公正な事業慣行

コンプライアンス・公正な競争

コンプライアンス方針と体制

大成建設は、組織としての行動の基本原則、及び大成建設グループの役職員が積極的に実践すべきまたは遵守すべき行動・判断の基準として「グループ行動指針」を制定するとともに、役職員等のコンプライアンス違反等の重要情報をいち早く経営層に通報できる制度を設置し、コンプライアンスの徹底を図っています。
当社においては、下図の通り、部門毎に責任者・推進者・実施者を配置し、社内のコンプライアンス推進体制を整備するとともに、社長の諮問に答える特別な委員会として、社外有識者(弁護士)を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、コンプライアンス推進に関する意見交換を適宜行い、委員会からの提言を取り入れることによってコンプライアンスの徹底を図っています。

コンプライアンス推進体制図

コンプライアンス推進体制

  • *1 CP: コンプライアンス
  • *2 コンプライアンス委員会の事務局機能を担うとともに、役職員などのコンプライアンス意識の浸透・定着を推進
  • *3 すべての職位部長をコンプライアンス実施者に任命し、職位部長が自らの担当部署に所属するすべての役職員などに対してコンプライアンスに関する啓発、教育などを実施

コンプライアンス教育・研修

大成建設では、コンプライアンス意識を高める為、全役職員を対象に毎年コンプライアンス研修を実施しています。また、グループ全体のコンプライアンス強化を図る目的として、国内グループ会社との法務業務に関わる課題について情報共有・意見交換を目的とした法務担当者会議や、コンプライアンス推進に関する状況確認・意見交換を目的としたグループ・コンプライアンスヒアリングを定期的に実施しています。その他、協力会社(専門工事業者)を対象にコンプライアンス研修を毎年実施するなど、教育・研修を計画的に実施し、サプライチェーン全体でのコンプライアンスの徹底を図っています。

コンプライアンス意識を高めるための教育・研修

対象組織 実施内容
役職員
  • 「コンプライアンス通信」の発行(月1回)
  • eラーニングの実施(年2回)
  • 集合研修の実施(適宜)
グループ会社
  • 法務担当者会議の実施(年1回/国内)
  • コンプライアンスヒアリングの実施(年1回/国内)
協力会社(専門工事業者等)
  • 専門工事業者を対象としたコンプライアンス研修の実施(年1回)
  • 倉友会*の新入社員を対象としたコンプライアンス研修の実施(年2回)
  • *倉友会:大成建設の基幹協力会社組織

コンプライアンス風土の醸成

コンプライアンス意識を全役職員に浸透させ、企業風土として定着させていくためにコンプライアンスに関する身近な話題を題材とした「コンプライアンス通信」を2006年度より、継続的に発行しています。
コンプライアンス通信のバックナンバーは社内のイントラネットに掲載されており役職員の日々のリスク管理や教育などに活用されているほか、グループ会社の役職員を対象にした教育資料としても活用しています。
また、大成建設グループにおけるコンプライアンスに関する現状と課題の把握、更なるコンプライアンスの推進を図ることを目的として全役職員に対して「コンプライアンス・アンケート」を実施しています。アンケート結果については、分析及び対策案を検討し、経営層に報告した上で、「コンプライアンス通信」を通じて全役職員に開示するとともに、関係部署と連携して必要な対策を講じることにより、更なるコンプライアンスの推進に向けて取り組んでいます。

コンプライアンス違反時対応

重大なコンプライアンス違反事例が発生した場合には、正確な事実関係の把握に努めたうえで、再発防止策の徹底を図り、必要に応じて社内へ水平展開を図っています。また、行為者に対しては、解雇を含む必要な懲戒処分を科しています

通報・相談制度の運用

大成建設グループでは、公益通報者保護法に基づき、役職員等による違法行為やグループ行動指針に違反する行為(または違反しようとしている行為)について社内及び社外の関係者(当社と直接の契約関係がある協力会社等)が通報・相談できる制度を整備し、社内及び外部機関(弁護士事務所)に通報・相談窓口を設置しています。なお、上記以外の社外のステークホルダーの皆様からのご相談は、当社ホームページのお問い合わせ窓口を通じて受け付けています。
通報対応に際しては、通報者情報の秘密保持を徹底し、通報を理由とした不利益な取り扱いを禁止しています。
また、幅広く違反行為の端緒を掴むために、匿名による通報も受け付けています。 受け付けた通報については、事実確認のための調査を実施し、必要に応じて是正措置をとるなど適切に対応しています。

