組織統治

コーポレート・ガバナンス

コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方

大成建設は「人がいきいきとする環境を創造する」という「グループ理念」、及びグループ理念を追求するための「自由闊達」、「価値創造」、「伝統進化」という3つの「大成スピリット」のもと、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を目指しています。
当社は、企業としての持続的な発展を図り社会からの信頼を獲得するため、経営における意思決定の迅速性、的確性、公正性及び透明性を確保することを、コーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としています。
上記の基本的な考え方を、コーポレートガバナンス・コードの各原則への対応を踏まえて具体化した当社の「コーポレートガバナンス基本方針」を、当社ホームページで公表しておりますので、ご参照願います。

ガバナンス体制

株主/株主総会(2020年6月24日開催)

株主が議決権を行使するにあたり、十分な検討期間を確保するために株主総会開催日の2週間以上前に発送しています。また、招集通知発送の約2週間前に当社ホームページに掲載しています。

取締役/取締役会(2019年度開催回数13回)

取締役会は、大成建設の持続的成長と中長期的な企業価値向上を促すため、(ⅰ)企業戦略等の大きな方向性を示すこと、(ⅱ)経営陣幹部による適切なリスクテイクを支える環境整備を行うこと、(ⅲ)独立した客観的な立場から、経営陣・取締役に対する実効性の高い監督を行うことを主とする役割・責務を適切に果たしています。取締役会は、代表取締役会長が議長を務め12名の取締役(社内取締役8名、社外取締役4名)で構成されています。取締役候補の指名は、取締役会内に設置した役員人事委員会で審議の上、取締役会で決定しています。
なお、取締役のうち2名以上は、独立かつ客観的な業務執行の監督の実効性を確保するために、独立社外取締役とし、更に3分の1以上とするよう努めています。
社外取締役(男性3名、女性1名)は、自らの知見に基づいた客観的な視点に立ち、取締役会における審議に多様性をもたらすとともに、経営監督の強化に貢献しています。

取締役会委員会

取締役会の活性化を図るため、取締役会内に役員人事委員会、報酬委員会、CSR 委員会等の委員会を設置し、各委員会とも、独立性・客観性を強化するため、独立社外取締役を主要な構成員としています。役員人事委員会・報酬委員会は、取締役の選任・報酬の決定について手続きの客観性・透明性を高めることを目的に、取締役会の諮問機関として設置されており、委員長は独立社外取締役となっています。

役員人事委員会・報酬委員会の構成等

役員人事委員会・報酬委員会の構成等

経営会議

業務執行の意思決定機関として経営会議を設置しています。

執行役員

機動的な業務執行を可能とするため、執行役員制度を採用しています。

監査役/監査役会(2019年度開催回数14回)

監査役(社内監査役2名、社外監査役3名)は、取締役や業務執行部門から独立した機関として、監査役会において定めた監査方針に従い、取締役会に出席するほか、取締役などから経営状況の報告を聴取するなど、取締役の職務執行の監査を行っています。
また、監査役と代表取締役、監査部および会計監査人は定期的会合を持ち、相互の意思疎通を図り監査の実効性向上に努めています。

監査役業務部

監査役の職務執行を補佐するため、取締役からの独立性を備えた専任の組織である監査役業務部を設置し、監査役の適切な情報収集などを支援しています。

監査部

監査部は、年度監査計画などに基づき、社内各部門およびグループ会社に対し、管理・運営の制度および業務執行状況の合法性・合理性に関する内部監査を実施しています。

会計監査人

会計監査人は、監査計画・監査結果について随時、監査役会および経理部などの内部統制部門への報告を行っています。
また、経営陣、監査役および監査部は、会計監査人による適正な監査を確保するために、会計監査人との間で定期的または、随時の打合せや意見交換を行っています。

特別委員会

社長の諮問に応える特別の委員会として、社外有識者を委員長としたコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進の強化を図っています。

業務委員会

経営会議及び社長の諮問に係る業務についての審議などを行うため、環境委員会、リスクマネジメント委員会等の業務委員会を設置しています。

取締役会の実効性評価

2020年度より、当社はガバナンス体制を見直し、取締役会審議の活性化・実質化と監督機能の一層の強化を図るため、取締役会の業務執行機能の範囲を見直すとともに、経営陣(執行サイド)への権限委譲範囲を拡大し、意思決定の迅速化を図っています。
2019年度の実効性の分析・評価は、「ガバナンス体制見直しに対する評価及び新体制に期待する点」について実施しました。具体的には、まず取締役及び監査役が自己評価を行い、その上で社外取締役による全体評価を実施するとともに、第三者(弁護士)の意見を参考としながら、取締役会で審議を行う、という手続により実施しました。評価の結果としては、関係者の深い議論を経てガバナンス体制が強化されたことは評価でき、また、役員のガバナンスに対する意識の高さが窺われるなど、当社のガバナンス体制が実効的に機能している、というものでした。
なお、当社の取締役会の実効性の向上を今後も継続させていく観点から、「状況に応じた柔軟な運用の継続的見直し」「適時の情報共有のための情報機器の活用」「要点を絞った簡潔な資料作成」等を求める意見が出されました。また、「中長期的な観点からの議論を一層充実すべき」との意見や「変化する事業環境における競争力の強化に向けて、新たなガバナンス体制を十分に活かしていくことが重要」との意見も出されました。
以上の評価も踏まえ、今後も取締役会運営の更なる充実を図っていきます。

