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高耐荷UFC床版の開発と量産化

羽田空港拡張工事 D滑走路への適用

武者 浩透*1・大竹 明朗*2・横井 謙二*3・大熊 光*4

Development and Mass Production of UFC Slabs with High Load Capacity

Application to Tokyo International Airport (Haneda) Runway D

Hiroyuki MUSHA*1, Akio OHTAKE*2, Kenji YOKOI*3 and Hikari OHKUMA*4

研究の目的

羽田空港D滑走路の桟橋部のうち,滑走路及び誘導路の外側のエリアに,約7,000枚のUFCプレキャスト床版が採用されました。このUFC床版は,航空機荷重といった大きな荷重に十分耐え,かつ,限られた期間に大量生産できる優れた製作性や経済性が求められました。 ※UFC:超高強度繊維補強コンクリート

技術の説明

高耐荷で大量生産に適した床版構造を開発するため,様々な床版構造の製作実験や構造実験を実施いたしました。その結果,上図に示すリブ構造を有する2方向プレテンションUFC床版を開発しました。この構造は2方向に多量のPC鋼材を配置することで床版に大きな圧縮力(プレストレス)を与え耐荷性能を高めています。そのため,リブ高さで25cm,薄い床版部では7.5cm厚と非常に薄い構造とすることができました。また,このUFC床版を効率的に生産することができる量産化システムの開発もあわせて行いました。

主な結論

このUFC床版は,従来のPC床版に比べて56%もの重量を削減することができました。量産化システムを導入して建設した専用工場では,安定した高品質なUFC床版を製作することができました。UFCを用いたこのような構造の大型床版は世界でも例がなく,UFCの適用規模(UFC数量:22,000m3)としても世界最大となります。

*1 技術センター 土木技術開発部 土木技術開発プロジェクト室
*2 東京支店 桑名土木作業所
*3 東京支店 羽田D滑走路 桟橋Ⅱ工区作業所
*4 土木本部 土木技術部