●2019年度の通報制度・運用実績:24件

ヘルプライン制度に基づく内部通報の流れ

ヘルプライン制度に基づく内部通報の流れ

(連結)

KPIs(重要業績評価指数)

2019年度目標 2019年度実績 2020年度目標 推進責任部署
企業倫理ヘルプライン、
グループヘルプライン対応率
100 100 100 総務部

法令等遵守検証・指導

大成建設では、入札業務の適正性の確保のために、入札業務の過程に不適切な行為がないことを支店長が確認し、その記録を作成・保存する社内制度を運用しています。また、毎年法務部が入札業務の適正性及び建設業法や独占禁止法・下請法の遵守状況の検証を行い、その結果を内部監査部門に報告しています。

下請契約の適正化・反社会的勢力排除の取り組み

大成建設では、グループ行動指針に「取引業者とのパートナーシップの推進」を掲げ、取引先と公正で信頼し合える関係を築き、対等な立場で取引を行うことを定めています。
2020年8月には、サプライチェーン全体の共存共栄と規模・系列等を超えた新たな連携や、下請中小企業振興法に基づく「振興基準」を遵守することを盛り込んだ「パートナーシップ構築宣言」を作成・公表しました。
また、「反社会的勢力・団体への対処」も掲げ、反社会的勢力に対しては毅然とした態度で対応し、不当要求には応じない旨を定めています。反社会的勢力排除のために、専門工事請負契約基本約定書などの約定書において、契約先が反社会的勢力ではないことや反社会的勢力と取り引きしないことを定め、万一、それに違反した場合には無催告で契約を解除できる条項を導入しています。

腐敗防止方針

大成建設では、グループ行動指針の「社会的責任の遂行」において、「公正な取引の確保」と「政治および行政との健全な関係の維持」を掲げ、法令及び各種社内規程に則り、贈収賄や誤解をうけるような行為を行わないことを徹底しています。役職員等による違法行為やグループ行動指針に違反する行為(または違反しようとしている行為)について社内及び社外の関係者(当社と直接の契約関係がある協力会社等)が通報・相談できる制度を整備し、通報者情報の秘密保持を徹底し、匿名による通報対応を実施しています。
あわせて、2018年に国連グローバル・コンパクトに署名し、その10原則の一つである「企業は、強要と贈収賄を含むあらゆる形態の腐敗の防止に取り組むべきである」に基づき、 全役職員を対象として外国公務員に対する贈賄防止の啓発活動を実施するほか、全役職員が閲覧できるイントラネットに、腐敗防止を題材とした「コンプライアンス通信」を掲載し、腐敗防止の徹底を図っています。2019年度、腐敗行為及び贈収賄に起因する解雇はありません。

政治寄付

大成建設では、社会貢献の一環として必要に応じて政治寄付を行うことがあります。政治寄付を行う場合は、政治資金規正法の遵守を徹底し、社内規程「政治家との係わりおよび経費の支出に関する行動基準」に基づいた手続きを経ることで厳正な審査を実施しています。2019年度の政治寄付額は18百万円となりました。

独占禁止法遵守のための具体的な取り組み

リニア中央新幹線建設工事に関して独占禁止法違反の嫌疑を受けたことを真摯に受け止め、社外弁護士を委員長とするコンプライアンス委員会における審議及び取締役会での決議を経て、下記施策を実施しており、2019年度も下記施策を継続的に運用・実施しています。

  1. 1. 同業他社との接触に関する社内規程を改正しルールを厳格化(2018年9月)
  2. 2. 入札業務適正確認手続きの強化(2018年9月)
  3. 3. 独占禁止法遵守のための再教育の実施
  4. 4. 全役職員を対象としたeラーニングの実施(2018年9月、2019年6月)
  5. 5. 営業部門及び受注関連業務を行う技術部門の役職員を対象とした社外弁護士による研修実施(2018年10・11月、2020年2・3月)

