これからのまちづくりを支える最新技術
「都市のデジタルツイン」に注目!【その1】
2024年2月22日
「デジタルツイン」とはどのような技術?
DX(デジタルトランスフォーメーション)の普及にともない、「デジタルツイン」というワードをよく見聞きするようになった。「デジタルツイン」技術は、今後多くのビジネス分野での活用が期待できる技術である。
「デジタルツイン」技術とは、現実世界に実在しているものを、仮想空間に本物そっくりに再現する技術であり、現実世界では簡単に実現できない事象を精度高く仮想空間でシミュレーションすることが可能となる。
「デジタルツイン」は、膨大なデータを集約、反映させることができ、現実世界で実際に発生する可能性のある事象をあらかじめ仮想空間で忠実に再現し、また何度も繰り返して実施できる。将来起こり得る事象を様々な角度から、精緻に擬似体験・シミュレーションできることから、今後益々多くの分野での普及と高度化が進んでいくと期待される技術の一つである。
注目される「デジタルツイン」技術の一つ
「都市のデジタルツイン」とはどんな技術かご存知ですか?
都市のデジタルツインとは、デジタル空間に都市をそっくりそのまま再現することだ。都市空間を3Dでビジュアライズする、人流情報など都市の活動データを収集、整備する等、様々なアプロ―チで、都市のデジタルツイン構築がはじまっている。
「PLATEAU」から急速に発展した「都市のデジタルツイン」
デジタルツインの思想は特別新しいものではなかったが、都市スケールでそれを実現するのは簡単ではなかった。しかし、2020年にProject PLATEAUが国土交通省の主導ではじまると、都市のデジタルツイン構築が急速に進んだ。
PLATEAUは「都市活動のプラットフォームデータとして3D都市モデルを整備し、誰もが自由に都市のデータを引き出せるようオープンデータとして提供」している。3D都市モデルを活用した様々なユースケースも開発され、都市のデジタルツインが着実に実装に近づいている。
「都市のデジタルツイン」を創る意義
都市のデジタルツインは、実際の都市の状況を可視化しながら理解したり、将来計画をシミュレーションするために使われる。現実空間では容易に行えないシミュレーションも、デジタル空間であれば何度も試行することができ、最適な結果を現実の都市にフィードバックすれば良い。
シミュレーションの他にも合意形成ツールとして期待される。これまで、図面やイメージ画像などで示されていた将来計画も、3Dビジュアライズすることで、関係者間での共通認識もとりやすくなる。
「デジタルツイン」を用いる最大のメリットは、合意形成が容易になることである。あらゆる状況を仮想空間でより精緻に、何度も繰り返してシミュレーションすることが可能となるため、関係者間でタイムリーに齟齬なく、合意形成が可能となる。
次回から大成建設が取り組む、都市のデジタルツインによる新しいまちづくりについて紹介する。