出水警報システム「T-iAlert® River」
河川の出水を事前に把握し、河川工事の安全性を確保します。
お客様のメリット
- 河川水位の急激な上昇を予測することにより、安全に河川工事を行うことができます。
- 河川工事だけでなく、増水による危険性がある河川周辺での工事にも適用できます。
- 降雨や河川水位の状況をリアルタイムで把握できます。
技術の特徴
観測・予測データの自動取得
国土交通省および気象庁による観測・予測データ（降雨、河川水位、河川流量）をインターネット経由で自動取得し、工事地点の河川水位の解析に活用します。
3つの解析手法によるシステム信頼性の向上
解析には3つの手法（①流域内の累積雨量による手法、②分布型流出解析※1による手法、③工事地点上流の複数の観測水位による手法）を併用しているため、信頼性やロバスト性※2を確保しています。
警報の配信
観測データや解析結果は、インターネットで自動配信します。予測した水位が危険水位を超えた場合には、警報を携帯メールなどを通じて配信し、工事関係者に迅速に周知します。
- ※1分布型流出解析
流域をメッシュに分割し、メッシュ毎に地表流および地下浸透流に関する方程式を解くことで、降雨による河川流出を解析する手法。流域の地形、土地利用形態、土壌特性および降雨分布をメッシュ単位で考慮できるため、従来の流出解析手法（合理式、貯留関数法等）と比べて、流域の出水状況を精度よく解析できます。 - ※2ロバスト性
1つの手法でトラブル等が発生した場合も、残りの手法が稼動することでシステム全体の安定性を確保できることです。
実績・事例
本システムを、石狩川頭首工新築工事に適用しました（2004年～2011年）。2009年7月に石狩川で大規模出水が発生し、施工現場では仮締切工天端の0.13m下まで水位が上昇しました。本システムはこれを予測して29時間前に警報を配信しており、仮締切工内の重機、資材、人員を予め退避させ、対策を講じることが出来ました。
社外表彰
平成26年度 全国土地改良工事等学術技術最優秀賞 ：（公社）農業農村工学会