人権

人権の尊重

人権方針と体制

大成建設グループは、グループ行動指針に『基本的人権・多様性の尊重』、人種、宗教、性別、国籍、社会的身分、障がいの有無、性的指向等による差別やセクシュアルハラスメント・パワーハラスメント等の人権侵害行為を行なわないことを明記するとともに、世界人権宣言、ILOの中核的労働基準8条約、OECD多国籍企業行動指針、国連 ビジネスと人権に関する指導原則、ISO26000などの国際労働基準など、国際的に合意されている人権の保護を支持・尊重することを企業活動の前提とし、自らが人権侵害に加担しないことを、私たちが果たすべき責任と捉えています。
当社はこれらを前提に、2015年に人権方針を制定し、国内外を問わず、現地の文化や慣習を尊重し、児童労働や強制労働の排除に努め、雇用や職業における差別を行わないことを宣言しています。 また、2018年4月に「国連グローバル・コンパクト」の支持を表明し国連グローバル・コンパクトが掲げる「人権」「労働」「環境」「腐敗防止」からなる10原則に基づき、責任ある経営を推進し、持続可能な社会実現に向け貢献していきます。
人権推進体制として、1984年から、社員のより高い人格形成の支援、人権意識の高い社員の育成を目的に、本社各本部と全支店の推進委員から構成される大成建設人権啓発推進委員会を設置しています。委員会では、人権課題についての基本方針・施策等を議論の上、活動計画の策定と人権啓発活動の見直しを実施し、方針・計画の検討・承認を受けて、PDCA(Plan-Do-Check-Action)サイクルによる継続的な改善活動を推進しています。

大成建設人権啓発推進委員会 推進体制

大成建設人権啓発推進委員会 推進体制

児童労働、強制労働の防止

2015年10月に「人権方針」を策定し、児童労働や強制労働、雇用・職業における差別を禁止し、団結権および団体交渉権を保障しています。重要なサプライヤー*を対象に、児童労働や強制労働の排除を含めた⼈権や労働者の基本的権利の擁護や腐敗防⽌を示した「CSR調達ガイドライン」を遵守いただくよう要請しています。その遵守状況は「CSR調達アンケート」を通じてモニタリングし、必要な改善・指導を実施しています。加えて、サプライヤーが雇用する外国人技能実習生についても、法令遵守・健康配慮の徹底などを含む実態調査を隔年で実施しています。これまで大成建設グループにおいて、児童労働や強制労働に関する問題は発生していません。

*重要なサプライヤー:当社の基幹協力会社組織(倉友会会員企業)と恒常的に取引が行われている協力会社1,645社(2021年3月現在)

結社の自由を含む労働基本権の尊重

大成建設では、結社の自由や団体交渉など労働者の権利を尊重し、労使の対話を促進することで、さまざまな課題の解決に努めています。グループ行動指針の『グローバルな事業活動の取り組み』において、国際的な法令・ルールはもとより、各国・地域の法令を遵守するとともに文化・慣習等を尊重し、企業活動を通じて地域の発展に貢献することを明記しており、法令に基づいた従業員の労働条件を確保しています。また会社と社員組合が締結している労働協約において、取締役と労働組合との協議を通じて、会社と組合双方が正常な秩序と信義をもって迅速に問題の解決に努めることを明記しています。