税務コンプライアンス

大成建設は、税務に関する法令等を遵守し、社会的責任を遂行していく指針として、2020年8月に「税務方針」を制定しました。

税務方針

大成建設は、グループ行動指針において、法令等の遵守とともに、社会的良識をもって行動することによる社会的責任の遂行を掲げております。
この行動指針の下、税務に関する法令等を遵守し、社会的責任を遂行していく指針として、以下のとおり税務方針を定めます。

  1. 1.法令等の遵守
    グループ行動指針に基づき、事業活動を行う国内外の各国・地域における税務に関する法令等を遵守します。
  2. 2.納税義務の適正な履行  
    税務に関する法令等に則り、納税義務の適正な履行に努めます。
  3. 3.税務コンプライアンス意識の向上
    適切な税務処理に関する啓発を通じて、税務コンプライアンス意識の向上を図ります。
  4. 4.税務当局との関係
    税務当局に対し、誠実かつ適切に対応することで信頼関係の維持に努めます。

理念と価値観の共有のために

2010年に再構築した「理念体系」の携帯用カードを作成し、理念体系の浸透・定着を図っています。また、2011年度以降、理念体系に関するeラーニングを毎年度実施し、社会的要請や社内での取り組みと関連付けながら、理念体系の一層の浸透・定着を図っています。
2019年度はグループ理念をテーマに社員にeラーニングを実施し、受講率は94%となりました。

CSR調達の推進

CSR調達の方針と体制

大成建設は、グループ行動指針に「取引業者とのパートナーシップの推進」、「公正な取引の確保」を掲げるとともに、社会的責任に関する国際規格ISO26000を参考に「調達方針」を制定しています。また、当社と取引先が協働して実施する事項を「CSR調達ガイドライン」としてまとめ、サプライチェーン全体で企業の社会的責任を果たすCSR調達を推進しています。当社の全役職員、支店長、調達責任者、作業所長、海外作業所など階層別・部門別の研修や説明会を開催するほか、取引先を対象にした、支店長による説明会やeラーニング、訪問調査やアンケート調査など様々な方法でCSR調達の意識向上を図っています。それらの活動計画、実施結果、今後の展開については、関連する部門(土木・建築・調達・安全)の責任者から構成される「CSR調達協議会」で審議されています。

CSR調達推進体制図

調達方針(抜粋)

大成建設は、「人がいきいきとする環境を創造する」というグループ理念のもと、自然との調和の中で、安全・安心で魅力ある空間と豊かな価値を生み出すために、調達に際しては以下の方針に基づいて企業活動を行います。

  • 1. 法令・社会規範の遵守
  • 2. 公平・公正な取引
  • 3. 人権の尊重
  • 4. 安全・衛生の推進
  • 5. 環境保全への取り組み
  • 6. 安全性・品質の確保と向上
  • 7. 情報開示
  • 8. 情報セキュリティの徹底
  • 9. 社会貢献活動への取り組み
  • 10. 災害時における事業活動の継続
  • 11. CSR(企業の社会的責任)調達の推進

CSR調達ガイドライン

取引先(サプライヤー*)に遵守してもらう内容を「CSR調達ガイドライン」(2014年策定)として周知し、ガイドラインに沿ったCSR活動を要請しています。昨今の人権・環境に関する社会からの関心の高まりを受け、2020年度に改定し人権や労働者の基本的権利の擁護や腐敗防⽌を明確化しました。なお、CSR調達ガイドラインは、ISO26000やUNGCのCSR調達セルフアセスメントを参照しています。

*1 サプライヤ―の範囲
  • 主要国内グループ会社(大成ロテック(株)、大成有楽不動産(株)、大成ユーレック(株)、大成設備(株)、大成建設ハウジング(株)、成和リニューアルワークス(株))
  • 倉友会:基幹協力会社組織(約700社)
  • 大成建設(株)安全衛生環境協力会:当社の作業所に入場するすべての企業が入会(約7,000社)
CSR調達ガイドライン

