帯状の鋼材で補強されたT型RCはりの正負交番載荷実験と数値解析

村田 裕志^＊１・福浦 尚之^＊１

Cyclic Loading Tests and Numerical Analyses of T-shaped RC Beams Reinforced with Steel Belts

Hiroshi MURATA and Naoyuki FUKUURA

研究の目的

土木分野の地中構造物に多くあるRC壁付き柱部材には耐震補強を必要とするものがあります。これらの部材を簡易に耐震補強する工法として，帯状の鋼材を接着系アンカーで固定してせん断補強する工法を開発しています。本研究ではこの工法の基本的なせん断補強効果を確認することを目的として，RC壁付き柱を水平にしたT型RCはりの正負交番載荷実験を行い，さらに非線形有限要素解析によってフランジ（壁部）とウェブ側部に配置した軸方向鉄筋（側方鉄筋）の効果を確認しました。

技術の説明

提案する耐震補強工法は，部材の形状に合わせて折り曲げた鋼帯を接着系アンカーで固定するだけなので，重機なしでも施工でき，背面に地盤などがあり，片側からしか耐震補強できない部材にも適用できます。また，鋼板や繊維シートを貼り付ける従来工法とは異なり，部材の曲げ性能は変化させずにせん断耐力のみを向上させることができます。

主な結論

土木分野の地中構造物に多くあるRC壁付き柱部材には耐震補強を必要とするものがあります。これらの部材を簡易に耐震補強する工法として，帯状の鋼材を接着系アンカーで固定してせん断補強する工法を開発しています。本研究ではこの工法の基本的なせん断補強効果を確認することを目的として，RC壁付き柱を水平にしたT型RCはりの正負交番載荷実験を行い，さらに非線形有限要素解析によってフランジ（壁部）とウェブ側部に配置した軸方向鉄筋（側方鉄筋）の効果を確認しました。