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落下物に対する防護構台の耐衝撃性確認試験

竹崎 真一*1・欄木 龍大*2・成原 弘之*1・福本 陽介*3・鈴木 達也*4・田中 誠司*4

Impact Resistance of Equipment for Protecting Construction Areas from Falling Steel Frames

Shin-ichi TAKEZAKI*1, Ryota Maseki*2, Hiroyuki Narihara*1, Yosuke FUKUMOTO*3, Tatsuya SUZUKI*4 and Seiji TANAKA*4

研究の目的

鉄道の線路上空に建物を建設する場合,その作業は列車の運行が終了した深夜の僅かな時間に限られており,建物が完成するまでに長い年月がかかっていました。この問題点を解決するため,線路上空に防護対策を施した人工地盤(二重構造の床)を設置して,鉄骨建方などの工事を昼間に行うことで工期の短縮が図れます。この人工地盤上に吊り荷が落下した場合においても,線路やホームの安全性が確保できることを確認するため,実大試験体を用いた鉄骨落下衝撃試験を実施しました。

技術の説明

本設の構造躯体となる床の上に,仮設の束柱と根太により床上に隙間を確保して覆工板を敷き込むことで,本設の床と仮設覆工板による二重構造の床を構築して防護構台を形成します。この防護構台により,吊り荷等の落下物に対しても,その下部空間の安全性を確保します。

主な結論

防護対策を施した人工地盤(二重構造の床)上への鉄骨落下衝撃試験を実施した結果,鉄骨落下時の衝撃力は上部の床(仮設の根太や覆工板)の塑性変形により吸収されるため,その損傷が下部の床にまで達することはなく,床下部空間における軌道上の安全性が確保できることが確認できました。

*1 技術センター 建築技術研究所 建築構工法研究室
*2 技術センター 建築技術研究所 防災研究室
*3 設計本部 構造グループ
*4 千葉支店 建築工事作業所