高圧・高止水対応グラウト注入技術
高水圧環境下の亀裂性岩盤においても高止水性を実現するセメント系グラウト注入技術です。
お客様のメリット
- セメント系グラウトの注入が難しい岩盤においても高止水性を実現します。
- 注入材の配合を原位置で調整することで、廃棄材の大幅な削減(コスト低減)を実現しました。
- 熟練者のノウハウを組み入れたコンピュータ自動管理により、高品質注入を実現しました。
- 装置の小型化により、トンネル内の狭い場所でも余裕をもって使用できます。
技術の特徴
- 大深度の高水圧環境(最大10MPa程度)に対応可能で、透水係数0.1ルジオン(約10-8m/s)以下の高止水性を達成します。
- 注入材の配合を原位置で注入直前に調整することにより、注入材の廃棄ロスを低減し、コストダウンを実現しました。
- 技術者の判断・経験に頼っていた操作を自動化することで、効率的な注入管理と高い注入品質を達成しました。それに伴い、技術者の技量に品質が依存する問題や技術者の高齢化により技術ノウハウが継承されない問題を解決しました。
- 湧水抑制が求められるトンネルや高止水性が求められるダムなど適用範囲は広く、コスト・品質・環境面で貢献できる技術です。
実績・事例
幌延深地層研究施設建設工事の止水工事
- 北海道天塩郡幌延町にある深地層研究施設※において、透水係数0.1ルジオン以下の高止水注入を達成しました。これにより、施設内への湧水量は、事前予測の日4,000トンから約1/40の日100トン以下まで低減し、排水処理費用を大幅に削減しました。

(漸移帯が高透水ゾーンに相当)

(黄線部がグラウト注入区間を表す)

(左奥が注入装置、右手前が管理システム)
- ※国立研究開発法人日本原子力研究開発機構が所有する地層処分を対象とした地下研究施設で、換気立坑、東立坑、西立坑と、深度140m、250m、350mに展開する水平坑道で構成されている。
社外表彰
- 平成26年度土木学会技術開発賞