締役会内に設置した役員人事委員会で審議の上、取締役会で決定しています。なお、取締役のうち2名以上は、独立かつ客観的な業務執行の監督の実効性を確保するため、独立社外取締役とすることとしています。

取締役会委員会

取締役会審議の充実・活性化のための事前審議機関として、取締役会内に役員人事委員会、報酬委員会、財務委員会、CSR委員会など、各種の取締役会委員会を設置しています。

監査役/監査役会(2017年度開催回数14回)

監査役は、取締役や業務執行部門から独立した機関として、監査役会において定めた監査方針に従い、取締役会に出席するほか、取締役などから経営状況の報告を聴取するなど、取締役の職務執行の監査を行っています。
また、監査役と代表取締役、監査部および会計監査人は定期的会合を持ち、相互の意思疎通を図り監査の実効性向上に努めています。

監査役業務部

監査役の職務執行を補佐するため、取締役からの独立性を備えた専任の組織である監査役業務部を設置し、監査役の適切な情報収集などを支援しています。

監査部

監査部は、年度監査計画などに基づき、社内各部門およびグループ会社に対し、管理・運営の制度および業務執行状況の合法性・合理性に関する内部監査を実施しています。

会計監査人

会計監査人は、監査計画・監査結果について随時、監査役会および経理部などの内部統制部門への報告を行っています。
また、経営陣、監査役および監査部は、会計監査人による適正な監査を確保するために、会計監査人との間で定期的または、随時の打合せや意見交換を行っています。

業務委員会

社長の諮問に係る業務についての審議などを行うため、技術委員会、中央安全委員会、環境委員会、リスクマネジメント委員会、中央労務委員会などの業務委員会を設置しています。

特別委員会

社長の諮問に応える特別の委員会として、社外有識者を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進の強化を図っています。

役員報酬について

取締役報酬等は2006年6月27日開催の第146回定時株主総会決議に基づく月総額70百万円以内、監査役報酬等は1994年6月29日開催の第134回定時株主総会決議に基づく月総額12百万円以内を限度に、大成建設の事業規模、内容、業績、個々の職務内容や責任などを総合的に考慮して決定しています。
なお、取締役報酬等については業績を反映した報酬体系とし、取締役会の事前審議機関である「報酬委員会」にて検討の上取締役会にて決定し、監査役報酬等については監査役会にて協議の上決定しています。

役員の報酬等

当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

区分 社内役員 社外役員
支給人員 支給額 支給人員 支給額 支給人員 支給額
取締役 8名 654百万円 3名 41百万円 11名 696百万円
監査役 2名 74百万円 4名 55百万円 6名 129百万円
10名 728百万円 7名 96百万円 17名 825百万円

(注)役員の報酬等の種類は、すべて基本報酬である。

社外役員サポート体制

社外取締役については秘書部が、社外監査役については取締役から独立した監査役業務部が補佐業務を担当しています。社外取締役については、原則月1回開催の取締役会の前に、議案に関する資料を担当役員および秘書部担当者が配付するとともに説明を行っています。社外監査役については、監査役業務部担当者が取締役会の議案につき説明しており、議案の資料の事前配付を行っています。また、社外取締役及び社外監査役に対し、適宜情報提供を行っています。

役員研修の実施

取締役及び監査役に対しては、当社の事業に関する監督・監査機能を果たすために必要な研修として、就任時に、関連法令並びに定款、「取締役会規則」および重要な会社の方針等を定める社内規程に関する研修を実施しております。また、上記の研修に加え、第三者機関等よる研修を受講する機会を取締役及び監査役に対して継続的に提供しております。なお、社外取締役及び社外監査役に対しては、当社グループおよびその事業についての理解を深めるため、必要に応じて、作業所見学会などの施策を実施しています。

社外役員の選任について

大成建設は、コーポレート・ガバナンスの一層の充実を図るため、社外役員(社外取締役および社外監査役)を7名選任しています。7名全員が証券取引所の定める独立性の基準を満たしており、東京証券取引所有価証券上場規程等に基づき、独立役員として届け出ています。