苦情処理のメカニズム

大成建設は、国際規範で定義される人権における当社における重点課題を特定し、人権方針に明記しています。また、通報制度も設けており、当社従業員、グループ会社従業員、サプライヤーにおいて、⼈種、宗教、性別、国籍、社会的⾝分、障がいの有無、性的指向等による差別の人権侵害が発生した場合は、社長の諮問に答える特別な委員会として、社外有識者(弁護士)を委員長とするコンプライアンス委員会への報告・討議を得て、社外取締役を委員長としたCSR委員会に報告されます。これらの差別は、2019年度は発生していませんが、今後の発生を未然に防ぐために、役職員全員にアンケート調査を毎年実施し、通報制度の認知状況や差別状況を確認しています。発見された場合には通報制度をもって会社に通報される仕組みを設けています。特に労働者の権利であるハラスメント行為の禁止については、発生を未然に防ぐため、各種コンプライアンスプログラム・通報制度(企業倫理ヘルプライン、グループヘルプライン)や社内の各部門に相談窓口を設け、通報者保護に配慮した上で事実関係を調査し、問題解決に向けて適切に対応しています。通報・相談のあった従業員の個人情報および内容は、機密情報として取り扱われ、人事部の専門窓口によるヒアリングの上、対策を立案し、問題の解決を図っています。匿名相談も受け付けており、全ての相談者に不利益がないよう社内規定に沿って十分注意して事実関係を調査し、解決にあたっています。相談窓口へのハラスメント相談件数は近年ほぼ増減なく推移しています。

人権侵害に関する通報窓口

<窓口> <対象>
人事相談窓口
(人事制度・職場環境・ハラスメント等)
当社従業員
EAP相談窓口
(従業員・家族の心の健康等)
社外窓口も有
当社従業員・家族
人材いきいき推進室窓口
(ダイバーシティ支援活動、育児介護等)
当社従業員
本部・支店「ハラスメント相談窓口」
(セクハラ・パワハラ等)
当社従業員
企業倫理ヘルプライン、グループヘルプライン
(人権侵害・コンプライアンス違反等)
当社従業員・グループ会社・サプライヤー

人権啓発活動

大成建設グループは、グループ⾏動指針に『基本的⼈権・多様性の尊重』を掲げ、人権課題に関する研修、人権に関する通報・相談窓口の設置および運営等、グループ一体となった人権意識の向上等に取り組んでいます。具体的には、全役職員に集合研修やeラーニングによる人権教育等を定期的に実施しています。社員の階層別・部門別教育基本体系に人権研修を組み込み、国際的な人権問題や、同和問題をはじめ、障がい者、LGBT、ハラスメントなど様々なテーマで集合研修やeラーニングを実施するほか、グループ会社を対象に講演会を開催しています。また、社内の各部門に設けた人権侵害の相談窓口となっている社員を対象に人権方針にのっとった研修を実施しています。更に、社内報「たいせい」での人権に関する記事の連載や、人権標語・エッセーの募集を実施するなど、人権啓発活動を実施しています。

【PICK UP】
「ハッピー・コミュニケーション ガイドブック」~共生社会実現のために~

ハッピー・コミュニケーション ガイドブック

2001年4月号から大成建設の社内報「たいせい」で連載している、人権啓発企画コーナー“Human Rights”をまとめた『ハッピー・コミュニケーション ガイドブック~共生社会実現のために』を2020年7月に発行しました。
ガイドブックは、連載記事の中から、障がいに関する社会状況や制度、また様々な障がいやそれに合ったコミュニケーション方法、サポートの際に気を付けたい点等を抜粋し再構成したもので、役職員の人権意識の向上を図り、誰もが自由に社会参加できる共生社会を目指して、気づきや行動のきっかけとすることを目的に、全役職員に配付しました。

人権に関する外部イニシアチブへの参画

大成建設は、人権や労働問題に対する役職員の意識向上を目指し、ISO26000を重視し各部署に活動状況を確認し報告基準に沿った情報開示に努めているほか、「グローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)」や「東京人権啓発企業連絡会」「大阪同和・人権問題企業連絡会」「京都人権啓発企業連絡会」にも参加し国内外の人権に関する潮流を学習するとともに、ディベロッパーとゼネコンが業界の枠を超えて参集した「建設・不動産『人権デュー・デリジェンス勉強会』」に参加しています。なお本勉強会は、当社のほか7社が参加しており、ディベロッパーの呼びかけにより2018年9月に発足されたもので、サプライチェーン上での取引関係における型枠材や木材調達などの環境保護の観点からの人権侵害の防止するため、有識者やNGOなども交えて国際的な人権基準や企業に期待されている人権の取り組みなどの情報交換を行い、各種人権方針の浸透活動に役立てています。

