超高強度コンクリートを用いたRC長柱の構造性能

岡田 直子^＊１・今井 和正^＊１・坂口 裕美^＊２・村松 晃次^＊２・寺嶋 知宏^＊３・服部 敦志^＊２・小室 努^＊２

Structural Performance of Slender RC Columns Using Ultra High Strength Concrete

Naoko OKADA^*1, Kazumasa IMAI^*1, Yumi SAKAGUCHI^*2, Akitsugu MURAMATSU^*2, Tomohiro TERASHIMA^*3, Atsushi HATTORI^*2 and Tsutomu KOMURO^*2

研究の目的

これまで鉄筋コンクリート造建物では，柱は鉛直力と地震力の両方に抵抗できるよう剛強に設計されることが一般的でした。しかし近年，免震・制振技術や壁などの水平力抵抗部材と組み合わせることで，地震力から開放された柱は，鉛直力のみを支持する部材として設計することが可能になってきました。さらに，高強度コンクリートを用いることで柱をスレンダーにすることができ，空間自由度は大幅に向上します。このような軸力柱をオフィスビルに適用し、開放的なオフィスを実現した例を写真に示します。本研究では，更なる大スパンや高層の建物への適用を想定し，圧縮強度200N/mm²のコンクリートを用いた軸力柱の構造性能を確認しました。

技術の説明

柱に超高強度コンクリートを用いて大きな鉛直力を負担させる場合，地震時の建物変形に柱が追随できるかが課題となります。そこで，柱に所定の鉛直力を作用させ，地震時を模擬した水平変位を与える実験を行いました。

主な結論

様々な条件に応じた構造性能を実験で把握し，建物での要求性能を満足できることを確認しました。現在計画中の建物において，超高強度コンクリートを用いた軸力柱の適用を検討中です。今後も，大スパン架構技術や免震・制振技術などと融合させ，より開放的な建築空間を創出していきます。