P2Gシステムによる建設部材工場の脱炭素化等に係る基本合意書の締結について

2022年8月2日
大成建設株式会社
山梨県

 大成建設株式会社(社長:相川 善郎)と山梨県(知事:長崎 幸太郎)は、再生可能エネルギーの電力で水素を製造するP2G(パワー・ツー・ガス)システムを利用し、建設用コンクリート部材を製造する工場の脱炭素化と、当該工場のP2Gシステムで製造した水素を、周辺地域で利用する「脱炭素グランドマスター工場」のモデル化検討に、連携して取り組むことについて合意しました。

 2050年のカーボンニュートラル実現に向けては、再生可能エネルギーの主力電源化に合わせて、エネルギーの最終消費の約7割を占めている化石燃料の使用を、製造から利用までの一切の過程でCO2を排出しないグリーン水素へ、転換していく必要があります。

 今回、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の助成※1を受け、山梨県が民間企業と開発を進めている「小規模パッケージ化したP2Gシステム」を大成ユーレック株式会社川越工場※2へ導入し、工場内に設置した太陽光発電の電力で製造したグリーン水素を水素ボイラーで燃焼させ、そこで得られた熱を建設用コンクリート部材となるプレキャストコンクリート板の製造における養生工程に利用することにより、当該工場の脱炭素化を目指します。令和5年度末までに、小規模パッケージ化P2Gシステムの製造と工場への導入、実証運転の開始を予定しています。

 更に、P2Gシステムに関して、地域全体のエネルギー管理を担うCEMS※3を用いて、既存インフラを最大限活用しながら工場内で製造したグリーン水素を地域内で有効活用する「脱炭素グランドマスター工場」のモデル化についても検討を行います。

 大成建設と山梨県は、カーボンニュートラルの実現に向け、相互に連携し、幅広い分野での脱炭素化と、地域資源を生かした水素エネルギー社会の構築に、積極的に貢献していきます。

(写真 山梨県での調印式)
左)大成建設/相川 善郎 社長 右)山梨県/長崎 幸太郎 知事

(写真 山梨県での締結式)
左)大成建設/相川 善郎 社長 右)山梨県/長崎 幸太郎 知事

図:P2Gシステムによる脱炭素グランドマスター工場のモデル化検討について
図:P2Gシステムによる脱炭素グランドマスター工場のモデル化検討について
※既存燃料とガスボイラーについては、グリーン水素と水素ボイラーによって稼働率を低減し、カーボンニュートラルを推進する。
  1. ※1

    水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発(令和3年12月採択)

  2. ※2

    中高層集合住宅等向けのプレキャストコンクリート(PC)板の製造を行う大成建設のグループ企業の工場(埼玉県川越市)

  3. ※3

    Community Energy Management System(セムス)点在する太陽光発電等からの電力供給量と、地域での電力需要の管理を行うことにより、地域全体のエネルギーマネジメントを行うシステム

【本件に関するお問い合わせ先】

大成建設株式会社 コーポレート・コミュニケーション部
TEL:03-3348-1111

山梨県 企業局 電気課 新エネルギーシステム推進室
TEL: 055-234-5268