1.法令・社会規範の遵守

法令・社会規範を遵守する。

  • 事業活動を行う国・地域で適用される関連法規・基準ならびに社会規範を遵守する。
  • コンプライアンスを徹底するための方針、行動規範・教育などの仕組みを整備し、コンプライアンス体制を構築する。
  • 社会秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力に対しては毅然とした態度で臨み、警察などの機関と連携して絶縁を徹底し、不当な要求には応じない。
  • 内部通報制度を整備する。また公益通報者保護法を遵守し、通報者の権利を保護する。
  • 自社の知的財産権が他者に侵害されないよう保護し、また、他者の知的財産権を侵害しない。
  • 政治家、公務員とは、透明性の高い関係を維持するように心掛け、贈収賄等刑罰法規に違反する行為や誤解を受ける行為は行わない。

2.公平・公正な取引

対等なパートナーとして、公正・公平な取引を推進し、お取引先の選定は、価格・納期の確実性・技術力・経営状況等を総合的に評価して行う。

  • 品質の確保、納期の確実性、環境負荷低減等を勘案し、適正な基準に基づいた公正な取引を行う。
  • 不当な利益や優遇措置を求めず、お取引先との相互信頼関係に基づく、対等で公正な取引の実現に努める。

3.人権の尊重

従業員の基本的人権を尊重し、適切な労働条件の確保に努める。

  • 従業員の人格を尊重し、性別・年齢・人種・宗教・国籍・障がいの有無・性的志向等の多様性を認めるとともに、差別やハラスメントを防止して、働きやすい環境づくりに配慮する。
  • 現地の労働法令を順守した適切な賃金や労働時間・休日・休暇の管理に努めるとともに、従業員の賃金・労働環境改善を求める権利(結社の自由団結権、団体交渉権)を認める。
  • 国内外を問わず、現地の文化や慣習を尊重し、児童労働や強制労働の排除に努め、雇用や職業における差別を行わない。

4.安全・衛生の推進

安全で衛生的な職場環境を維持し、労働災害の防止に努める。

  • 全ての労働者が安心して働けるよう、職務上の安全・衛生を確保した快適な職場環境づくりを行う。
  • 適切な安全管理体制を構築し、災害防止活動をおこない、労働災害の未然防止に努める。
  • 地域の人々や地域社会に対する安全・衛生の確保を徹底する行動を行う。

5.環境保全への取組み

自然環境を保護し、環境への負荷低減・汚染防止を図る。

  • 省燃費運転などの省エネ活動を通じて地球温暖化防止(CO2排出量削減)に努める。
  • 資源の有効利用のため、3R(リデュ-ス・リユース・リサイクル)を推進する。
  • 環境への負荷の少ない資機材の調達、及び工法の適用を推進する。
  • 生物多様性に配慮し、自然環境の保全に取り組む。
  • 建設廃棄物、石綿、工事排水、汚染土壌、有害・化学物質等の適正管理と関連法令の遵守により環境事故を防止に努める
  • 大成建設の環境負荷低減活動「TAISEI Sustainable Action」に参加する。

6.安全性・品質の確保と向上

建設生産物やサービスの安全性・品質を確保し、それらの更なる向上に努める。

  • 適正な規格・基準に基づく建設や管理などはもとより最適な技術・材料・工法を導入した工事施工・関連サービスを行うことで、要求される品質を確保する。
  • 工事施工・関連サービスの安全性・品質を確保するための体制を整備し、各業務プロセスにおける品質管理を徹底する。
  • 技術・建設サービスの質の向上に向け、自主的・継続的な技術力の向上、新技術・新資材の開発を行う。

7.情報開示

ステークホルダーに対して、適時・適切に情報提供・開示を行う。

  • 経営内容、事業活動等の適正な企業情報を適切な時期に開示することに努めるとともに、幅広いステークホルダーとのコミュニケーションの促進に努める。

8.情報セキュリティの徹底

機密情報・個人情報・顧客情報を適切に管理・保護する。

  • 機密情報、個人情報および顧客情報について、情報管理を徹底し、不正・不当な利用と開示および漏洩を確実に防止する。
  • 適切かつ有効な情報管理を実施するための体制や管理規定を整備し、適宜見直す。

