切羽プロジェクションマッピング
山岳トンネルの切羽に地質情報を投影し、施工の効率化と安全性の向上を実現します。
お客様のメリット
- 切羽にて地山の性状や硬軟の程度をビジュアルかつ定量的に把握できます。
- 地質情報を共有し、発破パターンや装薬量を最適化することにより施工効率が向上します。
- 簡易なボタン操作でシステムの運用が可能であるため、作業員や技術者の負担がありません。
技術の特徴
近年、計測機器の小型化・高精度化や建設機械の発展により、地質状況の計測データを短時間かつ自動的に取得できる機器が実用化されています。しかしながら、これらの機器で取得したデータを確認するためには、別途専用の端末やデータ処理が必要な場合が多く、施工にフィードバックするためにはタイムリーな評価結果の表示とその作業性が課題でした。
掘削時に得た地質情報をタイムリーに可視化
切羽プロジェクションマッピングシステムは、ドリルジャンボの運転席上部に設置した高輝度プロジェクターより、掘削時に取得した地質情報を投影します。削孔作業時に取得できる削孔エネルギーは岩盤の硬軟の目安になるもので、このコンター図を切羽に投影することで、作業員のみならず施工関係者全員が硬軟の程度を一目で把握できます。

ボタン操作だけの良好な作業性
本システムは、クラウドサーバーとコンピュータジャンボ、高輝度プロジェクター、小型PCで構成されています。全体のシステムは、コンピュータジャンボに搭載したスイッチボックスのボタンだけで操作することができます。
プロジェクターで投影する切羽写真や削孔エネルギーのコンター図といったデータは、自動的にクラウドサーバーにアップロードされます。
また、プロジェクターで画像を投影する場合、設置位置や傾きによって投影画像に歪みが生じるため、調整が必要です。本システムでは、コンピュータジャンボの自動測量機能と連携して、プロジェクターの座標と姿勢情報を取得し、小型PCにて自動的に投影画像を幾何補正することができます。
実績・事例
国内の3つの道路トンネルの工事現場において運用を行い、地質状況を施工にフィードバックする情報共有ツールとしての有効性を確認しました。以下に、国道106号下川井トンネル工事での運用結果の一例を示します。
<運用結果>
切羽プロジェクションマッピングを活用して地質状況を情報共有し、削孔箇所や装薬量の選定を行いました。その結果、効果的な発破作業(過装薬・弱装薬の減少)ができ、掘削作業の着実な進捗に貢献しました。

