中間層支持杭の鉛直支持力特性に関する研究

支持層の厚さと相対密度の影響に着目した遠心模型実験とシミュレーション解析

堀井 良浩^＊１・渡邊 徹^＊１・長尾 俊昌^＊１

Bearing Behavior of Vertically Loaded Piles on Thin Bearing Layers

Centrifuge Model Tests and Simulation Analyses of Piles on Bearing Layers of Various Thicknesses and Relative Densities

Yoshihiro HORII^*1, Toru WATANABE^*1 and Toshiaki NAGAO^*1

研究の目的

軟弱地盤上に建つ建築物の基礎構造を合理化するために，杭の先端をＮ値が大きくかつやや薄い砂層等（中間層）に支持させることがあります。このためには，基礎構造の沈下が許容値以下となるように設計することが大切です。本研究ではこのような杭の先端の鉛直支持力特性を明らかにし，その沈下挙動を評価することを目的としています。

技術の説明

杭の先端の鉛直支持力特性は，杭下端以深の支持層の厚さと相対密度に影響されます。杭の先端の荷重～沈下量関係を，建築基礎構造設計指針に示される場所打ち杭の設計推奨式と，２層地盤の支持力式などから推定する手法を提案しました。また，この関係をＦＥＭ解析に組み込むことにより，中間層支持杭の沈下挙動の評価が可能であることを，遠心模型実験により実証しました。

主な結論

中間層支持杭の先端の荷重～沈下量関係を，杭下端以深の支持層の厚さなどから推定して，これをＦＥＭ解析に組み込むことにより，その沈下挙動の評価が可能です。この技術は，既に大阪市内の超高層建築物に適用されており，今後も各種建築物の基礎構造の合理化への貢献が期待されます。