トンネル切羽先行変位計測
「TN-Monitor®」
トンネル切羽前方の微小な地盤変形を正確に把握する変位計測システムです。
お客様のメリット
- 切羽前方で生じる微小な地盤の沈下量とトンネル切羽の押出し変位量を計測できます。
- 切羽前方での周辺構造物に対する影響監視や軟弱層の早期発見に貢献できます。
- 計測器械は全てトンネル坑内から設置するため、地上からのボーリング等が不要です。
技術の特徴
TN-Monitor(Taisei NATM Monitor)は、トンネル坑内から切羽前方に計測器械を設置し、切羽前方の微細な地盤変形を正確に把握する変位計測システムです。掘削に伴う切羽前方の沈下計測には、多点型傾斜計(SAA)を、切羽前方の押出し変位の計測には挿入式多点変位計(T-REX)を用います。掘削による影響を切羽到達前から監視することができるため、特に、トンネル近傍に多数の既設インフラ構造物が存在する都市部での山岳トンネル工事など、綿密な計測が必要とされる場合に有効です。計測器械を坑内の切羽近傍から設置するため、地上部からのボーリング作業を必要とせず、進行方向に連続的な計測も実施できます。

実績・事例
都市部での地下鉄工事の事例では、TN-Monitorにより切羽前方の軟弱な地山区間の早期把握に努めました。SAAでは下図左のように、掘削に伴う切羽前方変位の予測値と計測値を比較して、施工管理を行います。切羽前方に軟弱な地盤がある場合,下図右のように、区間変位量の分析から事前にその存在を定量的に確認することができ、早期の対策工立案に役立ちます。

