硝酸性窒素による地下水汚染の防止技術
透過性浄化壁により農耕地由来の硝酸性窒素による地下水汚染を長期的に浄化します。
お客様のメリット
- 地上部の利用を妨げずに、数十年間、地下水中の硝酸性窒素を浄化します。
- 揚水等の処理を行う必要がなく、メンテナンスフリーで浄化が行えます。
- 微生物の脱窒作用を利用する浄化技術であるため、安全性が高く、二次汚染が生じません。
技術の特徴

本技術は、硝酸性窒素で汚染された地下水の流路に微生物の脱窒反応を促す有機物を長期的に放出する浄化材(徐放性有機物)を混合した浄化壁を構築し、硝酸性窒素を無害な窒素ガスに変換する浄化技術です。浄化壁は水源地などを守る鉛直浄化壁と、施肥量の多い畑地の下部に設置して帯水層への硝酸性窒素の負荷量を減らす水平浄化壁の2種類の浄化壁を開発しています。浄化壁に設置する浄化材は地盤環境に応じて適切な徐放性有機物とその供給量を選定するため、有機物の過剰な溶脱が生じず、浄化効果を長期的に持続させることが可能です。

実績・事例
これまでに、4件の環境省の実証事業を受託し、各務原市、都城市、島田市の農耕地において実規模の浄化壁を作成し、その効果を確認しました。その結果、浄化壁によって地下水中の硝酸性窒素濃度を低減でき、その効果は少なくとも15年以上継続することが実証されました。

(水平浄化壁)

実証試験(鉛直浄化壁)
社外表彰
2006年度 日本水環境学会 技術賞 : (公社)日本水環境学会