内部統制の推進

大成建設では、グループとして、業務を適正かつ効率的に執行する体制および財務報告の信頼性を確保するために、取締役会において2006年5月に改正した「業務の適正を確保するための体制の整備に関する基本方針」を定め、リスクマネジメントやコンプライアンスの更なる推進を図っています。営業部門の役職員を主な対象として、社外弁護士による独占禁止法遵守研修を実施するなど、各種の施策を講じています。

財務報告の信頼性確保

金融商品取引法に基づく財務報告に係る内部統制については、企業として最も重視すべき課題の一つと認識しており、日常的モニタリングの実施など、外部に公表する財務報告の信頼性を確保するための社内体制を構築しています。その有効性は、監査部による評価および有限責任あずさ監査法人による監査によりチェックされ、「内部統制報告書」「内部統制監査報告書」として開示し、今後とも、この有効性の確保を通じて、企業としての社会的責任を果たしていきます。
なお、財務報告に係る内部統制システムの確実な運用を継続していくため、役職員などに対する社長メッセージの発信や、eラーニングの実施などの啓発活動を行っています。

社外役員サポート体制

社外取締役については秘書部が、社外監査役については取締役から独立した監査役業務部が補佐業務を担当しています。社外取締役については、原則月1回開催の取締役会の前に、議案に関する資料を担当役員および秘書部担当者が配付するとともに説明を行っています。社外監査役については、監査役業務部担当者が取締役会の議案につき説明しており、議案の資料の事前配付を行っています。また、社外取締役および社外監査役に対し、適宜情報提供を行っています。

役員研修の実施

取締役および監査役に対しては、当社の事業に関する監督・監査機能を果たすために必要な研修として、就任時に、関連法令並びに定款、「取締役会規則」および重要な会社の方針等を定める社内規程に関する研修を実施しております。また、上記の研修に加え、第三者機関等よる研修を受講する機会を取締役および監査役に対して継続的に提供しております。なお、社外取締役および社外監査役に対しては、当社グループおよびその事業についての理解を深めるため、必要に応じて、作業所見学会などの施策を実施しています。

説明責任

大成建設は、2006年に「情報開示方針」を制定し、「コーポレートガバナンス基本方針」にも適切な情報開示と透明性の確保を掲げ、これらの方針に基づき適時・適切な情報開示を行っています。また、2015年に「IR方針」を定め、株主・投資家の皆様との面談やIR説明会、株主総会を通じて建設的な対話促進を図っています。

更に、当社ホームページには中期経営計画、決算説明会での配布資料に加え、解説付きの説明資料、社長スピーチの要約、主な質疑応答も掲載(和文・英文)するなど公正な情報開示に努めているほか、海外投資家などに対しては、アニュアルレポート、大成建設オフィシャルサイトなど英語での情報開示を実施しています。株主の皆様に対しては、当社の企業活動についての理解を更に深めていただくため、株主通信により、注力事業やESG(環境、社会、ガバナンス)に関する取り組みについても報告しています。

役員報酬等

1.役員の報酬等の額またはその算定方法の決定に関する方針

取締役報酬等は2006年6月27日開催の第146回定時株主総会決議に基づく月総額70百万円以内、監査役報酬等は1994年6月29日開催の第134回定時株主総会決議に基づく月総額12百万円以内を限度に、大成建設の事業規模、内容、業績、個々の職務内容や責任などを総合的に考慮して決定しています。
なお、取締役報酬等については、業績を反映した報酬体系とし、2020年6月10日に開催された取締役会の事前審議機関である「報酬委員会」にて検討の上、2020年6月24日に開催された取締役会にて取締役報酬等の総支給額及び役位別の支給額について決定しました。
また、監査役報酬等については監査役会にて協議の上、決定しています。

(業績連動報酬)

当社の取締役報酬等は、役位(執行役員を兼務する場合の執行役員の役位を含む)ごとに定めた、業績連動報酬と業績連動報酬以外の報酬等により構成されており、役位に応じて累進するように報酬額を決定することとしています。また、業績連動報酬に係る指標は、直近事業年度の個別損益計算書における税引前当期純利益と直近事業年度に負担する従業員への賞与支給総額との合算額であり、当該指標が当社の付加価値に近似した指標であることを理由として選択しています。業績連動報酬の額の決定に際しては、報酬委員会が次の事項について協議し、取締役会に付議しています。
(1)取締役報酬等の総支給額および役位別への支給額
(2)取締役報酬等に関する内規の制定および改定

なお、業績連動報酬に係る指標の目標・実績は、以下のとおりです。

業績連動報酬に係る指標の目標・実績

※従業員賞与支給総額には目標値を設定していないため、実績値のみを記載しています。

(株式報酬)

