リリース

24時間換気給気口用遮音装置「T-Silent® Sleeve -静換気-」を開発

-意匠性と通気性能に優れ、防音型ベントキャップと同等の遮音性能を実現-

2024年1月30日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、株式会社みやちゅう(代表取締役:菊池圭吾)と共同で、住宅等に用いる24時間換気システム向けに、意匠性と通気性能に優れた給気口用遮音装置「T-Silent Sleeve-静換気(しずかんき)-」を開発しました。本装置を室外から室内に外気を取り込む給気スリーブ内に設置することで、建物外観の意匠性を損なわずに、優れた通気性能を確保しつつ、従来の防音型ベントキャップと同等の遮音性能を得ることが可能となります。本装置は2024年2月に竣工する集合住宅(東京都内)に初適用されました。

 集合住宅等に設置される24時間換気システムには、外壁に設置した給気口から給気スリーブを介して室内に自然給気し、浴室等に設けた換気装置により機械排気する換気方式が一般的に採用されています。しかし、給気口からは外部の騒音も侵入するため、給気口の室外側に防音型ベントキャップと呼ばれる消音部材を取り付けて騒音低減対策を実施しているケースが多くあります。従来の防音型ベントキャップは一定の遮音性能と通気性能を確保している一方で大型となる場合が多く、意匠性やコスト等に課題がありました。

 そこで両社は、給気スリーブ内部に設置することにより建物外観に影響を与えず、通気性を確保しつつ、外部騒音を大幅に低減できる遮音装置「T-Silent Sleeve-静換気-」を開発しました。本装置の遮音性および通気性は実験室での性能検証試験によりその有効性を確認しております。

本技術の特徴は以下の通りです。

  1. 1

    防音型ベントキャップと同等の遮音性能を実現
    本装置は、吸音材(無機系多孔質材料:ゼオライト)と共鳴器が組み込まれた2つの容器を給気スリーブ内部に一定間隔を設けて設置します(図1参照)。これにより従来の高性能防音型ベントキャップと同等の遮音性能を発揮し、スリーブ直径100mm用で「T-2等級相当※1」およびスリーブ直径150mm用で「T-1等級相当※1」の遮音性能を達成しています(図2参照)。

  2. 2

    優れた意匠性と通気性能に加え、新築だけでなく既存住宅にも後付け可能
    本装置は給気スリーブ内部に設置するだけなので、建物の内外観に影響を与えず、また新築だけでなく既存住宅への後付けも可能です。さらに、一般的に通気性が低下する傾向にある従来の防音型ベントキャップに比べ優れた通気性能を確保していることを確認しました(図3参照)。

 今後両社は、24時間換気システム給気口の騒音対策技術として新築・既存住宅に対して本装置の採用を積極的に提案してまいります。

図1 T-Silent Sleeve 給気スリーブ内部設置状況(直径100mm用断面図)
図1 T-Silent Sleeve 給気スリーブ内部設置状況(直径100mm用断面図)
図2 T-Silent Sleeve遮音性能測定・評価結果
図2 T-Silent Sleeve遮音性能測定・評価結果
図3 T-Silent Sleeve通気性能測定結果(遮音性能同等の防音型ベントキャップと比較)
図3 T-Silent Sleeve通気性能測定結果
(遮音性能同等の防音型ベントキャップと比較)
  1. ※1

    T-2/T-1等級相当:JIS A 4706:2021「サッシ」における遮音等級線による評価結果であり、等級数値が高いほど遮音性能が優れている。