2017年度 社外役員の取締役会および監査役会の出席状況

区分 氏名 主な活動状況
取締役 辻 亨 異業種の経営者としての経験を通じて培われた高い見識と、社外取締役として中立的な立場と視点から、内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス推進体制を強化するため、当社の経営上有用な意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
取締役 數土 文夫 異業種の経営者としての経験を通じて培われた高い見識と、社外取締役として中立的な立場と視点から、内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス推進体制を強化するため、当社の経営上有用な意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
取締役 西村 篤子 外交官としての経験を通じて培われた豊かな国際感覚と、社外取締役として中立的な立場と視点から、内部統制システムを確立し、コーポレート・ガバナンス、コンプライアンス推進体制を強化するため、当社の経営上有用な意見を述べております。
  • 取締役会出席10回/10回(出席回数/開催回数)
監査役 前田 晃伸 財務・会計に関する豊富な知見に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席13回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 森地 茂 大学教授としての経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席14回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 宮越 極 警察関係における経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 監査役会出席14回/14回(出席回数/開催回数)
監査役 斉藤 邦俊 会計検査院における経験を通じて培われた高い見識に基づき適宜意見を述べております。
  • 取締役会出席13回/13回(出席回数/開催回数)
  • 取監査役会出席14回/14回(出席回数/開催回数)

説明責任

大成建設は、「情報開示方針」を制定し、コーポレートガバナンス基本方針にも適切な情報開示と透明性の確保を掲げ、これらの方針に基づき適時・適切な情報開示を行っています。また、2015年に「IR方針」を定め、株主・投資家の皆さまとの面談やIR説明会、株主総会を通じて建設的な対話促進をはかっています。

さらに、大成建設オフィシャルサイトには中期経営計画、決算説明会での配布資料に加え、解説付きの説明資料、社長スピーチの要約、主な質疑応答も掲載(和文・英文)するなど公正な情報開示に努めているほか、海外投資家などに対しては、アニュアルレポート、英文版Webサイトなど英語での情報開示を実施しています。株主の皆さまに対しては、当社の企業活動についての理解をさらに深めていただくため、株主通信により、注力事業やESG(環境、社会、ガバナンス)に関する取り組みについても報告しています。

リスクマネジメント

全社的リスクマネジメントの推進

大成建設では、2004年に「リスクマネジメント方針」を制定し、経営環境の変化に伴って増大するリスクに対応すべく、全社的なリスクマネジメント推進体制を構築しています。
その運用にあたっては、毎年、事業活動に係るリスクを抽出・選定した上で、その重要度により、「全社重要リスク」、「本部所管リスク」などに分類し、リスク対策を整備するとともに、主管・所管部門を明確化することによって、実践的なリスクマネジメントの推進を図っています。
特に、企業経営に重大な影響が生じる可能性のある事件・事故については、CRO(チーフ・リスク・マネジメント・オフィサー)事務局に情報を一元化して対応し、その情報をリスクマネジメント委員会・リスクマネジメント協議会と共有することにより再発防止を図るなど、全社で効果的なリスクマネジメントを行っています。

全社的リスクマネジメント推進体制図

全社的リスクマネジメント体制図

事業継続計画(BCP)への取り組み

大成建設では、「災害時における事業継続に関する方針」を制定し、経済活動の基盤を支える総合建設会社としての責務を果たすため、災害時において当社の事業活動機能を維持させ、国・地方自治体、企業などの事業継続に貢献し、社会から信頼される企業となることを目指しています。
近年では、災害時の拠点機能をさらに盤石なものとすべく、本支店災害対応拠点の代替拠点整備を行いました。
本社においては、社員寮である「プレミール初台」「ドミトリー志村」などを整備し、新たに本社の代替拠点として設定することで、災害時対応力を強化しました。
その他にも、昨年度には海外における危機管理体制の強化や、事業継続計画に関する新たな認証(国土強靭化貢献団体認証)の取得など、上記責務を果たすべく毎年事業継続計画の見直しを行っています。
これらの取り組みにより、2016年4月に発生した熊本地震の際も、関係取引先からの復旧工事・物資支援などの要請に、迅速に対応することができました。

ドミトリー志村
ドミトリー志村
熊本地震 支援物資配送状況
熊本地震 支援物資配送状況