2020年6⽉4日に開催の第160回定時株主総会において、取締役の報酬と当社の実績及び株式価値との連動性をより明確にし、取締役が株価上昇によるメリットのみならず、株価下落リスクまでも株主と共有することで、中長期的な業績の向上と企業価値の増⼤に貢献する意識を高めることを目的として、業績連動型株式報酬制度「株式給付信託(=Board Benefit Trust 本信託に拠出することができる⾦額の上限は、対象期間に係る事業年度の数に1億円を乗じた⾦額とし、付与されるポイント(株)数の上限は、1事業年度当たり35,000ポイント(株)とします。)」の導入を決定しております。

2.当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

当社の役員区分ごとの報酬等の総額、報酬等の種類別の総額および対象となる役員の員数

(注) 役員の報酬等の種類は、全て基本報酬であります。

3.当社の役員ごとの連結報酬等の総額等(ただし、連結報酬等の総額が1億円以上である者)

当社の役員ごとの連結報酬等の総額等

(注) 提出日現在の役員区分は「代表取締役副会長」です。

2018年度 各社外役員の取締役会および監査役会の主な活動状況、出席状況

リスクマネジメント・BCP

リスクマネジメント方針と体制

大成建設では、2004年に「リスクマネジメント方針」を制定し、経営環境の変化に伴って増大するリスクに対応すべく、全社的に体系化されたリスクマネジメントシステムを確立し、リスクマネジメントを継続的に実施しています。
その運用にあたっては、「リスクマネジメント基本規程」を制定し、品質・技術、法令、コンプライアンス、情報、安全、労働雇用、環境のほか、自然災害などのリスクに対して、事業活動に係るリスクを抽出・選定して各部門の運営計画に反映させており、リスク対策の見直し・実施・評価・改善のPDCAサイクルによるリスク管理に取り組んでいます。
特に、企業経営に重大な影響が生じる可能性のある事件・事故については、CRO(チーフ・リスクマネジメント・オフィサー)事務局に情報を一元化して対応し、リスクマネジメントの最高責任者である社長及び取締役会に報告をしています。これらのリスクは、感染症や安全リスク、贈収賄などのESG(環境・社会・ガバナンス)に関する要素も含まれており、その情報をリスクマネジメント委員会・リスクマネジメント協議会と共有することにより再発防止を図るなど、全社で効果的なリスクマネジメントを行っています。

全社的リスクマネジメント推進体制図

全社的リスクマネジメント体制図

投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項については、有価証券報告書の「事業等のリスク」をご参照ください。

事業継続計画(BCP)への取り組み

大規模な災害や事故等が発生した場合でも、大成建設は、社会経済活動の基盤を支える総合建設会社としての責務を果たすため、2005年に「災害時における事業継続に関する方針」を制定し、社会から信頼される企業となることを目指しています。この方針に基づいて災害時における事業継続計画を制定し、災害対策訓練を年に1回以上実施し、その結果等を踏まえて、都度、事業継続計画を全体的に見直し・改善を図っています。
このような継続的、定期的に事業継続の向上に取り組んできたこれまでの活動が評価され、「BCM格付け認証」等受賞しています。また、(一社)日本建設業連合会との連携訓練を2015年より毎年実施し、支援要請に直ちに対応可能な復旧支援体制を全社で構築しています。

【PICK UP】 BCPに基づく2019年度大規模災害対策訓練を実施

2019年11月に、休日早朝に本社・各支店管内で大規模な地震が発生したことを想定し、事業継続計画(BCP)に基づき、本社、全国の13支店及びグループ会社全26社を含む総勢約18,000名の役職員が参加し「2019年度大規模災害対策訓練」を実施しました。(参加率100%)
今回の訓練では「シナリオブラインド訓練による要員の実践的な対応力・判断力の向上」をテーマとし、発災時刻・交通制限・通信制限・施設の使用可否・社員や現場の被災・得意先からの支援要請等の様々な被災想定を訓練当日に伝え、より現実に近い状況を作り出し、各要員が自ら考えて行動する訓練を実施しました。

BCPに基づく2019年度大規模災害対策訓練を実施 BCPに基づく2019年度大規模災害対策訓練を実施

新型コロナウイルス感染症対策について

コロナウイルス感染症に対する対応方針(感染対策・行動制限・業務継続・渡航制限等)を従業員へ示し、以降、国内外の感染状況・政府方針・当社対応ガイドラインを踏まえ、適宜方針を更新し、現在も対応を継続しております。また、3月には、「新型インフルエンザ等対策特別措置法」改正を受け、新型コロナウイルス感染症を重要なリスクと認識し、新型コロナウイルス感染症対策本部としてCRO事務局にて情報を一元管理することとし、以降、CROが適宜状況報告を受け、対応方針を示すこととしました。更に、4月には、政府からの要請を受け、緊急事態宣言の特定警戒都道府県内のオフィス勤務者については、在宅勤務や交代勤務等を積極的に推進することとしました。