9.社会貢献活動への取り組み

自社の経営資源を活用した社会貢献活動を推進する。

  • より良い社会の実現に向けて、社会・教育・文化支援活動や、地域社会との交流、美化活動、ボランティア活動などに積極的に参画する。

10.災害時における事業活動の継続

大規模災害・事故が発生した場合でも、国・地方自治体・企業等の事業継続に貢献できるよう、体制整備に努める。

  • BCP(事業継続計画)の構築に積極的に取り組む。
  • 国、地方自治体および企業等の建設生産物の応急措置や復旧活動を通じて、国、地方自治体・企業等の事業継続に協力する。

11.CSR(企業の社会的責任)調達の推進

「調達方針」「CSR調達ガイドライン」についてお取引先の理解と協力を求め、お取引先と共にCSR調達活動を推進する。

  • 直接または間接的な取引関係のあるお取引先に、「調達方針」「CSR調達ガイドライン」に対する理解と協力を求め、CSR調達に対する社会的要請に応える。

【注】 上記 ・印の項目は、サプライチェーンに対するCSR調達アンケート項目として運用するもので、社会情勢に柔軟に対応することを前提としている。

取引先に対するCSR活動調査の実施

調達ガイドラインの遵守状況について、CSR調達アンケートを隔年で実施しています。
2016年から取引先のCSR活動の取り組みを確認するためのアンケート調査を実施しました。調査に当たっては、対象範囲を従来の倉友会(基幹協力会社組織)中心の約500社から、恒常的に取引が継続している取引先約1,700社まで拡大し、より広範囲の取引先に対する啓発を行っています。調査結果を踏まえて約20社を訪問し、事業主などと意見交換を行いながら、CSR活動のレベルアップと各社の取引先への啓発・指導を要請するなど、 サプライチェーン全体での取り組み強化を推進しています。

CSR調達アンケート調査概要(2020年9月)

対象企業 重要なサプライヤー*1,645社
(2019年に締結した請書金額ベースでの調査企業比率68.5%)
調査目的
調査項目
「CSR調達ガイドライン」に定める下記項目
自社の取り組み状況・推進度を5段階評価でセルフチェック
①法令遵守 ②公平公正な取引 ③人権尊重 ④安全衛生 ⑤環境保全 ⑥品質の確保と向上 ⑦情報開示 ⑧情報セキュリティ ⑨社会貢献活動 ⑩BCP(災害時における事業活動) ⑪CSR調達の推進
平均点 3.75(5点満点)
フィードバック 集計結果を公開HPに開示するとともに、延べ12社(2020年12月時点)を訪問し、 取り組み状況の確認と今後の改善に向けた意見交換を実施しました(新型コロナ感染拡大により2021年1月以降の訪問は延期)

*重要なサプライヤー:当社の基幹協力会社組織(倉友会)と恒常的に取引が行われている協力会社。

CSR調達eラーニング

2021年1月に、大成建設グループの取引先の従業員がスマートフォンでも受講可能なeラーニングを実施しました。当社のCSR調達に関する取り組みについて紹介し、今後の協力を要請しました。また、2020年10月に、調達本部を含む全従業員に、調達方針に関するeラーニングを実施しました。今後も引き続き実施予定です。

CSR調達eラーニング概要(2021年1月実施)

対象企業 すべての取引先
内容 CSRとは何か、CSR調達とは何か、CSR調達がなぜ必要なのか等
受講者・企業数 延べ100社 153名
その他 併せて実施したアンケートでは、自社(取引先)に不足している取り組みとして「社会貢献活動」
「大規模災害の対応」という回答が多数