ダイバーシティ&インクルージョン

ダイバーシティ&インクルージョン(多様性の包摂・受容)の推進

グループ行動指針に「基本的人権・多様性の確保」を明記し、理念体系の大成スピリットに「多様性の尊重」を掲げ、ダイバーシティ&インクルージョンを実現する風土・文化の醸成に力を注いでいます。また「中期経営計画(2018-2020)」経営課題にも明示するとともに、宗教、性別、年齢、国籍、障がいの有無、価値観、働き方、キャリアなどの多様性を生かし、能力を最大限発揮できる職場環境の整備に力をいれ、多様な人材が活躍できる働き方を推進しています。

属性の多様性

  • 女性社員 :基幹職としての積極的採用・職域の拡大・キャリア開発研修の実施
  • 外国籍社員:相談窓口の設置・受入れ部署向けのハンドブック作成
  • シニア人材:やりがいを持って働ける再雇用制度の整備
  • LGBT :全役職員を対象としたeラーニングによる意識啓発・誰もが利用しやすいトイレサインの設置

女性活躍推進

大成建設は、ダイバーシティ推進への取り組みを一層強化するべく、女性活躍推進に向け「女性の役員・管理職登用に関する自主行動計画」(日本経済団体連合会)、「女性活躍推進に関する行動計画」(女性活躍推進法)を策定し、風土改善、人材育成、登用機会の拡大、採用と育成、働きやすい職場環境等の取り組みを進めています。その一策として実施している、「女性リーダー研修」の受講者は188名、上司を対象とした「ダイバーシティマネジメント研修」の受講者は531名となりました(2020年3月末現在)。
ジョブリターン(配偶者の転勤等によるやむを得ない理由により自己都合退職した従業員を、本人の希望で再雇用する制度)やフレックス、テレワークなどの制度を活用し、社員が生活にあった働き方を柔軟に選べるよう支援しています。また、2020年7月には「輝く女性活躍を加速する男性リーダーの会」行動宣言にも賛同しました。今後も女性活躍推進に力を注いでいきます。

(単体)

KPIs(重要業績評価指数)

女性管理職者数
女性技術者数
2019年度目標
180
690
2019年度実績
197
698
2020年度目標
230
740
推進責任部署
人事部

外国籍社員活躍支援

大成建設では、2020年3月現在で、約113名の外国籍社員が在籍しています。外国籍社員向けの日本文化や制度についての研修のほか、外国籍社員の上司に関しても、価値観や文化を理解し具体的なコミュニケーション方法を学ぶ研修を実施し、ノウハウをまとめたガイドブックを配布することで、双方の理解を深めています。

シニア人材・育児介護等離職者・障がい者の雇用

大成建設は、豊富な知識と経験、知識を持つシニア人材が、そのノウハウを次世代に伝承し「生涯現役」で活躍できるよう再雇用制度の充実を図っており、2020年3月末現在で800名の再雇用社員が活躍しています。また、定年後のプランづくりとその準備等の個別テーマによる情報提供等も実施しています。
更に、配偶者の転勤や、育児や介護などのやむを得ない事情で退職した人材が再び職場に復帰できるよう、ジョブリターン制度による再雇用制度を2008年度に拡充し、これまで29名を再雇用しています。障がいを持つ社員は約140名が各部門に分かれて勤務(障がい者雇用率2.3%※)しています。
障がいのある方にとって働きやすい職場環境づくりに注力し、手話通訳・UDトーク(スマートデバイスを用いて音声を文字に変換することのできる聴覚障がい者のためのアプリケーションソフト)の活用や、相談窓口の設置のほか、臨床心理士と人事担当者が連携して聴覚・精神障がいのある社員本人や上司へのヒアリングを行う等、様々な配慮を実践しています。なお、現在のところ新規の障がい者雇用の募集は行っておりません。

※雇用率は2020年4月1日現在値