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ハーモニカ工法の開発

大断面分割シールド工法

新宅 建夫*1・足立 英明*1・高倉 克彦*1・森田 泰司*1

The Harmonica Tunneling Method

Method of Constructing a Large Section Tunnel by Integrated Small Shield Tunnels

Tatsuo SHINTAKU*1, Hideaki ADACHI*1, Katsuhiko TAKAKURA*1 and Yasushi MORITA*1

研究の目的

都市部には「開かずの踏み切り」や「主要幹線道路との交差点」などの交通渋滞発生箇所があり近年こうした交通渋滞を解消するために立体交差事業が進められています。これらの場所にアンダーパス方式の立体交差を構築する場合には,地上部に施工ヤードを設置し開削工法にて躯体の構築を行います。しかし,広い施工ヤードを必要とするために新たな交通渋滞の発生や施工期間の長期化などによる周辺環境に与える影響等が問題となっています。そこで,これらの問題を解決し,短期間でアンダーパスを構築するハーモニカ工法を開発いたしました。

技術の説明

ハーモニカ工法は,小断面のトンネルを積み上げて大断面のトンネルを構築する非開削工法です。また,小型密閉型掘削機のため低土被りを実現し,地下水位以深でも施工可能な技術です。具体的施工手順を上記ハーモニカ工法施工手順に示します。

主な結論

ハーモニカ工法は,都市部におけるアンダーパスやトンネルを,技術的に厳しい環境下において,短期間で,安全かつ低コストで構築するための技術です。
特長
 ①100mを超える距離の掘削が可能であり,かつ曲線施工が可能である。
 ②掘削時のトンネル単体が小断面のため,低土被りでの施工が可能である。
 ③トンネルの掘進が完了した段階で,大断面の掘削作業が完了する。
 ④小型の掘削機を使用するので,全断面のシールドマシンに比べ安価である。
今後更なる改良によりよりよい品質を提供します。また,長距離・大深度・大断面への対応に向けて開発中です。

*1 技術センター 土木技術開発部 地下空間開発室