人権デューデリジェンスの取り組み

大成建設では、取引先が雇用する外国人技能実習生について、受け入れ基準を定め、作業所での円滑な受け入れを図るとともに、よりレベルの高い技能実習生が就労できるように、現地の送り出し機関や提携する監理団体を調査し、取引先に情報を提供する活動を行っています。
2017年度、2018年度、2020年度に、外国人技能実習生に関する人権デューデリジェンスの一環としてアンケート調査を実施しており、継続的に、潜在的または実際の人権リスクを評価・特定し、その防止または軽減するための措置として、人権デュー・ディリジェンスの仕組みを構築しています。また事業プロセスにおいて、人権に対するネガティブインパクトを直接的に引き起こすこと、またはこれに加担したことが明確である場合、社内外のしかるべき手続きを踏まえ、その救済に取り組んでいます。
また、近年建設業界における外国人技能実習生が多数訪日している一方で、外国人労働者をめぐるさまざまな不正行為が報じられています。このような状況から、外国人実習生を雇用している企業の発注者が現状を把握することが重要なっており、2018年度より実態調査を実施しています。2020年度は、CSR活動アンケートで技能実習生の雇用状況を調査しました。外国人実習生を雇用している企業219社から回答があり、評価のフィードバックを実施しました。6社訪問し直接ヒアリングフォローアップを実施した結果、大きな人権リスクは認められませんでした。当社は、外国人労働者の方々が適正な労働条件(業務内容、勤務地、勤務時間、賃金等)で従事できるよう、社会的責任を果たすための方針(調達方針)を掲げ、外国人実習生の実態調査は定期的に実施し、受け入れ企業がより良い受け入れ素地を醸成するよう努めていきます。

外国人技能実習生受入れ状況調査概要(2020年12月)

対象企業 重要なサプライヤー*1,645社
(2019年に締結した請書金額ベースでの調査企業比率68.5%)
(CSR調達調査アンケートと併せて実施)
調査方法 当社への派遣の有無にかかわらず、外国人技能実習生を受け入れている
企業は下記項目についてセルフチェック
①パスポートなど不当に預かっていないこと ②保証金等不適切な金銭の徴収がないこと
③技能実習計画書の作成、および実態との差異がないこと
④適切な賃金の支払いおよび控除 ⑤住環境などの生活環境
⑥社会保険加入状況 ⑦指導員の配置 ⑧健康診断の受診状況
⑨実習上および生活上のトラブル など
回答企業数 219社
フィードバック 集計結果を公開HPに開示するとともに、延べ6社(2020年12月時点)を訪問し、 取り組み状況の確認と今後の改善に向けた意見交換を実施しました(新型コロナ感染拡大により2021年1月以降の訪問は延期)

国連グローバル・コンパクト(GC)、EcoVadis

大成建設グループは、2018年4月にGCに参加して人権、労働、環境、腐敗防止の4分野10原則の普及・実践に努めていくことをコミットするとともに、SDGs(持続可能な開発目標)分科会やヒューマンライツデューデリジェンス(HRDD)などのグローバル・コンパクト・ネットワーク・ジャパン(GCNJ)が主催する各種分科会へ積極的に参加しています。
また、大成建設は、2019年よりEcoVadisへのサプライヤー登録と情報開示を開始しています。2020年度評価において、「SILVER」を獲得しています。

持続可能な資機材に対する対応

建設工事では、木材や石材など多種多様な原材料を使用しますが、原産地が発展途上国にある原材料について、違法採取(伐採)や先住民の圧迫、強制労働や児童労働など、法令違反、環境破壊、人権侵害などに対する社会的関心が高まっています。
そのため、2019年1月に主要な材料納入業者に対し、原材料採取から作業所納入までのサプライチェーンの確認と、サプライチェーン上の海外会社における法令違反、人権侵害等の有無を確認するアンケート調査を実施しました。
下記の調査結果を踏まえ、2019年度はフォローアップ調査として、木材・石材・タイルに関する回答企業取引先、卸売業者・商社を訪問し、当社の調達方針(及びCSR調達ガイドライン)の説明とCSR調達に関する取り組みに対する理解を求めるとともに、ヒアリング企業のトレーサビリティ*の現状や今後の課題についてヒアリングを行いました。
特に、木製型枠・木製家具等の木材を扱うサプライチェーンについては、東南アジアの木材伐採現地における先住民の人権侵害等に関するNGO団体からの指摘を踏まえ、現地の状況や今後の国産材・認証材の活用について協議しています。

* 生産履歴や流通経路を明らか(トレーサブル)にすること

トレーサビリティ調査概要(2019年1月)

