多数開口を有する超軽量I形PCaPC梁の構造性能

竹崎 真一^＊１・是永 健好^＊１・小室 努^＊２・河本 慎一郎^＊２・稲田 博文^＊３・甲斐 隆夫^＊３

Structural Performance of Ultra-lightweight PCaPC I-shaped Beam with Multiple Openings

Shin-ichi TAKEZAKI^*1, Takeyoshi KORENAGA^*1, Tsutomu KOMURO^*2, Shin-ichiro KAWAMOTO^*2, Hirofumi INADA^*3 and Takao KAI^*3

研究の目的

地球環境への配慮から建物の長寿命化が望まれており，将来の用途変更やレイアウト変更に対応できる大スパン空間が求められています。大スパン空間を構築する技術として，プレキャストプレストレストコンクリート（PCaPC）梁を用いたT-POP構法を開発し，実施適用しています。今回，T-POP構法での梁断面の更なる縮小と部材の軽量化を目的に，超高強度コンクリートの使用とI形断面形状および多数開口による超軽量PCaPC梁を開発しました。

技術の説明

I形断面PCaPC梁は，コンクリート梁としての性能は確保しつつ，その重量を軽減することで，スパン30mの大空間を構築できます。また，振動障害が少なく，遮音性能の高い居住空間を創出できます。さらに，設備用の開口を多数かつ自由に配置できるため，天井内設備配管の収まりがよくなり，ゆとりのある天井高さが確保できます。

主な結論

実験の結果，I形断面ウェブ部に連続的に配置した開口部の耐力は，設計上要求される耐力を十分に上回ることが確認できました。また，超軽量化の実現により使用する材料の大幅な削減が可能になりました。