リリース

防爆エリアで使用可能な小型・軽量ソーラービーコン「EP Beacon」を開発

-位置測位情報サービスの利用により、作業員の安全確保と作業効率向上を実現-

2024年1月10日
大成建設株式会社

 大成建設株式会社(社長:相川善郎)は、「サービス・ソリューションのDX」の一環として、危険物取扱施設の防爆エリアで使用が可能な小型・軽量のソーラービーコン※1「EP Beacon」を開発しました。本機器は、化学プラント工場やガソリンスタンドなどの防爆エリアで利用でき、人やモノの所在と位置を把握し動線などを可視化する位置測位情報サービスを提供することで、作業員の安全確保および作業効率向上を実現できます。

 当社は、生産施設や建設現場などでの作業員の所在や動線など作業状況を把握する仕組みとして2018年に「従業員作業状況の見える化ツール」※2を開発し、実現場などへの適用を通して従業員の安全管理(遠隔からの見守り)や人的作業のムリ・ムダ・ムラの解消などを図る人・モノの位置測位情報サービスを展開してきました。このような情報サービスおいて、人・モノの位置測位にはビーコンを使用することが多いですが、今まで防爆構造が施され、設置・取扱いが容易で、メンテナンス性にも優れるといった条件を満たす機器は市場には存在していませんでした。
 そこで当社は、防爆構造を採用しつつ小型・軽量化を実現するとともに、ソーラーパネル搭載により電源供給が不要な防爆ソーラービーコン「EP Beacon」を開発しました。本機器と従業員作業状況の見える化ツールを組み合わせることで、防爆エリア内での作業員の所在確認や滞在時間の見える化などが可能となり、日々の業務改善などはもとより、トラブルなどが発生した際の迅速な安否確認への効果が期待されます。

「EP Beacon」の主な特長は以下のとおりです。(写真1、表1参照)

  1. 1

    防爆規格の認証を取得
    本機器は、防爆エリアでの使用が可能となる耐圧防爆構造仕様(Ex db ⅡB T4 Gb )について既に認証を取得しています。

  2. 2

    小型・軽量な筐体により設置や取り扱いが容易
    筐体は外径Φ60mm、高さ33mm、重さ約150gで、小型・軽量化を実現しており、壁面、天井等への設置がしやすくなっています。

  3. 3

    電源供給および電池交換が不要
    本機器にはソーラーパネルが搭載されており、AC電源の供給がなくても稼働でき、二次電池搭載により余剰電力の蓄電が可能で、フル充電であれば消灯状態でも約2カ月間の継続発信が行えます。(1秒1回発信の場合)また、電池交換も不要のため、電池交換時に伴う防爆再認証手続きも必要ありません。

  4. 4

    複数の補助機能を装備
    ソーラーパネルに加え、受光信号を受信して必要な時のみ電波を発信する機能や、モノに当該機器を取り付けて動きを検知する加速度センサーの動作信号で電波を発信する機能により省電力制御が可能です。また、本機器の二次電池残量も専用アプリで遠隔から確認することができます。

    写真 1 防爆ソーラービーコン「EP Beacon」外観
    写真 1 防爆ソーラービーコン「EP Beacon」外観
    表1 防爆ソーラービーコン「EP Beacon」仕様
    筐体形状 外径Φ60mm × 高さ33mm(ボタン部を除く)
    重量 約150g
    防爆仕様 耐圧防爆構造(Ex db ⅡB T4 Gb)
    適用箇所
    • 第一種危険箇所(Zone1)
      通常の状態において、爆発性雰囲気をしばしば生成するおそれがある場所
    • 第二種危険箇所(Zone2)
      通常の状態において、爆発性雰囲気を生成するおそれが少ない、または生成した場合でも短時間しか持続しない場所
    防爆認証番号 NC10082X
    通信規格 Bluetooth® Low Energy v5.0 準拠
    通信距離 0~約30m
    最低動作照度 400ルクス(発信頻度1回/秒)
    動作温度 -10℃~+40℃
    材質 ポリカーボネート(カバー)、アルミニウム合金(裏蓋)
    保護等級
    • 耐圧防爆容器:IP4X
    • ソーラービーコン:5気圧防水およびIP68相当
    電源・二次電池
    • ソーラーパネルからの電源供給
    • マンガンリチウム二次電池に蓄電

 今後当社は、防爆エリアはもとより、様々な施設における利用者の安全確保と業務効率化のためのツールとして本製品の販売に加え、位置測位情報サービスの提供をお客様に提案してまいります。

  1. ※1

    ビーコン: Bluetooth電波を使って情報を発信するデバイスのこと。

  2. ※2

    従業員作業状況の見える化ツール:従業員の生体データ、所在(位置データ)および作業空間の環境(作業環境データ)など様々な情報を一元的に取得し、スピーディに統合的な分析を行うツール。

    位置情報システムの動線解析(例) 位置情報システムの動線解析(例)
    作業員特定場所滞在時間の分析(例) 作業員特定場所滞在時間の分析(例)
DX認定
  • DX認定とは「情報処理の促進に関する法律」に基づき、「デジタルガバナンス・コード」の基本的事項に対応する企業を国が認定する制度です。