対象企業 木材、石材、陶磁器(タイル)、砂・骨材(生コン)、アルミニウム(建具・金物)、鉄(鉄筋・鉄骨)、銅(電線)を扱う主要な材料納入業者43社
調査内容
  • ①原材料の採取から作業所納入までのサプライチェーンにおける商社・メーカー・問屋等の企業名と所在地確認
  • ②サプライチェーン上の海外企業における法令違反の有無、強制労働・児童労働・長時間労働・差別等の有無、従業員の安全衛生の配慮、適切な賃金支払い、先住民の権利侵害について確認
調査結果
  • ①43社中32社(木材、石材、砂・骨材、鉄)は、原材料採取会社までのサプライチェーンが特定されました。
  • ②サプライチェーン上の海外会社における法令違反等の不適切な事案はありませんでした。

CSR調達説明会の実施

海外での啓発活動
台湾(2015年)、シンガポール(2017年)、ベトナム(2018年)に引き続き、4回目となる海外版「CSR調達説明会」を2019年11月に、ミャンマーの「ヤンゴン新専門病院建設工事作業所」で開催しました。
現地取引先4社10名が参加し、「調達方針」や「CSR調達ガイドライン」の説明とアンケート調査、意見交換を行いました。また、当日は当社の作業所社員向けにも説明会を実施しました。

支店長による取引先に対するCSR調達説明の実施
国内全12支店の各支店長が安全徹底大会(2019年1月開催)等の場を活用し、取引先に対して自らCSR調達の重要性を説明し、今後の各社の取り組み推進について協力を要請しました。

知的財産の保全と管理・活用

知的財産に関する方針と知的財産戦略

大成建設は、「知的財産に関する方針」を制定し、知的財産戦略を着実に実践しています。知的財産を重視した経営を推進し、特許権のほか、著作権や施工・業務上のノウハウなど知的財産全般について、戦略的な管理・活用を実行し、管理については、特許を管理するデータベースの整備や、保有特許検索システムを構築し、業務効率の向上を図っています。
また、企業経営に重大な影響を与える権利の侵害や被侵害、技術流出等の知的財産リスクを、予防、軽減するために、あらゆるビジネスプロセスにおいてリスクマネジメントを徹底しており、「知的財産情報取扱規程」を制定し機密管理を徹底するとともに、技術部門や事業部門に対し、他社の特許情報を周知するなど、第三者の知的財産権を侵害するリスクの低減対策をとっています
更に、知的財産に関する制度設備や情報交換等をグループ全体で実施し、グループ全体としての知的財産力の向上を図るほか、競争力の強化と企業価値の向上を目的に、社員に当方針を周知徹底し、知的財産を戦略的に活用するための研修を実施しています。2019年度は、大成建設の本社技術部門、支店現業部門に向けた知的財産講座や全役職員を対象としてeラーニングを行い、出願権利活用、侵害に係る一連の啓発活動を実施しました。

情報セキュリティ対策

情報の適正な管理と情報漏えい防止対策

建設業は、施工にあたり発注者や協力会社(専門工事業者等)など多くのステークホルダーとの情報共有が必然であることから、大成建設グループでは、グループ行動指針に『情報・知的財産権の管理』を掲げ、情報セキュリティに関する様々な施策を実施しており、「個人情報の保護に関する方針」や「ソーシャルメディアの利用に関する行動基準」を制定しています。
大成建設では、最低限守るべきルールを冊⼦にまとめ、すべての役職員、及び協力会社に対する教育・指導を実施しており、2016年度からは海外の営業所や作業所の情報セキュリティ環境の強化を推進するほか、2019年度からはテレワーク(ICTを活用した在宅勤務)に伴う情報漏洩リスク対策の強化に努めています。
また、企業経営に重大な影響を与える権利の侵害や被侵害、技術流出等の知的財産リスクを、予防、軽減するために、あらゆるビジネスプロセスにおいて、リスクマネジメントを徹底しています。
深刻化しているサイバー攻撃のリスク対応については、社内に「Taisei-SIRT(Security Incident Response Team)」を構築し、2013年3月に加盟した日本シーサート協議を通して外部機関と連携し、サイバー攻撃に関する最新情報を収集し、サイバー攻撃を未然に防ぐための予防対策に努めています。2019年度は、情報セキュリティ教育を5回実施し、重大なセキュリティ事故件数は0件でした。

情報管理規程体系の全体像

情報管理規程体系の全体像