粒度管理システム「T-iTsubumil®」
AI画像認識技術を活用してコンクリート骨材・ダム堤体材料を管理します。
お客様のメリット
- 従来の大型で特殊な計測設備を必要とせず、使用材料の粒度分布を高精度で測定できます。
- 粒度分布の測定結果はクラウド上に保存し、遠隔からも即時に確認できます。
- AI画像認識により粒度試験の所要時間を短縮し、品質管理の省人化・省力化が図られます。
技術の特徴
ロックフィルダムや台形CSGダムなどに用いる堤体材料は、ダムサイト近傍の原石山や河床からの現地発生材を調達しますが、規定の品質(粒度分布)を満たすことが必要です。「T-iTsubumil®」(ティ・アイツブミル)はデジタルカメラで連続撮影した土質材料の画像から高度なAI画像認識技術を活用して粒度分布をリアルタイムに算出することのできるシステムです。

特殊な計測設備なしで、あらゆる工種での粒度測定に適用可能
従来は、暗室でストロボ撮影を行うための解析用特殊計測設備が必要でしたが、「T-iTsubumil®」はベルトコンベヤなどの直上にデジタルカメラと支持架台を設置するだけで粒度測定ができます。そのため、システム運用に掛かる手間とコストを大幅に削減することができるとともに、ダム工事やそれ以外のあらゆる工種での粒度測定にも適用が可能です。
クラウドを活用して品質管理を実施し、迅速な情報共有が可能
AIによる認識画像や解析結果などの各種データはクラウド上に保存します。試験状況や解析結果、材料性状の確認などの品質管理をリアルタイムで遠隔からも行うことができ、迅速な情報共有が可能です。
AI活用により試験時間を大幅に短縮し、高精度な粒度管理を実現
AI画像認識技術を活用した粒度解析結果の精度は±5%以内と、JIS法による試験精度と同等です。また、本システムは画像撮影から粒度分布(通過質量百分率)の算出までを5秒程度で完了させることができ、試験時間を大幅に短縮して高精度な粒度管理を行うことができます。
測定手順
- 1ベルトコンベヤなどで搬送される対象材料を上部からデジタルカメラで撮影し、材料画像を取得
- 2AI画像認識により、材料画像に映る各材料粒子を認識し、輪郭を識別
- 3材料の管理粒径(例:80mm、40mm、20mm、10mm、5mm)ごとに重量換算することで、通過質量百分率を求めて粒度 分布を算出
- 4算出結果はリアルタイムにクラウドに保存し、いつでもどこでも端末等の画面上に表示して確認・情報共有

実績

適用年月 : 2023年2月
工事名 : 南摩ダム本体建設工事
発注者 : 独立行政法人 水資源機構